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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(35:伊勢〜和歌山〜大阪)

第35日目

今日は3時50分ごろに目を覚まして、準備して暗闇の中伊勢市駅へ向かわなければいけません。紀伊半島を一周して、今日は大阪の高校の友達の家まで向かいます。始発で行かなければ、大阪到着が0時を回るため、急遽計画を変更して4時45分に伊勢市駅を出発する列車に変更することにしました。紀伊半島ももちろん一周するに際して、何箇所か観光します。

伊勢市から参宮線で多気駅という駅まで行きます。多気は参宮線の始まりの駅でもあり、また紀勢本線との乗り換え駅でもあります。多気を5時45分に出る紀勢本線(きのくに線という呼び名もあるようです。)に乗って、本格的に紀伊半島の旅が始まりましたが、眠いので最初の方はずっと寝ていました。ふと目が覚めて、結構長い間寝たんじゃないかと思って現在位置を確認したところ、ちょうど尾鷲でした。つまりまだ三重県内にいるということですが、三重県は長いですね。

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乗っている列車は新宮行きです。新宮という駅は紀勢本線の下り線で和歌山県に入って最初の駅であります。初めて知ったのですが、この新宮から先は管轄がJR東海からJR西日本になるのですね。見慣れた(?)JR東海のオレンジ色の駅名標からJR西日本の青い色の駅名標に変わったことからすぐ気づきました。

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何気なく到着した新宮駅ですが、この駅で和歌山県に入ったことになり、僕は人生で見た時に47都道府県を制覇したことになります。もうこれで訪れたことのない都道府県はありません。意外とあっさり達成してしまった感がありますが、日本一周旅行をしているから当たり前のことを成し遂げたまでです。今日はまず、この新宮から先、那智という駅で降りて世界遺産熊野古道と那智大社を見に行きたいと思います。やはり初めての場所はワクワクします。

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那智駅で降りて駅前から出るバスに乗るのですが、バスの発車まで30分あり、さらに那智大社側に近づけばバス代も節約できることから20分ほど歩いたところのバス停から乗ることにしました。絶対一人旅でしかできないムーブです。乗り込んだバスは山に近づくにつれて、くねくねしたヘアピンカーブの連続する道を進んでいき、標高を高めて行きます。

こういう類の神社仏閣は多くの場合、山の上にあり、無限に続く急な階段を登り続けなければ辿りつかない設定になっています。去年、香川の金刀比羅宮を行った時もそうでした。階段の先にある鳥居をくぐる頃には疲労困憊で息が切れていて、周りの観光客から冷たい視線が集まってくるというのがいつものオチです。

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苦労の末たどり着いた鳥居がこちら。天気が悪くて、いつも以上に霊場感が増しているのは気のせいでしょうか。

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少し歩くと那智大社や青岸渡寺も見えてきます。検定で旅行の勉強をしたときに見かけた寺の名前が出てくると「あ、これテストでやったところだ!」と少し興奮します。

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また少し進むと、那智の滝をバックに三重塔が映えるよく見る構図の光景が見えてきました。那智大社といえばこの写真です。

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その後は那智の滝の真下に行けるということなので、いかにも熊野古道といった感じの苔むした岩でできた道を下り、滝を見に行きました。この旅で日本三大名爆を制覇しようとしたのですが、袋田の滝の鉄道でのアクセスが悪く、華厳の滝はすでに2回行ったことがあり、何かと理由をつけて行けなかったので、今度袋田の滝を訪れて分割的に制覇したことにでもしましょう。とにかく那智の滝はその落差が日本一で133mとなっております。滝の解説あるあるで「毎秒○トンもの水が〜」という説明がありますが、その単位をが日常会話で使う頻度が少なく、あまりイメージが浮かびません。それでもこの落差の滝をこの近さで見ると、やはり飲み込まれそうな迫力を感じられます。

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バスの待ち時間でお昼ご飯を食べました。めはり寿司という何かの葉っぱで包んだおにぎりが名物らしく、いただけてよかったです。バスに乗ってからは、再び那智駅に戻ってきて、紀勢本線でさらに西を目指します。

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2時間以上揺られて白浜という駅でおります。紀伊半島ってこんなに大きいのですね。過小評価していました。車窓からは太平洋がチラチラ入り込み、そこまで退屈しません。また、房総半島にも同じようなサービスがありますが、車内に自転車を持って輪行できるサイクルトレインなるサービスを利用している若者の姿も目立ちました。この区間は特急も走っていますので、何駅かで特急の待ち合わせもありました。パンダがあしらってある特急の車両は、この白浜の近くにあるパンダが売りの動物園「アドベンチャーワールド」の広告塔であることも間違いないでしょう。

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白浜駅周辺には和歌山県を代表する観光地がたくさんあるイメージです。今挙げたアドベンチャーワールドもそうですし、他にも円月島や三段壁、そして今から行く白良浜などの海岸沿いに観光地が勢揃いしています。また、南紀白浜温泉の温泉観光としても名高く駅前にはかつての賑わいを彷彿とさせるような、今は少し寂れた熱海駅前と同じような雰囲気が漂っている気がしました。駅に置いてあるパンダもどこか悲壮感が感じられる表情をしているように見えるのは僕だけでしょうか。

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バスに揺られて20分ほど、バスに乗っている途中にも円月島を見ることができたり、ヤシの木が道沿いに植えられているのを見ることができたりするので楽しかったですが、白良浜というバス停で降ります。この白良浜というのは、ハワイを意識したリゾートビーチのような海水浴場であり、若者を中心にビーチで楽しむ姿が眩しかったです。文字通り白い砂浜に、透き通った青い波が夏の涼しさを演出しています。そもそも「しららはま」という言葉の響きが美しく如何にもリゾートビーチって感じが好きです。

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ハワイに来ましたと言っても3分の2くらいの人は騙せそうですが、本当に美しくいつまでもこの姿を保ってほしいと思いました。夕暮れ時の写真はもうワイキキビーチそのものです。南紀白浜温泉にも入れませんでしたし、アドベンチャーワールドには中身がおじさんのパンダがいることでも僕の中では有名なので、いつかまた和歌山観光に1日費やしたいと思いました。白良浜からは白浜駅に戻って、ここから再び大阪の高校の友達の家へ向かいます。なんと大阪までかかる時間が普通列車のみで約4時間ほど。紀伊半島でかすぎやしませんか。

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紀伊田辺、御坊、和歌山、天王寺などで乗り換え、大阪に到着したのはもうすでに22時を回っております。今日は和歌山県をたっぷり堪能したワクワクの止まらない1日でした。47都道府県全て制覇してしまったので、もう全国どこ行っても、最初に訪れるような新鮮な気持ちは薄れてしまったように思います。それでもまだ各都道府県に行きたいところは2.3ヶ所ほどありますし、今回の旅で行けなかったところはいつか行ってみたいという気持ちはあります。残りの日数、東京に帰るまで最後まで楽しんで、最初に出発した東京駅の丸の内駅舎の前に戻りたいと思います。

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