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【創作】連載小説「小じさん」

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不思議生命体「小じさん(こじさん)」。それは、なんだかんだいてくれて嬉しい、小さなおじさん。
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#小じさん

小じさん第一話「緑の小じさん」

 街を歩いていたら、その一角に不自然な緑地区画を見つけた。しばらく人の手が入っていないよ…

桐沢もい
1年前
16

小じさん第二話「赤い小じさん」

 久しぶりに仕事を早く上がることができたある日、少し外の空気を吸いながら散歩をしてみたく…

桐沢もい
1年前
9

小じさん第三話「白い小じさん」

 僕は、2023年が始まってからひと月と経たないうちに、2度も奇妙な体験をした。それはいずれ…

桐沢もい
1年前
13

小じさん第四話「緑の小じさん(再び?)」

 両足で小刻みにステップを踏む。顎先から汗が滴る。 「いっ!」  マスクの内側でおもいき…

桐沢もい
1年前
9

小じさん第5話「灰色の小じさん」

 あれは本当にあったことなのか、それとも何かの見間違いだったのか、ちょっと自信がない。で…

桐沢もい
1年前
18

小じさん第6話「くすんだ桃色の小じさん」

 彼とは、その後何の進展もなし。  というより、本当に私は彼のことが好きなのか、分からな…

桐沢もい
1年前
12

小じさん第七話「黒い小じさん」

 気がついたらいつもの天井があった。僕の部屋の天井。僕は仰向けになっているらしい。背中の感触は布団のものだ。長年使っていてすでに弾力が失われた硬い布団。状況はわかった。僕は今まで寝ていて、たった今目を覚ましたということだ。今何時だ。ていうか、何曜日だ。頭が朦朧としている。寝る前の記憶がない。  カーテンが引かれた窓からは微かな光が漏れていた。寝ぼけた頭では、それが昇りつつある朝日の光なのか、月明かりなのか判断がつかなかった。  首をひねって壁の掛け時計を見る。光の加減で針の位

小じさん第8/八話「私/僕 (小じさん)」

 う〜ん、う〜ん……  私は部屋の中を、ひとつの壁から反対側の壁まで、何度も何度も往復し…

桐沢もい
1年前
10

小じさん第9話「かたのり小じさん(前編)」

「ちょ! なにこれ。マジうま」  感激の叫びを上げ、フォークを口に加えたまま丸々とした目…

桐沢もい
1年前
7

小じさん第10話「かたのり小じさん(後編)」

「え? いや、……ううん。ちょっとぼぉっとしてただけ。何だっけ?」  と、私がごまかすと…

桐沢もい
1年前
1

小じさん第十一話「砂地の小じさん 1」

 川面が反射する光の粒に、僕は心を奪われていた。それは僕の視界の中できらきら、ちろちろと…

桐沢もい
1年前
1

小じさん第12話「遊園地と小じさん 1」

 どうしよう……  私は自室のベッドに向かって途方に暮れていた。といっても、問題はベッド…

桐沢もい
1年前

小じさん第13話「遊園地と小じさん 2」

 遊園地は盛況だった。ここはディズニーランドかと突っ込みたくなるほど、人で溢れかえってい…

桐沢もい
1年前
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小じさん第十四話「砂地の小じさん 2」

 ――ときどき心を生かしてやらんと、いずれお前さんの心はここみたいに、山奥で人知れず死んでまうことになるで。  小じさんの言葉を僕は頭の中で何度も反芻していた。  座るのにちょうどいい大きさの石を見つけた。僕はそこに腰掛け、山の斜面を流れ落ちる川の水面をじっと眺めていた。上流域のゴツゴツとした石にぶつかりながら下流へと流れる水の音が、絶えず耳に届く。遠くで鳥の気怠そうな鳴き声が聞こえる。辺りが陰る。見上げれば、灰色の雲が空を覆っていた。  小じさんは心の死に対して、こうも言