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AIに、私の気持ちは分からない

こんにちは。みーきちです。

今日は「AI(人工知能)」についてのお話です。

最近は、少し下火になったような気がしますが、ここ最近、AIブームが続いています。

「人間の仕事が、AIに奪われる!」

「いや、AI技術が発展することで、新たな仕事が創造されるから、人間の仕事はなくならない!」

「そんなことより、妻が毎日怒るので、いっそのことAIと暮らしたい」

など、様々な意見が交わされています。

私は面倒くさがりな性格なので、個人的には、仕事はAIに任せて、毎日のんびりコーヒーを飲みながらnoteを書いて暮らしたいところです。

さて、ここで問題です。

AI(人工知能)って何でしょう?

「え?AIって、人の様に振る舞う機械、例えばソフトバンクのペッパーや、アップルのSiri、アマゾンのアレクサとかでしょ?」と考えたあなたは「おおむね正解」です。

Oxford Languagesによると、AIは以下のように定義されています。

AI(Artificial Intelligence/人工知能)
コンピュータを使って、学習・推論・判断など人間の知能のはたらきを人工的に実現したもの。

AIは、車の自動運転に置き換えると、理解しやすいかもしれません。

自動運転を実現するAIは、事前に標識や何が障害物にあたるのかなどの情報を事前に「学習」します。そして、走行しながら将来起こる危険を「推論」し、総合的に事故を回避する方向でハンドルやアクセル・ブレーキをどうコントロールすれば良いか「判断」します。そして最終的に、事故を引き起こすという仕組みです。

以下の動画は、コンピュータによる画像認識のイメージです。

この動画は、人間のもつ「認識」という力をコンピュータが模倣しています(事前に学習したデータをもとに、コンピュータが様々な物体を認識しています)。

よく見ると、ベビーカーを自転車と一瞬見間違えていたりしていて可愛いですね。

他にも、少し前に「りんな」というAIがLINEで流行りました。

私たちが話している「日本語」という言語は、AI用語を使うと「自然言語」と呼ばれます。

厳密に定義され曖昧さのない、コンピュータのプログラミング言語(いわゆる人工言語)と比べて、自然言語は曖昧さを持つ言語です。

実は、コンピュータのプログラミングにより構成されたAIは、この「曖昧さ」を苦手としています。

例えば、以下の文章は曖昧な部分が少なく、AIにとって解釈しやすい文章です。

私は昨日、自宅にあるタンスの角に足の小指をぶつけて悶絶した。

この文章は、以下のように、AIによって一旦バラバラに分解されます(形態素解析)。

私/は/昨日/、/自宅/に/ある/タンス/の/角/に/足/の/小指/を/ぶつけ/て/悶絶/し/た/。

そして、詳細は省略しますが、AIは学習した規則によって、バラバラに分解した文章を組み立て直します(構文解析⇒意味解析⇒文脈解析)。

例えば、AIりんな(コンピュータプログラム)に対して「私は昨日、自宅に・・・」と打ち込むと、送信先のサーバで、打ち込まれた文字は一旦バラバラにされ、AIりんなによって認識しやすいように最適化されます。

では、曖昧な部分が多い、次の例を見てみましょう。

ねぇ、君、あの件どうなってる?

この文章も、AIによってバラバラに分解されます。

ねぇ/、/君/、/あの/件/どう/なっ/てる/?

ここで、AIが困るのは「あの」という言葉です。

前後の文脈があれば「あの」の内容が推定できますが、この文章だけでは「あの」が何を指しているのか分かりません。

もちろん、AIが学習して「あの件って、どの件ですか?」や「あぁ、あの件は、もう終わりました」と返すことができれば優秀なのですが、現状、中々難しいのではないかと思います。

ちなみに、LINEを通じてAIりんなに「あの件、どうなった?」と入力したところ「くっそわろたwww」と返されました笑

少なくとも、現時点におけるAIによる文章の解釈については、以下のことが言えそうです。

現在のAIは、文章の表面的な部分しか認識できない。

つまり、先の例「私は昨日、自宅にあるタンスの角に足の小指をぶつけて悶絶した。」を引用すると、AIは、文章以上のことが理解できません。

例えば、私たち人間であれば、以下のように文章からイメージを膨らませ、頭の中に思い描くことができます。

・「私」の人物像(しがないサラリーマンをしている40代のオッサン)

・「自宅」の広さ(1K、2DK、3LDK、アパート、マンション、豪邸など)

・「タンス」の色(茶色、白色、黒色など)

現在のAIは、イメージを膨らませることができません。あくまで文脈を追うだけです。

先の例を引用すると「しがないサラリーマンをしている40代のオッサンが、昨日、2DKの自宅アパートにある茶色のタンスの角に足の小指をぶつけて悶絶した。」まで書かないと、AIは認識できません。AIが論文の解釈に強く、小説の解釈に弱い理由は、ここにあります。

現在のAIは、万能ではありません。

少なくとも現在のAIに、私から好意を伝えても、AIは私の気持ちが分かりません。

いつか、私の好意がAIに伝わり、コンピュータ本体から感動の油が漏れ出るようになった日に、AIは新たなステージに進むのかもしれません。

換気扇にこびりついた油汚れのような私の記事を読んで頂き、本当にありがとうございます。サポートして頂けると、妻がニッコリします。