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【#11】東海道を温故知新する旅に出よう。(四日市宿~関宿)

第43番 四日市宿

「三重川」

久しぶりに快活Clubで寝泊まりしましたから、朝早くに無理やり目を覚まさせて会計を済ませて1日が始まる感覚に懐かしさを覚えます。昨日は1日中、雨の中の移動でしたから、着衣泳をしていた気分です。

快活のモーニングはバニラアイスをトーストに塗って食べるのが風習

東海道自転車の旅、6日目。朝の時点では、今日で京都にたどり着けるのかつけないのか、まだ決まっていませんでした。「とりあえず、今日は鈴鹿峠越えか」くらいの気持ちで四日市を出発です。時間は朝の6時半。

本家の浮世絵では、風に飛ばされた笠を追いかける旅人の様子が描かれています。この日は確かに風が吹いていましたが、コンビナートの煙突からたなびく煙が印象的でした。三重川の水面に反射した朝焼けに照らされながら、次の宿場を目指します。

第44番 石薬師宿

「石薬師寺」

昨日名古屋で東海道本線と別れてからは、関西本線に沿って進む形です。四日市あすなろう鉄道と追分駅で交差すると、東海道はさらに山がちな様子に姿を変えます。この追分駅とは伊勢路と東海道の分岐点を意味しており、今でも交差点が残っています。

四日市あすなろう鉄道はレール幅が狭いことが特徴
日永追分、左は伊勢神宮に続く

浮世絵に描かれている石薬師寺は、弘法大師のゆかりの寺で真言宗のお寺です。東海道に面して位置しており、数々の大名が旅の安全を祈願して訪れたとされています。

すぐ隣を国道1号が通っている関係で、対比的に境内の静けさが際立っていました。近くに植えられている名物の蒲桜は、あのゴッホも自身の作品の一部に取り込んでいることでも有名です。

第45番 庄野宿

「白雨」

石薬師の次は庄野です。この日の朝は割とテンポよく次から次へと宿場町に到着していた記憶があります。この庄野の浮世絵は世界的にも有名で、傑作として名高い1枚になっています。画面を無数に横切る線が臨場感ある突然の夕立を表現しており、浮世絵からサーサーと擬音語が聞こえてきそうです。雨に見舞われて雨宿りする場所を探すことになった旅人の躍動感も感じられます。

しかし、実際のところ浮世絵に描かれている坂は実在しないとされています。この作品もフィクションなんですね。

第46番 亀山宿

「雪晴」

亀山に到着したのは、9時半です。3時間で3つの宿場を回れているのは、かなりペースがいい方で、「まさか今日中に京都に到着してしまうのでは?」と思うようになったのはこの時です。しかし、この後には鈴鹿峠が控えているので、気を緩めてはいけません。

亀山は亀山の城下町として発展してきた経緯もあり、浮世絵には右上に見える亀山城に向けて大名行列が続いています。

The Tokaidou 46th station

亀山宿で印象的だったのは、亀山城のお堀に整備されていた道の舗装に「46th station」という文字があったことです。「station」というのが、またいいですね。「宿駅」という日本語がそのまま反映されている感じがして好きです。

第47番 関宿

「本陣早立」

亀山から関にかけては鈴鹿川に沿って約5km進みます。ここから先は峠の区間となりますが、鈴鹿川に沿って進む関係でまだまだ平坦です。

関宿は宿場町の景観が保存されていることで有名で、旅を始める前から割と楽しみにしていた宿場でもあります。実際に訪れてみて、たしかに景観を保存すること対して気合の入り方が違うなぁと思いました。

江戸時代にタイムスリップしたかのよう

関に着くや否やトイレが我慢できません出したので、街道沿いの商店でトイレを借りました。店を営んでいるおばあさんに、「関の名物で、お餅の中にあんこが入っているみたいな和菓子ってどこで買えますか?」と尋ねたところ、「あー、関の戸のことね。この道を真っすぐ行って郵便局の向かいに売っている店があるわよ。」と教えてくれたので、買いに行くことにします。

関名物の和菓子があることは知っていたのですが、名前が思い出せず、無事教えてもらったので解決です。5個で540円、関の戸を2箱購入しました。1箱はバイト先へのお土産です。

東海道随一の絶品スイーツ

こしあんを餅で包み和三盆をまぶした和菓子で、このあたりの名産である伊勢茶ともよく合います。銘菓の噂は京都にも伝わり、この味は今にも伝承されています。

関の次は坂下宿、いよいよ鈴鹿峠が本格的に始まる区間です。三重県までは長かったですが、三重県は一瞬で終わってしまいそうです。

ここまでの経路
日本橋から 435km / 三条大橋まで 78km


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