「死んでもいいわ」の日々
交流させていただいている、ikue.mさんがとても興味深い記事を投稿されています。
是非記事をお読みいただきたいところですが【大切にしている言葉】が、
「どうせいつか死んじゃうんだから」
だそうです。とても共感できる部分とそうでない部分があり、少し自分の気持ちを書き残しておきたくなりました、11月ですし。
御承知の方もいるかもですが、「福島太郎の本体」=「よしきく」は2019年11月に不整脈(心房細動・心房粗動)の激しい発作を起こし、一晩で3回AEDにより心臓を止められるという経験、さらにその後数日間に渡り、自力での酸素吸入や経口摂取による食事ができず、言わば「死にそうな目」に遇いました。
その時に「生き延びることができたら、若い公務員のための本を書き遺したい」と考えて、その書き手として生まれたのが「福島太郎」です。
それから約半年をかけて「公務員のタマゴに伝えたい話」の原稿を執筆し、2020年6月下旬にkindle出版しました。
世間では「コロナ禍」が激しい時期でもあり、コロナで亡くなる方の報道もあり、
「この本を書き上げるまでは死にたくない、死ぬ訳にはいかない」
という悲壮な想いで、コロナはもとより、不整脈の発作やカテーテルアブレーション手術の後遺症などに怯えながら、執筆をしていました。
「死ぬ前に、とにかく急いでkindle出版」
という気持ちが強く、全体として「練り上げが足りない」ままで発刊しました。
その後「公タマ伝第2集」、「元宮ワイナリー黎明奇譚」という「公務員三部作」を発刊したところで、何となくですが。
「やりたかったことは、やり遂げた。これで思い残すことはない」
という心境になり、「これで福島太郎もnoteも卒業しようか」と「よしきく」としては考えたのですが、太郎が言うことを聞かず、「まだまだ書かせろ」と主張しまして、noteを継続しつつ「恋する旅人」「黒田製作所物語」など「福島太郎が楽しむためにkindle出版をする」ようになり、noteの活動が三年半を超えました。
最初は
「この本を書き上げるまでは死にたくない、死ぬ訳にはいかない」
という想いでしたが、現在は「もう、いつ死んでもいい」という心境です。
もう少し生きていられるなら「もう少し書いて逝きたい」という気持ちはありますが「焦燥感」とか「渇望」するような想いはない状況です。
二葉亭四迷さんの有名な逸話に
「愛している」への返事として、直訳すると「あなたのものよ」という言葉を「死んでもいいわ」と意訳したというものがあります。
なんとなく同じような心境で、ほぼ毎日のように
「死んでもいいわ」
と考えています。もう少し説明しますと「福島太郎」として3年半、
「好きなように生きた。好きなように書いてきた。望んだ以上の作品を残せた。後は何もいらない、もう死んでもいい。
今という平和な時代を、共に生きている皆を愛している」
という穏やかな気持ちでいます。書き手として
『金もいらなきゃ栄誉も要らぬ』
という感じで
「福島太郎の人生には何もいらない、すべて、あなたのものです」
という心境でもあります。
とは言え、まだまだ死ぬつもりもないですし、まだまだ書いて生きたいところですが、それでも、4年前には存在しなかった「福島太郎」がkindle出版として10冊の本を残せたこと。noteで書き続け、多くの方々と交流させていただいたことに感謝し、「もう死んでもいいわ」と感じる日々なのです。
そう、あの「笑えない藁の案山子」が、ガンダーラに辿り着けずに旅を終えようとした時の心境にも似た気持ちで、日々を過ごしているのです。
ということで、
#何を書いても最後は宣伝
福島太郎の処女作が、こちらの「公タマ伝」
「笑えない藁の案山子」を収録している最新作が、こちらの「ショートショートパラダイス」
自分で書くのも何ですが、「同じ作者が書いたとは思えない」ような作品群、これらの本を書き残せた人生は、金も無く、名誉や栄誉もなく、伴侶もないけれども
『ガンダーラに辿り着けず、笑えなかったけど、良い藁生だったと思う』
と思う日々なのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
福島太郎は11月11日(土)に開催される「文学フリマ東京37」 第二展示場 え-11に出店します。
書籍を購入してくださった方のための「おまけ」も用意しました。
皆様と交流できること、楽しみにしています。後、4日間は
「死にたくない、死ぬ訳にはいかない」
という気持ちを持ちながら、人生を楽しもうと思います。
余談ですが「笑えない藁の案山子」は、りみっとさんの記事にインスパイアして生まれました。
この記事から、ちょうど1ケ月になります。この1ケ月の間に
「笑えない藁の案山子」と「王様になれなかった雀の話」を投稿し、この2作を収録した「ショートショートパラダイス」をkindle出版し、イラストを外注して「絵本みたいな本」のkindle出版にも取り組んでいるという「福島太郎」は、「かなりクレイジー」だと思う日々でもあります。
なんと、この「笑えない藁の案山子」の「絵本みたいな本」は、来月12月上旬に「kindle出版」をする段取りとなりました。
経過はまた御報告したいと思います。いくつかのイラストを「文学フリマ東京37」で、購入者・交流者の方にお渡しできる予定です。
この記事が参加している募集
サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。 皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。