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バーンアウトを防ぐ"突き放した関心"

自身の使命があって前のめりになりがちな人が『燃え尽き症候群』に陥らないために必要なのは、ゴールを理解した『突き放した関心』を持つことだそう。

バーンアウトになりやすい職業の一つは、医療従事者やサービス業など、ゴールの見えにくい奉仕的勤務。徐々に情緒的消耗感を招き、脱人格化、そしてバーンアウトに向かうのだとか。

今回も前回に続き、バーンアウトについてついて。
どのような人がどのような環境に置かれたとき、バーンアウトのリスクが高まるのか?そして、どのように予防すればいいのかについて。

バーンアウトリスクを高める要因

背景は日々のストレスによる消耗なのだけれど、熱心に働く人全てがバーンアウトするわけではなくて、性格と環境の特徴はバーンアウトとの相関が高い。だから、その指標を理解をしておくことは、前のめりに使命感を持って仕事に取り組む人ほど、理解しておくことはとても大切。

■個人要因となる性格特性:
「神経質傾向」でタイプAパーソナリティの人。

Aタイプは、競争的・野心的・精力的で何事に対しても挑戦的で出世欲が強い。常に時間に追われていて、攻撃的で敵意を抱きやすい、行動面では機敏、せっかち、多くの仕事に巻き込まれがち。(※タイプの説明は文末にて)

ーこのように書くと、前回バーンアウトをしたことを理解した私としては、自分が強欲なようで少々辛いけれど、欲望は違うとしても、タイプAではないといいきれない部分も多い。ー

私の傾向はさておき、バーンアウトしにくいのは、タイプBの人は社交的で周囲に頼ることもでき、マインドフルでレジリエンスも高く、安定した心の安定が保てるためバーンアウトの耐性が強いのだとか。

また、性格以外の個人特性は、職歴。
職歴は短いほど、理想を持っており前のめりになる。そして、理想を持っている。そのため、バーンアウトリスクが高い。

逆に、職歴が長いとストレス対処法を知っていたり学習をしている。また地位が高いこともあり、自由裁量の余白があありストレスをコントロールできる。

性別も相関がありそうだけれど、家庭との両立で女性の方がリスクがあるのかと思いきや、実際は家庭にストレスを分散させることで、性別では違いがないのだとか。多様な働き方のため、関連性は複雑で性別では判断できない。

つまり、個別要因としては、そもそもの性格が「前のめりで情熱的」であることと、「職歴が浅く、コントロール可能なことが少なく」「情熱の分散先がすくないこと」にある。


■環境要因:
「時間」「責任」「緻密な作業」「上司の圧力」の他に「役割の曖昧さ」

時間や責任、上司との関係性(やマネジメントスタイル)などはストレスに影響があるのは十分に理解できる。

いっぽうで見落としがちな環境要因は「役割の曖昧さ」なのだとか。

役割の曖昧な状況とは仕事のゴールや評価が明確でなかったり、自分の責任の範囲が分からなかったりなど、自分には何をどこまでやることが期待されているのかはっきりとしない状況を指す。
医療従事者などの対人支援、あるいは客室乗務員などの対人サービスの職場でバーンアウトが問題視されることが多い。(P.37)

医療従事者やサービス業のような仕事は、人が相手の仕事だけに成果が見えにくく、どこまでやればゴールなのかはっきりしない場合が少なくない。つまり、使命感を持って仕事に取り組んでいても、達成感が得られずに、不完全燃焼の状態に陥りやすい。

また、お客様の個別性に対応するために、従事者にある程度の自由裁量が与えられているけれども、逆にいうと従事者に無定量、無際限のサービス提供を強要する職場環境になっている可能性も高い。

何が評価され、何が求められているかが役割が曖昧な職場はバーンアウトと隣り合わせというのもとても納得できる。

私は、アパレル販売員として、そして店長やマネージャーとして働いていたわけだけれど、最高の感動がある代わりに、酷く落ち込むことも多くあった。お客様にお申し出や、部下の不満や悩みに対して、もっとできることがあったのではないか、と長期的に考え続けてしまうことも多くあった。

一方で、そういったことに対して真摯に向き合う自分のことも好きだったと思うし、今も自分の価値観の根底に根付いている。
けれども、それがバーンアウトの引き金になっているのかと思うととても複雑。

バーンアウトを防ぐ方法

では、防ぐにはどうしたらいいのか?

①バーンニングアウト(情緒的消耗感・脱人格化)に入った時点で気づき、適切に対処すること

基本症状は際限のない仕事への関与が引き起こす情緒的消耗感。
いかに仕事との間に適切な距離を取るのか?
働きすぎず、仕事以外に比重のおけるものを見つける。ライフワークバランスも大切。そして何よりも、自分の性格がバーンアウトしやすいと「知っている」状態で、意識しセルフチェックすること。

②個人としてもマネージャーという立場でも、仕事への適切なゴール設定をすること

例えば、私は昭和生まれの人間で、アパレル業界に入った時は成長市場だった。頑張れば、数字で成果は戻ってきた時代。しかし、今の時代はどうだろう。労働量=成果にはならない時代。

そして、個人の人生においての仕事や家庭の立場も今と20年前とは大きく違う。

もちろん、自分自身もだけれど、マネージャーとして『従業員の必要以上な関与を抑制すること』も、とても大事な役割。

仕事への高い関与を保ちながら、仕事と適切に距離をもつ、突き放した関心。

突き放した関心(専門家としての冷酷な判断力)とは相手に共感しながらも一定の距離をとること。つまり、精一杯やったと思いを切る。最善の限界を了解し自身の感情をマネジメントする。客観性と感情移入のバランス。

若い世代が、自分の役割以上に「もっと自分にできることがあったのではないか?」という自責ループに入ってしまう前に、「あなたは十分にあなたの役割は全うした」と言葉に出して、伝えることが上司としての役割だと理解した。


自分のために、仲間のために

仕事への適度な感情移入の結果、終わりのない消耗のループに入らないように「ベストを尽くす」のではなく、「達成可能な目標を意識すること」

関与の範囲かどうか?自分にできることと、再び起きてもできないことを明確にすることが大切なのだと思う。

とはいえ、仕事が楽しい時は自分が焦燥傾向に向かっていることは気づきにくい。
自分の背中は自分には見えないから、仲間と一緒に助け合って、声をかけあえる関係性をチーム内でしっかりと作ってけたらいいのだろうな。

今年の目標は「信頼」信じて頼ること。
いつも、私は仲間になにができるのか?ばかり考えてしまうのは、私がパーソナリティタイプAだからなのだろう。今年は「信頼」を身につける。それが再びバーンアウトしないための私のミッション。

みなさんはどうですか?



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パーソナリティ理論(人格心理学)
タイプA
性格面:競争的、野心的、精力的、何事に対しても挑戦的で出世欲が強い、常に時間に追われている、攻撃的で敵意を抱きやすい、行動面では機敏、せっかち、多くの仕事に巻き込まれがち。

タイプB
性格面:タイプAとは反対の性格傾向を持つ。あくせくせずにマイペースに行動し、リラックスしており、非攻撃的などの性格傾向を持つ人である。

タイプC
性格面:いわゆる「いい子」で自己犠牲的、周囲に気を遣い譲歩的、我慢強くて怒りなどの否定的な感情を表現せずに押し殺す、真面目で几帳面といった特徴。
  





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