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開成山公園の桜など

 季節はずれの話で恐縮です。
 郡山市にある開成山公園の「ソメイヨシノ」は樹齢約150年とのことであり、現存する最古級のソメイヨシノであるとされています。約150年前に実施された、安積開拓と言われる事業の際に、全国から郡山に入植された方々が持ち込み、植えたらしいです。
『自分たちが生きている間には、立派な木にはならず、花が咲かないかも知れない、しかし、いつか子孫たちが、ここで花見ができたらよい』
そんな想いがあったと伝えられています。

 郡山市発展の礎とされている安積開拓ですが、初期に入植された方々の中には、苦難の末に逃げ出した方もいるとの話もあります。
 しかし、未来のために荒地を耕し、稲を育て、木や花を植え、産業振興に務めていただいた方々のおかげで、私たちは桜を愛でることができます。その歴史も含め、現在の桜も含め、郷土の誇りと言えるものの一つだと感じています。

 さて、話は変わりますが、筆者の大好きな「ふくしま逢瀬ワイナリー」の住所は「郡山市逢瀬町多田野字郷士郷士2」になります。「竜馬がゆく」をお読みの方、坂本竜馬ファンの方は御承知のとおり、「郷士」というのは、土佐藩の下級武士の身分になります。地元の言い伝えになりますが、安積開拓の際に、土佐藩出身の郷士の方がワイナリーの地を開拓したことから「郷士」の名が残ったとされています。
 三菱商事の創業者「岩崎弥太郎氏」も土佐藩出身であり、150年余りの時を越えて、土佐藩ゆかりの地に、三菱商事ゆかり「ワイナリー」が生まれ、郡山産葡萄から醸したワインのラベルについて、開成山公園の桜をモチーフとする。

 このワインを手に、開拓者の子孫が開成山公園で花見をする。

 浪漫じゃないですか。

 戊辰戦争があり、開成山公園が誕生し、桜が植えられた。
 東日本大震災があり、ふくしま逢瀬ワイナリーが誕生し、葡萄が植えられ、郡山産ワインが産まれた。

 物語があるじゃないですか。

 50年後、100年後の未来にも、開成山公園の桜が残って欲しい。
 50年後、100年後の未来にも、郡山産ワインが飲まれて欲しい。

 そう、思わざるを得ないのですよ。
 そして、この「ふくしま逢瀬ワイナリー」誕生の背景にある話が、「ミラクルミッション」というシリーズになります。
 「あおはる」さんがリップサービスで「公務員版 半沢直樹」と表現していただいたストーリー、是非、お読みいただきたいと存じます。

 なお、筆者的には「ミラクルミッション」に関係していた時は「坂本竜馬気分」でした、「わしゃ、役所の人間である前に、郡山市民じゃ。郡山のために汗でも恥でもかいてやるわ、役所が処分したいというなら処分すりゃえぇ、わしゃ、自分の道を行くぜよ。」
 まぁ、今も少しそんな気持ちがあります。

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