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時計について語ったものの、良いタイトルが浮かばない。

声優ッテモテルンダナーって思いますね。私もメタルギアソリッドのスネークみたいな声になりたいです。
「待たせたな」って言っただけで、周りからしたらもう勝ったみたいなもんじゃないですか。
なんなら遅刻しても「…ったく、待たせやがって。」みたいに期待を込めて迎え入れられそうじゃないですか。良い声は心の必須栄養素。

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10日ほど前、オーバーホールに出していたオメガの「デヴィル」が帰ってきました。

悪魔ではなく、村、という意味です(De Ville)。

購入当時、2針でスリム、しかし外連味のあるという時計が欲しかったんです。フォーマルにも、遊び心というか。

その頃はまだ相当若かったので、黒革のベルト、白盤、2針(3針)というオーセンティックな風合いには、満足できなかったんですね(そういう問題じゃない、という考えもなかった。)。

その意味では、このデヴィルは当時の私にドンピシャでした。デイトの表示がなければなお良かったんですが。

過去記事の「よく聞く「その筋トレは間違っている。」とはなんだろう。」に写真を載せていますが、30を過ぎたあたりから体重が増えて、どんどん筋骨隆々とし始めたので、この小ぶりなデヴィルも似合わなくなってきましたが、最近ではこれをつける自分も、ナシではないかなぁと。

若い子にはギラつき過ぎて似合わないゴールドも、しわも増えて肌もしなびたおっさんには、程良い中和作用があるのでしょう。客観視点ではありませんが、嫌味は薄まっているはず。

基本的には、女性や中性的な人、品のある年寄りならよく似合うと思いますが、例えばエルメスのバーキンなんかも、男性が持っていてもさほど違和感がないように、美しいものは、性差なんてつまらないものは簡単に超えてくるよね、というのが持論です。

ちなみにこの時計、クォーツ式なので、お値段もお手頃でした(オーバーホール費用も。)。
オメガでも、このデヴィルには今もクォーツ式のラインナップがあるとか。

そういうとこは、オメガって感じがしますね。ラグジュアリーの顔なんていらねえよ、的な実用主義的剛健さが。

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機械式時計にはロマンを感じますが、ハマってしまったら生活に少なからぬ影響を与えそう(本体はまだともかく、都度のメンテナンスが懐に効きそう。)なので、今のところは、自分の生活からは排除しています。

性格的に、時間に関して、秒単位で気になるってことが多々あるので、そもそも向いてないってのもあるんですが。

他方、ひとつ違う観点から言うと、自分に息子(娘)がいたら、たぶん買っていたと思います。
息子(娘)が大人になったとき、形見として託してみたいからです。

しかしながら、それは叶いません。同時に、これまで自分が蒐集してきた愛すべき道具たちの行く末も考えねばなりません。いつかは死ぬので。

それはさておき、もしも買うなら「ブレゲ」のものと決めています。天才時計師、アブラアム・ルイ・ブレゲへの敬意を込めてです。

なぜそのブランドなの?と聞かれたとき、それが例えばロレックスだった場合、「かっこいいから。」といえば、それはそうかもしれませんが、ブレゲなら、「あえて」の部分で30分くらいは語れるんですよね。

さらにぶっ込むと、ブレゲで検索すると「人気ない」って出てくるんですよ(一時期、ゾンビ化してた時期もあるからかな。)。

もうね、人気がない高級腕時計なんて、最高じゃないですか。その意味じゃブランパン(BLANCPAIN)も。

洒落てもなく、教養もない人たちが金に物を言わせて買った時計の中で、ひときわ輝きを放つ俺のブレゲ。とられてる方が気づかない、超一方通行的な心理的マウント。
やばい、欲しくなってきた。

…はてさて、これからも、手に入れるものは少なからずあるはずですが、せっかくなら、なんらか物語性のあるものがいいな、と思うのであります。

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ときどきですが、ナイジェル・ケーボン(英国)とTIMEXのダブルネームの腕時計をしています。

普通、ナイジェルさんくらいの人なら、もっと高い時計ブランドと組めると思うんですよ。それが、庶民のTIMEXですからね。うーん、渋い。

https://www.phaeton-co.com/?pid=143766953

デザイナーのナイジェルさんご自身は腕時計は2本しか所有しない主義だそうですが、ナイジェル・ケーボンとしては何本となく腕時計をリリースしています。

ナイジェル・ケーボン自体が、ナイジェルさんのミリタリーへの知識と愛情を超高濃度で服にぶっ込んだようなブランドなので、この時計も、ミリタリーウォッチという括りで、純正バンドもナイロンストラップ(いわゆるNATOストラップ )でした。

この配色もまた、さすがはナイジェルケーボンというべき(ナイジェルさんがサポートしているフットボールクラブのカラーだとか。)ものではあるのですが、このままだと装着場面がかなり限定されるのと、せっかくかわいらしい顔をしているのだから、ちょっとドレッシーにしてみようと思って、ナイロンストラップをレザーベルトに変えました。

ブランドは「ヒルシュ」(HIRSCH)。腕時計のベルト専業かどうかまでは知りませんが、創業250年の、業界屈指の大御所です。

たぶん、5年くらい経っていますが、若干色も濃くなり、ほどよくエイジングしてきました。
我ながら、大人の遊び心的な面(ちょっとくらい年不相応にかわいくたっていいじゃないか。)では、上手くいっているのではないかと思っています。

まあ結局、普段仕事で使ってるのはG-SHOCK(GMW ‐B5000 D-1JF)なんですけどね。オリジナルへのオマージュと進化。この製品に込められたるカシオの情熱や物語はこちらをご参照ください。

https://www.rasin.co.jp/blog/special/gmw-b5000/

どんなものでも、一つそれがあれば困らない、というものがあるとないのとでは大違いというか、圧倒的な汎用性の高さ含め、やはり安定の一本です。
いやはや、実に傑作。


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