【インタビュー】評価とどう付き合う?パフォーミングアーツの特徴/TAPサポーター仙名智子さん③
芸能に特化したメンタルサポートサービスTAP(ティーエーピー)。
第2弾は元劇団四季俳優・現公認心理師/臨床心理士の仙名智子さんへお話をお伺いしています。
今回は、パフォーミングアーツならではの特徴についてお話しいただきました。
パフォーマンスへの感想や評価、どう付き合う?
――見る人によって感想がまったく変わってくるのがパフォーマンスだったりするので、人の評価に意識を向けすぎてしまうことあるかと思うのですが、その点はいかがでしょうか?
仙名:そうですよね。見ている人に何かを感じてもらう、感想を持ってもらうことを目的にパフォーマンスをしていますから、見た人の評価に意識が向くのはとても自然なことだと思います。
アーティストが「エゴサ」をすることに対しても何となく恥ずかしい事のようなイメージがあったりしますが、例えば企業の商品開発担当者が「ユーザーの声」を聴いて、商品の方向性を確かめたりクオリティアップに繋げる事と同じことだと思ったら、「エゴサ」も恥ずかしい事というより、大事な側面がある事だと思うんですよね。
でもそうやって評価される行為だからこそ、パフォーマンスする人は、自分はどうしたいのか、パフォーマンスの価値をどこに持っているんだろうとか、自分がやりたいパフォーマンスってなんなのだろうというところを、振り返ることが大事なんじゃないでしょうか。
仕事としてパフォーマンスをしていると、色々なことを求められて、苦手な表現や、抵抗を感じる表現も時にはやらなければいけないかもしれません。
でもそれが続いていくと、”自分は何のためにパフォーマンスしているんだろう”という軸の部分が、揺れてくると思うんですよね。
アーティストさんを見ていると、パフォーマンスって自分自身を差し出す行為みたいな所があるんじゃないかとお見受けするので、その揺れがよりきつく感じるんじゃないかと思って。
なので、カウンセリングなどで改めて” 自分は何のためにパフォーマンスを始めたんだろう ”とか、” パフォーマンスの何を大事にしているんだろう ”とか、そういうところを対話を通じて改めて整理していく、そういうお手伝いは、私たちにできるのかなという風に思っています。
自分の魅力や強みがわからなくなった時には
――ありがとうございます。確かに、私も自分がどうしたいかがなくなった時は、苦しかったです。
ほかにも、同じ業種の素晴らしい人をたくさん目の当たりにするので、人との比較というのも、私の中では大きかったです。そういう時には、どうしたらいいんでしょう?
仙名:比較しちゃいますよね。競争が激しい場合もありますしね。
どうしたら良いんでしょうね。答えはないですが、改めて対話の中で自分の魅力、自分の強みみたいなものも探していく必要も出てくるんじゃないでしょうか。
何かに悩んでいる時って、客観的視点が弱まって、糸がこんがらがって自分では紐解けなくて、自分のことを冷静に判断できないこともあると思うんです。
だから自分の魅力や強みみたいなものが見えなくなっている可能性もあるので、そういうところも客観的視点を補助する形で対話をして、改めて“自分の魅力って何だっけ?“みたいなのを整理できると、きっと良いですよね。
――そうですよね。そういえば、同業者や友達でも、自分の内面をひたすら深く話せるタイミングもあまりないですよね。そこでパフォーミングアーティストのバックグラウンドを分かっている方にお話できるというのは、良い時間になりそうです。
仙名:同業に話しにくいことっていうのもたくさんありますよね(笑)。
同業だからこそ分かってくれることもあるけど、同業だからこそ喋れないこともたくさんあるんじゃないかなと思いますね。
――私の場合、自分の弱みをあんまり見せたくないというのもあったかもしれません。
仙名:そうですね。仲間だけどライバルにもなり得るというか、それこそ比較対象になり得る人達ですもんね。助けてくれる人達でもあるけど。
話せるかどうかは、時と場合と悩みによるのかな。
――確かに。マネージャーさんなども一緒に歩んでいる相手であれど、ビジネスパートナーという立場なので自分の内側を全部さらけ出して話すっていうのは、なかなかしづらいですよね。
仙名:そうですね。利害関係ゼロで話せる人ではないですよね。
――となると、やっぱりカウンセラーの方にお話しするというのは、その辺りが安心してお話しいただけそうですよね。守秘義務もありますし。
仙名:ね。そういう存在でありたいなと思っています。
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