見出し画像

吃音と私

前に自分の吃音について書いた投稿がありましたが、詳しいことを書いていなかったので今回、書き直そうと思います。


吃音とは

吃音(きつおん、どもり)は、話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつです。単に「滑らかに話せない(非流暢:ひりゅうちょう)」と言ってもいろいろな症状がありますが,吃音に特徴的な非流暢には、以下の3つがあります。
・音のくりかえし(連発)、例:「か、か、からす」
・引き伸ばし(伸発)、例:「かーーらす」
・ことばを出せずに間があいてしまう(難発、ブロック)、例:「・・・・からす」

国立障害者リハビリテーションセンター研究所 吃音について 

詳しいことはこちらのサイトでご覧ください

私は連発と難発の症状があります。また、言葉が話せるようになった時から吃音の症状があったので、サイト上の言葉では発達性吃音、体質的要因に当てはまります。

吃音の私が苦手なこと

ここでの苦手なことは吃ってしまうことを指します

・原稿を暗記して行うスピーチ
・まる読み(。ごとに文章を区切ってクラス全員が一文ずつ読むやつ)
・面接
・電話
・職員室に入る時などの挨拶
・体育の実技テストで名前を言うこと

吃音の子とその家族

私は父、母、2歳年下の妹がいます。
直接、あなたは吃音だねと言われたことはありません。
理由はわからないのですが、妹の前では緊張もしていないのに吃ることがよくあります。
十何年、一緒にいますがお姉ちゃんの喋り方変だねといったことを言われたことがありません。
また、話し方を真似したり、馬鹿にしたりすることはまだ一回もありません。
もしかしたら、母が裏で注意していたのかもしれませんが、、
私個人的には、今は、家族からは吃音だよねと言ってもらえた方が楽だなと思います。
ただ、小学生の頃や中学生の頃に言われてしまうと気にしていたと思うので、高校生になったタイミングで個人的には言って欲しかったと思っています。
理由としては、受験に関わる面接などの時に吃音への配慮をしてもらいたいため、医師の診断書を作ってもらう必要がある=家族がこの子は吃音だから病院に行って判断してもらわないといけないという意識が必要だったからです。

吃音の子と学校

吃音には波がありますが、特に酷かったのは小学校と中学校に入学してすぐです。
自己紹介の時に吃ってしまうこと、ひどい時には普段の会話でも声が出ない時が多くありました。
ですが、いじめられたことは一切ありません。
気づいてないだけかもしれませんが、、周りの人がとても優しいからに違いないでしょう
先生には自分のタイミングで手紙を使ってカミングアウトしましたが、特に何も言われませんでした。
高校に入ってからは、信用できる友達、これから仲がより深まっていくであろう友達に手紙で説明しました。
みんなの反応は、
えー気にならなかったよ
私、詳しく調べてみるね
ゆっくり気にしないからたくさん話そうね
と温かい言葉ばかりでした。
きっと、本人が吃音を負い目にネガティブになっていたらいじめられていたでしょう。
いじめられなかったからといって、吃音について、話し方について質問されなかったわけではありません。
どうしてそんな話し方なの?
どうして同じ音ばっか続けちゃうの?
純粋に気になって質問してきたであろう人がほとんどでした。
その時は、その場が重くならないようにそういう体質なんだよと答えていました。

吃音と面接

吃音持ちの人が苦手とする面接
これを言わなくちゃいけない!と考えれば、思うほど体が硬直して喉が締まり、言葉が出てきません。
私の初めての面接は中学校の時の校長面談
高校入試の面接の練習でした。吃りにどもりまくり、ほとんど流暢に話せなかったのにも関わらず、校長先生は中身の文章だけを評価してくださいました。
私にとって、話し方ではなく中身の用意してきた文章を褒めてもらい自信になりました。
都立高校推薦入試の日
もちろん吃って途切れ途切れに自分の用意した文章を話しました。
結果は不合格
吃音が理由で落としたのではないと信じています。もし、吃音が理由で落ちたとするなら、私は落ちて正解だったでしょう。吃音だから入学させないという学校になんかこちらから願い下げです。
そして、高校に入り英検の面接
英語を話す時も吃ってしまうことが多かったのですが、英検は用意してきた文章を話すというよりかは、その場で考えてはなすことが多いので少しの吃りだけで試験を受けられ、準二級、二級、続けて合格できました。
吃音の配慮などは申し込んでいません。

吃音 傷ついたエピソード

私の父に音読の課題を聞いてもらうエピソードはこちらで話したことがあるので、他の新しいエピソードを書こうと思います。
父と音読のエピソード↓

今回の話は私の母が関係あります。
私の部活の顧問から電話があった際、最初に母が出たため途中で私と交代しました。
吃音の敵、電話。
普通の会話と変わらないじゃん!と思われがちですが、言葉がつっかえて喋れなくなります。今回の電話はなかったのですが、名前を名乗ったり住所を言和なければならないときは地獄でしかありません。
私は、周りに人がいる(家の中、職員室の電話を借りるなど一定数、確実に私の電話の声を周りで聞いている人がいる状況)で吃ることが多いです。
電話を代わった時に、体が硬直するのを感じてこれは余計なことは言わないで「はい」「わかりました」という便利なフレーズでやり通そうと決めました。
電話の最後、流石にありがとうございましたと言わなければならなかったのですが、あ行が苦手な私には言えずに終わっていきました。
受話器を置いたあと、母に ありがとうございました。 ぐらい言いなさいと怒られました。
理解があると思っていたのに。
わかってくれて、電話で話せないことをわかってくれてると思っていたのに。
そのあと、部屋に戻って泣きました。看護師になっても電話で吃ったりするかもしれない。大学生にもなってない、国家資格も取ってないのに先のことを想像して悪い方へ持っていって自分を悲観していました。
父はデリカシーがないから(あの当時は分からなかったけど)吃音に知識のない、配慮のない発言はどこか腑に落ちるけど、母だけはわかってくれてると思っていました。


周りの人に望む配慮

私が望む配慮は何もしないことです。
みんなと同じように接してくれたら嬉しいです。
これが言いたいんだなってわかっても、先に言わないで私の口から出るまで静かに待っててほしいです。
話す時、吃ってしまい気まずくなってもそのまま話を聞いてほしいです。
ここで大事なのは私が望むというところ。
吃音を持っている人にはそれぞれに吃音に対する価値観があります。
どうしてほしいのか、どのようなことをされたら嫌なのか難しいかもしれませんが汲み取ってあげると良いかもしれません。
わがままなのはわかってます。
あなたに苦手なことがあるように私たちにも苦手なことがあります。
どうか正しい理解でもってバカにする、ましてやいじめなんてことは絶対にしないでください。
もし、なんでも話せる仲なのであれば、どうしてほしいのか聞いてみるといいと思います。

この記事が参加している募集

自己紹介

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?