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今日も今日とて「骨皮筋衛門」#創作大賞感想

 敬愛するクリエイターのお一人、はそやmさんが投稿する「創作大賞2024 ファンタジー小説部門」に「骨皮筋衛門第6章」が投稿されていましたので、シリーズの感想をツラツラと綴ります。本編はこちらです。

 あ、すいません。できれば第1章からお読みいただきますようお願いします、こちらです。

 こちらの作品の面白さのベースに「設定の妙」があると感じています。「異色のヒーロー」、「これまでには無い」という部分です。
 以下、ネタバレを含みますので「ネタバレ」を好まない方は、ここで「そっとじ」をお願いします。

 よろしいでしょうか。
 「骨皮筋衛門」の異色な設定として「体型がふっくら」、「武器を使わない」ということに加えて「潜入捜査特化型」という特徴があり、私としては「潜入捜査特化型」という設定に目を見張ります。

 よくあるヒーロー物の展開として、シリーズを通じてのオプションとして「敵組織に潜入」というのは多々あると思いますが、ヒーローの基本は「虐げられている方々」や「被害を受けようとしている方々」を救済するために「颯爽登場」だと感じています。

 もちろん「骨皮筋衛門」も、人々のピンチを救うために「颯爽登場」しますが、それは「潜入捜査」というミッションを乗り越えてからになるのです。そこに作者が主人公に込めた「底抜けの優しさ」を感じます。
『悪の組織には悪の組織として行動するの理由や背景がある』
『目の前の敵を倒しただけでは根本的な解決ではない』
そして、何よりも
『彼らは本当に【悪】なのか』
ということを見極めるために「骨皮筋衛門」は敵組織に潜入捜査を行っているような気がしてなりません。

 「敵だ」「悪だ」と言われたまま、教えられたまま行動するのではなく、自分が相手を正しく理解し納得するための技術として「潜入捜査」に特化したのではないかと考えてしまうのです。
「嫌な奴かと思ったけど、話をしたらいい奴だった」
ということを誰もが経験しているかと思います。それでも第一印象や風聞に踊らされ、他者を色眼鏡で見てしまうことも経験していると思います。

そのような柵(しがらみ)を潜入捜査を行うことで

ヒラリ・クルリ・プルン・ボスン

と解決していくことが「骨皮筋衛門」に受け継がれてきた優しさであり、技術であり、大きな魅力だと考えています。

 そもそも「潜入」って、もの凄く大変なのです。仮面を被り相手の信頼を得ながら行動していくのはストレスも溜まりますし、労力は勿論時には金銭的な負担も被ることになります。最初から敵対してねじ伏せる方が簡単なのです。潜入はとても大変なことなのです。
 本編と直接の関係ありませんが、かつて仕事とは関係なく「柔道の国際大会のスタッフ」を始め「大手新聞社の本社にある風呂」「大手保険会社の社食」や「大手商社のボート部」など、数々の組織に潜入してきた私が言うのですから、潜入が大変なのは間違いありません。

 話を戻し、重ねてになりますが「骨皮筋衛門」に受け継がれてきたのは、敵味方関係なく、生きる者足掻く者に向けられた優しさ「博愛」であるような気がします。
 それは作者の「はそやmさん」が心に抱き続け、読者に伝えたいと挑戦していることにも繋がる印象です。

 なお、本稿の「サムネ画像」は、はそやmさんに描いていただいたイラストの一部になります。私が書いた「銀山町 妖精綺譚」という物語に登場する人物です。イラストをお願いしたら、主役ではない登場人物にスポットを当てていただきました。こういう心配りにもはそやmさんの優しさを感じます。

 なお「骨皮筋衛門」シリーズに登場する「敵組織」は、少し間抜けに描かれており憎めない方々ではありますが、主人公が敵を愛し味方に優しく、悪を憎んで人を憎まず、自分の肉を重ねても他者に罪を重ねさせないという行動原理を持つ「現代のファンタジー」と言える物語。
 剣も魔法も妖精もドラゴンも登場しませんが、この「ありえないくらい優しい主人公」は、間違いなく「ファンタジー小説」だと思うのです。
 是非、お読みいただきますようお願いします。

#何を書いても最後は宣伝
 はそやmさんに描いていただいたサムネ画像の元ネタはこちらの物語になります。

 また「骨皮筋衛門」の感想文は今回が2本目で、1本目がこちらです。ちょうど1週間前に投稿した記事のようです。

 需要は無くても、このまま「骨皮筋衛門感想」を週1でシリーズ化してしまおうかというくらい、ハマっている自分が怖いです。
#創作大賞感想

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