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#11 夕焼け雲の下で中庸を感じる。

夏の新潟。
稲は青々と育ち、山々が見守る中、雲はもくもくと青空を隠す。
夕刻、太陽は海に沈むために山の向こうへ。
雲は太陽が沈むのを許さんとばかりに、橙色の光を広げる。

空を見上げれば、どんな嫌なこともどうでもよくなってしまいそうな、そんな世界が目の前にあった。
こうした風景を日常見ていたら、どんな気持ちで過ごすのだろう。
豊かな気持ちで居られることが嬉しいと同時に、普段の気持ちの動かなさを感じる。
最近、感動ってどこでしたっけかな。

ガタンゴトンというリズミカルな音を響かせながら、今日も日常を支えている。空の色を眺めていて、この光景を写真に収めたくなった。
白い車体に夕焼けが映え、稲の緑と車体の帯、橙と緑の入り混じりつつも主張する、この色こそが中庸を表しているような気がして。

自他を線引きすることに慣れ、それを感じる度にさみしさを感じていたのだが、出来上がった画を見てなんだかそれが満たされた感覚だった。

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『橙と緑 新潟の空の下で』Photo by Taromaru

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