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シリコンバレーで家を買うときのポイント

我が家では、シリコンバレーで家探しのために100件以上の物件の内見に毎週末を費やし、数多の入札(!)に負け続け、7ヶ月かかって2022年半ばにようやく、念願のマイホームを買うことができました🏡

先日、久しぶりに近所のオープンハウスに寄ってみまして、家探しをしていた頃の思い(と主にストレス)が鮮明に蘇ってきました。笑

具体的な購入プロセスについては、また別のnoteで書ければと思いますが、今回はシリコンバレー(またはアメリカ)で物件を購入する際のポイントについてまとめたいと思います。


アメリカの不動産の大前提

アメリカの不動産は長期的には絶対値上がりするというのが、日本の市場(特に一戸建て)との大きな違いです。もちろん、数年単位では物件価格が上下したり、価格が横ばいだったりするのですが、10年、20年の単位では間違いなく値上がりします。

一口メモ💡 英語では相場が上がることをAppreciateと言います。自動車や消費財は経年により値下がりするので、Depreciateと言います。

そのため、不動産に関しては一部のケースを除いて、出来るだけ早いうちに購入したほうが良いというのがアメリカの不動産における多くの方の認識となっています。

また、日常会話でも自分の家に関する話や、最近の住宅市場の話、金利の話などが出てくるので、アメリカでの不動産売買はかなり身近な存在だなと感じています。


何よりも大事なのは Location, Location, Location.

日本でも立地が大事なのは言うまでもないことだと思いますが、アメリカでもとにかく立地が大事です。シリコンバレーでの立地の良さは

  • ダウンタウン(市街地)へのアクセスの良さ

  • 主要高速道路へのアクセスの良さ(騒音のため近すぎるのはNG)

  • 治安の良さ

  • 学区の良さ(※シリコンバレーであればどこの地域でもほぼ"良"なので、あとは"優良"か"超優良"を競って立地の良さが決まるというように感じます)

  • 大手IT企業のオフィスへのアクセスの良さ

などで測れます。「立地の良さ総合KPI」なるものは存在しないので(私が知らないだけかもしれませんが…)良いなと思うエリアを自分で調べて売り物件ごとに確認していくしかありません。

生まれも育ちもベイエリアの方なら「あの道路沿いはやめたほうがいい」や「このエリア(neighborhood)は民度が高め」など、感覚で分かるかもしれませんが、日本からやってきた私にはそのような「ベイエリアの一般常識」は分からないので、場所選びは特に苦労しました。

とはいえ、上述の通り不動産購入にいたっては"Location, Location, Location"が最重要ポイントなので、何人ものベイエリア出身の友達に意見を聞いたり、不動産エージェントに意見を聞いて回りました。

立地が悪くても外装・内装ともに素晴らしい家と、立地が最高だけどボロボロの家では、後者のほうが圧倒的に資産価値が高いそうです。

私たちが購入した家の築年数は約100年ですが、歴代のオーナー達がリノベーションをしてきているので、快適に住むことができています。上物(家の部分)は後からリノベーションでどうにでもなるので、とにかく立地に拘るべき、というのがアメリカの家探しのポイントだそうです。


その他のポイント

日当たりの良さ

日当たりも上記の立地の一部に入れるか迷ったほど大事なポイントです。特にカリフォルニアの人は太陽が大好きなので、日当たりが悪い物件よりは良い物件のほうが、賃貸に出すときや数年後に売るときに有利になります。

タウンホームやコンドなどで、窓が無い壁に窓を作りたい場合、HOA(後述)に相談すれば許可される場合があります。建物の外観を壊さない、統一されたデザインであれば事前にデザインを提出した上で承認されるというケースを聞いたことがあります。


建築構造上の問題が無いかどうか

例えば、

  • 家の床が傾いている、

  • 沼地を埋め立てた場所にあるので基礎部分が経年で浸水してきている、

  • 基礎部分に重度のシロアリ被害がある、

  • 地下の水道管に甚大な漏れがある… など

オープンハウスに行くと、華麗な内装に感激して、ついつい「ここいいかも!」と思ってしまいがちです。内装は後からなんとでもリノベーションできますが、建築構造上の問題は後から修正するのはとても大変ですし多額の費用がかかります。

