揺れ恐怖症セラピー受診記録:4/12/2021

前回の受診記録から1ヶ月ほど開いてしまった。

この間、4週間あったのだけれど、うち1回は息子の病院の都合でキャンセル、また別の1回はインターネットの接続が悪くてほぼセッションできずで、実質2回しかセッションがなかった。


3月のセッションでペンデュラムの画像を使ってから、私の中のAnxiety Level(不安感のレベル)が高くなってしまった。Exposure Practiceをしてない時でも、ふとした瞬間に揺れるイメージが襲ってきて、不安定になってしまう。とはいえ日常生活を送るのに支障をきたすほどではない。眠りに落ちるのに時間がかかる程度。

また、受診記録を書かなかった実質2回のセッションのうち、1回は「いよいよ動画に移ろう」ということで、セラピストさんが用意した動画を使ってExposure Practiceを試みるも、私が早々にギブしてしまう、ということがあった。

その動画は、少年がブランコの乗り方を解説するレクチャー動画のような内容で、公園のブランコに少年が座りながら、どうやって乗るのか・こぐのかを言葉で解説したのち、実際にこいでみせるという流れだったのだけど、私はもう、冒頭も冒頭の、少年がただブランコに座って話しているところだけで恐怖レベルが10のうち8まで上がってしまい、「無理です!!!」と白旗をあげた。

セラピストさんは「自分で自分の限界を知っていることは素晴らしい。また、無理しすぎずちゃんとストップをかけられることも重要」と、はげましてくれた。

ブランコをこいでいなくても、ブランコに座っているだけでグラグラしている様子がとても怖いし、それよりも何よりも、少年の背景に映り込んでいる別のブランコが、無人でただ垂れ下がっているだけなのだけど、風をうけてわずかに揺れていたのがもう、もう、だめだった。

セラピストさんにそれを説明すると、「なるほど……私には全く気づかない点でした。後ろに別のブランコがあることすら見えていなかった。教えてくれてありがとう」。そうなんだよね、普通の人からすると、意識すらしない、目に入っていても見えないのと同じような、どうでもいいことなんだよな。

ともあれ、この動画がさらに私のAnxiety Levelを底上げしてしまい、ここ数週間はずっと、ちょっと不安定な心持ちで過ごしていました。


で、昨日のセッションでは。

セッションの冒頭で、必ず「なにか変わったことはありましたか?」と聞かれるのだけど、私のいまの心境をざっと説明。

自主練でブランコ画像やペンデュラムの画像を見てみて、かなり静止画については克服してきた感があること。どんな画像でも、最初は恐怖レベル4か3ぐらいはあるのだけど、見つめているうちに2または1ぐらいまで下がること。画像によっては全く恐怖感を抱かなくなるものもあること。

ただ私が気になっているのは、静止画にいくら慣れても、動いている状態のものに慣れられる気が一切しないということ。静止画と動画(または目の前にある状態)は、全くの別物に感じること。静止画に慣れてきたいま、次のステップである動画でのExposure Practiceに移行するべきなのだろうけど、耐えられる気がしない。

それについて代案を考えたのだけど、誰も乗っていない、ただまっすぐに垂れ下がっている状態のブランコの動画を使うのはどうだろう?動画なのだけど、揺れていない状態のブランコが映っているもの。揺れていなくても、私にとっては十分にこわいものなので、まずはその段階に慣れてから、実際に揺れている動画にシフトしていきたい。

「なるほど、とてもいい案ですね。ちょうど静止画と動画の中間をとった、いいポイントだと思います」とセラピストさんが言ってくれて、この案が採用となった。


とりあえず今回のセッションでは、以前見た男の子がブランコの乗り方を解説する動画の中の、男の子がブランコをこいでいる瞬間を静止して、それを使ってExposure Practiceをすることになった。動いていないブランコの動画を使うのは、次回から。

自主練で静止画にはかなり慣れていたので、この男の子のバージョンでも全然OK、むしろ退屈かも、ぐらいに思っていたのだけど、いざ画面が映し出されてみると、「あ、やばいかも!」と瞬時に思った。恐怖レベルは5か6ぐらい。

なぜかというと、画像は男の子が足を折り曲げて「まさに漕いでいますよ」という絶妙な瞬間を静止しているのだけど、それはわりと大丈夫になっていて、むしろ別の要素が私の恐怖心をあおいでいた。セラピストさんのPC画面が共有されて私はそれを見ているのだけど、Youtubeか何かの動画サイトの画面で、動画が静止状態になっている。その、「再生ボタンを押したら動き出しちゃう」という状態が、なんとも恐ろしく、押されたらどうしよう!!と思ってしまったのだ。

Exposure Practiceの10か条にもあるとおり、この訓練は不意打ちでやるべきではなく、訓練者にあらかじめ予告されることが前提条件になっているので、セラピストさんが私の許可なしに再生ボタンを押してしまうことはあり得ないのだけど。そうと分かっていても、最初の5分ぐらいはかなりキツかった。

ただ、ひとたびボタンのことを忘れてしまえば、ただの静止画なので、15分経つ頃には恐怖レベルは10のうち1にまで下がった。

今回のExposure Practiceが終わってみて、セラピストさんにどうだった?と聞かれたので「再生ボタンが押されるのではと思うと恐怖感が増した」と言うと、なるほどと笑っていたけれど、静止画にだいぶ慣れたと言っているのにまた静止画を使ったのは、もしかしたら彼はこのことを分かっていたからなのかも、とも思った。

むしろ分かっていなかった自分にびっくりだ。もう40年近くも揺れ恐怖症と付き合ってきて、どんな時に恐怖感が出るのか、どんな時は大丈夫なのか、だいたい把握していたつもりだったのに。「画面としては静止画だけど、再生ボタンを押せば動画になる」という状態に恐怖を感じることからも、本当に私のこの揺れ恐怖は、私自身のマインドセットの問題なのだよなとつくづく思う。

最後に、もう一度、さきほどの少年の動画の一時停止の状態を画面共有し、私がそれをスクショして、そのスクショを使って今週は最低3回の自主練をすることになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?