伊那の夏に圧倒されて。(最長片道切符の旅16日目)
こんにちは、最長片道切符の旅16日目です。今日は、静岡を出発して、愛知に入り、伊那路を辿って長野を進み、木曽路を辿って三重を目指すという、またまたなんとも頭の悪い移動をするわけです。
今日はほとんど移動しかしてません。しかし、飯田線の素晴らしい車窓に包まれながらの1日でした。
浜松をぶらり
東海道線の六合駅前にある快活クラブを出て、まずは浜松を目指します。ちょっと浜松に気になるところがあって、ずっと行きたいなと思っていたので、この際訪れることにします。
浜松駅から歩いて20分ほどのところにある、浜松城を見物しに行きます。軽い朝の散歩です。
とりあえず豊橋まで向かいます。豊橋からが本日の1本目の勝負です。何と戦うんだよって話ですが。
この後乗車する飯田線は17時まで約7時間、ノンストップで走り続けますから、今のうちに色々買い込んでホームに向かうことにします。
国内最長の乗車時間を誇る路線
ここ豊橋を10時42分に出る飯田線は、長野県の中央線の岡谷駅というところまで走る、日本で最も乗車時間の長い普通列車として知られています。
実は以前も、この長さを実感しようと、友達と乗り通したことがあるのですが、また乗ることになるとは思いませんでした。
長かったけど、車窓に躍動していたらすぐだったなぁ。中部天竜駅かどっかで変わった車掌さんは、なかなかフレンドリーで、僕が時刻表とにらめっこしていると、「お兄さん、岡谷からの先はどっちに行くんだい?」「乗り継ぎは大丈夫かい?」などと話しかけてきました。
車内で缶ビールを嗜んでいた乗客にも「次の駒ヶ根駅の停車時間で、駅前のスーパーで買い足してくるといいですよ。」と勧めていました。車掌も長すぎて飽きとるやないかい。
ここまでが半分
とまあ、こんな感じで岡谷まできました。岡谷は雨です。
んで、恐るべきことに今日の目的地は、三重県の四日市なのであって、これから中央西線で名古屋まで向かわなければならないのですね。まずは、塩尻へ。
真っ暗な木曽路を下る
いつも明るい時間は素晴らしい車窓が楽しめる中央西線ですが、真っ暗闇の中だったので、脳内で車窓を再現することに努めました。「ああ、今寝覚の床だ」とか「ああ、この奥に中央アルプス見える」とか「ああ、ここ須原宿の眺めいいよな」とか盛り上がっていました。
正直、中津川から先は眠すぎて記憶はあまりありません。多治見を通り過ぎたなぁ、くらいで気づいたら名古屋に到着していました。
雨の中のゴール
さすがの大都市、名古屋はまだまだこの時間、公共交通もお客さんも元気です。若者が多かったかな。
ただただ移動しかしてない1日。相変わらず長野県を走る列車はどれも車窓が立体的で乗っていて全く飽きないですね。
これぞ、日本の原風景というような光景を見ると、「ここがふるさとだったら、きっとこの車窓を見て昔を懐かしむんだろうなぁ。」と思うと、僕の知らない街の車窓であっても、どこか懐かしく、輝いて見えてきます。
僕の知らない街であっても、きっと僕の知らない誰かにとっての大切なふるさとで、そんな誰かにとっての大切なふるさとを連綿と繋ぐ鉄道ってロマンを乗せて走っているなぁ、と思います。そんなことを教えてくれる車窓は、僕にとって先生であり、教科書であり、物語であるのです。
稚内から6565.6km / 肥前山口まで4394.9km