小じさん第十一話「砂地の小じさん 1」
川面が反射する光の粒に、僕は心を奪われていた。それは僕の視界の中できらきら、ちろちろと、無邪気な小人のようにせわしく動き、僕に何かを語りかけようとしているみたいだった。それはほとんどこの世の景色とは思えなかった。僕にとってそれはあくまでテレビや映画のスクリーンの向こうに見る景色であり、それを見る僕はいつも自宅の椅子(脚の長さが不揃いでガタガタいう)、または映画館の座席に腰を落ち着かせているはずだった。
しかし今、僕はこの景色の一部としてここに立っている。
長らくスランプ