建築構造上の問題は、見た目では分からないことがほとんどです。そんな場合は、オープンハウスにいる不動産エージェントの方に質問してみてください。

または、ご自分の不動産エージェントの方に依頼してその物件のDisclosure (情報開示書類)を確認すると、全ての問題に関する詳細なレポートを確認することができます。


毎月の管理費(一軒家以外)

一軒家以外の、タウンホームやコンドミニアムの場合、毎月の管理費がかかります。(Home Owners Association 略してHOAと呼ばれます)

HOAは規模の経済なので、入居戸数が多ければ多いほど一人当たりの負担額は小さくなります。また、新しい建築の場合、修繕が必要な個所が少ないため毎月のHOAは低額になります。HOAは経年でじわじわと値上がりすることがほとんどです。

カリフォルニアでのHOAは、$200-$300が妥当というネットの記事もありますが、残念ながらシリコンバレーでは、よっぽど大規模で比較的新しいタウンホーム群でない限りは、HOAはもっと高くなります。(個人的には$400-$600くらいが多い印象でした)


HOAの財務状況の確認(一軒家以外)

上述のHOAが異常に高い場合($1,000~$1,200など)は、HOAのキャッシュフローを確認すべきです。HOAの財務状況はDisclosure(情報開示書類)の一部に入っていることが多いです。

HOAの財務状況は、目標金額まで何%積み立てられているか、でサマリされていることが多く、その金額が50%を切っている場合は要注意です。

そのような財務状況の悪い物件の場合、目標金額を早期に達成するために、近いうちに"Special Assessment"という追加徴収が行われる可能性があり、その額、入居者毎に数十万円~数百万円にのぼることがあります。

Special Assessmentの徴収を逃れるために、そのタイミングで物件を売りに出すオーナーもいますが、その徴収分は購入者にまわってくるので、Special Assessmentが予定されているという事実だけで、購入を敬遠する購入者も多いです。(私たちもそうでした)

そもそも、Special Assessmentが課される状況になるということは、

①物件全体に早期に改善すべき何らかの異常がある
②HOAが長年、財務状況のレビューをさぼってきたツケが回ってきている

というのが主な原因です。そのため、HOAの財務状況は必ず確認し、財務状況の悪い物件はなるべく避けたいところです。


家の前の路上駐車

家の前の道路は、路上駐車が可能か、可能な場合はどんな車がどんな時間帯に停まっているかを確認します。お友達が遊びに来た時などに、その方が車を停めるための路上駐車エリアがあると便利です。

逆に、路上駐車ができるということは、時間帯関係なく常に家の前に誰かの車が停まっているということです。プライバシーを尊重する方は、逆に路上駐車が禁止のエリアのほうが良いかもしれません。


金額交渉の余地


私たちが物件を購入した2022年は、シリコンバレーの住宅市場が最も加熱していた時期だったので、完全に売り手市場で、買い手に値段交渉の余地は一切ありませんでした

むしろ、物件が売りに出たら数日以内に買い手が決まるくらいのスピード感だったので、販売価格で売れることはなく、入札形式で最も高値を付けた買い手が購入できる、というのがトレンドでした。

2023年の不動産市場は、金利が確実に上がってきているので、買い控え・売り控えが進んでおり、そもそも市場に出ている物件が少なくなってきています。買い手も金利の高さから、以前ほど多くの買い手は市場にいなくなっています。

そうすると何が起こるかというと、売りに出た物件が数週間~数か月間売れないということになります。売り手側は1日でも早く売り切ってしまいたいので、長期間市場に残っている物件は価格交渉がしやすくなります。

価格交渉の際に、さらに買い手にとって有利になるのは以下の2点です。

  1. ローンのPre-approval letterを持っている

  2. 頭金を従来の20%ではなく、20%以上用意できる

ローンのPre-approval letter (事前承認)があると、既に金銭面の準備が整っていることをアピールできるので、どの物件でも必ず喜ばれます。

また、シリコンバレーでのローンの頭金は20%が主流ですが、20%以上現金で用意できる場合には、有利な買い手として認識されて、有利に価格交渉を進めることができます。


あとがき

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。私はセカンドキャリアは不動産エージェントになりたい!!と思うほど不動産が大好きなので、ついつい熱がこもってしまいました。

アメリカでの物件購入でのポイントについては、本当はもっともっと書きたいことがありますが、読者の皆様にひかれてしまうほど、細かい内容になる気がします(笑) また、いつかアウトプットできればと思います!


最後までお読みいただきありがとうございました!
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