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#22 ”故郷”を離れるとき

岩手、青森とSNSでのつながりで旅をした。

本当に温かい、人間臭い旅。

今の日本に失われかけている、そんなちょっと昔は当たり前だった「旅」に何か近いものができたのではないか。

岩手の矢幅、青森の浅虫、弘前という場所が、心のしおりとして留まることになると思っていなかった。

ただ、自分らしく最も理想的な過ごし方をした時間だった気がする。

そんな旅の最後は感謝で締めくくりたくなり、Twitterでかっちゃに教えてもらった岩木山神社。

雪でつるつるの参道が津軽の冬はこんな程度ではないことを教えてくれる。ご縁を結んでくださった神様へお参り。とっても気持ち良い参拝だ。

心からお礼と、また来ることを伝えて駐車場に戻る。

「これが言ってた、鳥居からの山頂か。」

再び御礼をして車を出す。

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帰りの新幹線。

いつもと何か違う帰り道。
新青駅から乗り込んだ時にはいつもの撮影帰りとは違う、どこか感傷的な気持ちがあった。

オフ会を振り返る。

公民館での出会い、りんご栽培と農薬のお話。
りんごは小売の棚に並ぶ消費財だったかもしれないけれど、どこか気になる有機的なものになった。
青森のりんごに人の顔、こころが見えるようになったんだな。
このオフ会ができたのも、あの一言があったから。
今度はパパママの家まで押しかけよう。

独自に動いて、自分の土地を盛り上げる行動力。
自分のやりたいこと、私は何か行動できているか、自問自答した。
そうか、自分も動かなければならないのだ!というメッセージをもらった気がした。帰ったら頑張らねば。

たくさん質問をし、たくさん教えてくれる。
客観的な視点で私の疑問がどんどん解決されていき、私の好奇心はさらに膨らんでいく。そんなちょっと変わった私の兄さん。
毛豆、銀杏、桃といただき、今度こそりんごをしっかりいただきたい。
感謝と尊敬の念を込めて。

―――――――◇◇◇―――――――

気が付けばドアは閉まり、7号線のカブスーパーがあっという間に後ろに流れていく。

ああ、青森を出たのだな。

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いつもならすぐに眠りにつくが、余韻に浸りながら車窓を眺める。

「まもなく、盛岡です。」

もう盛岡か。矢巾はあっという間に過ぎちゃうな。

とうもろこしの時期には、辛口のシェフ自慢の料理が待っている。

再会を望みながら、くすっとこころで笑う。

この感情は何だろうと考えていると、富山からの帰りを思い出した。
ばーちゃんの見送り、富山での時間を思い返し、寂しくなった気持ちと同じだと気づく。

もしかしたら故郷に帰ったのかもしれないな。
こころの故郷なんて、よく言うもんだ。

またじきに帰るよ!

新しくできた故郷、岩手と青森のディスカバー。

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