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MMTへの誤解と財政破綻論の嘘 その2

その2〜お金の作り方、流し方、消し方

さて、お金(預金)の作り方、流し方、消し方についてですが、、、

何をどう雑にザックリ書いたものか、しばらく悩んでいました。

が、初手から奥義を繰り出すことにしました。
連続で妙技を繰り出します。

刮目ください。

奥義〜お金の作り方

現代のお金は、借りる事で発生します。

貸し/借り とは、ゼロをプラスとマイナスに分ける事です。

資産と負債(借方/貸方)に別れます。

貸し手(銀行、中央銀行等)
資産:貸出金 / 負債:預金

借り手(政府、企業、個人)
資産:預金 / 負債:借入金

借入金、貸出金は、借り手の書いた借用書の額です。
預金は、貸し手が借り手の口座に書いた、数字です。

企業が銀行に貸して欲しいと頼み、借用書を書いて資産に置く。
銀行は資産に置いた借用書と同額を負債に書くと、預金に成る。

こうして世の中に、資産と負債が同時に発生します。

妙技〜政府が作るお金の、民間への流し方

①政府が借用書(国庫短期証券)を、日本銀行の資産に置く

②日本銀行は借用書と同額を負債に書いて、政府預金が発生

③政府は、家計や企業への振り込みをするよう、銀行に指示

④政府は、銀行に指示した同額の政府預金を、銀行の資産に移す

⑤銀行は負債に預金を発行し、資産に政府預金を得て決済完了

バランスシート的に書くと

借り手(政府)
資産:政府預金 / 負債:借用書

貸し手(日銀)
資産:借用書 / 負債:政府預金

次に、

貸し手(銀行)
資産:準備預金 / 負債:預金

この場合の銀行負債の預金は、政府から個人への給付とか、企業への支払い等ですので、民間に負債は置かれません。

特別定額給付金の10万円が、分かりやすい実例ですね。

民間(非金融部門、家計や企業)
資産:預金 / 負債:無し

となります。


政府預金は日銀の当座預金として発行されます。
この日銀当座預金を、日銀が政府の資産から銀行の資産に振り替えすると、銀行の準備預金となります。
銀行は準備預金を、日銀に頼んで、紙幣に交換してもらう事ができます。
その為、個人や企業は、預金を現金に交換して引き出せます。

以上が、お金の作り方と、流し方です。

では、消し方は何でしょうか。

非技〜お金の消し方

政府が最初に出した借用書(国庫短期証券)は、借用書ですので、お金と引き換えに、消す事ができます。
政府はお金を民間に支出しているので持っていません。
なので、民間から取り戻します。

これがいわゆる、税金で政府債務、国の借金を返済する事です。
つまり、お金の消し方とは、徴税で政府債務を償還する事です。
自滅技ですね。

ちなみに、実際の償還は、税収のみには限定されません。
国債等は、一応償還期限があるので、期限ごとに返すのですが、その度に民間のお金がゼロに戻るのでは、誰も資産を持てません。
なのですぐに借り換えて、負債と資産の残高を消さずに、維持しています。
この借り換える時に、借換債と呼ばれる、新たな債務というより、別の手続きがありますが、それはやや込み入るので別の機会に。
特別会計国債整理基金の話になるので、秘儀になるでしょうか。

ザックリ言えば、償還費は、税収でなく、新たに政府が支出して発生したお金を当てても良いし、現に大部分はそうしている、という事です。

搦手〜お金の隠し方

尚、お金を消す、と言うのではありませんが、一時的にお金を隠す方法もあります。
政府が市中に国債を発売する事です。
国債を買う為に、個人や証券会社なら預金を、銀行なら日銀当座預金を使います。
政府の赤字支出で増えたお金、主に日銀当座預金を、国債で吸収して、満期まで固定化するので、それまでは世の中に流動しないで、隠されるのです。
定期預金の様なものですね。
尚、定期預金同様、金利が付きますが、この金利を税収から行うと、庶民から金融資本へお小遣いを与える事になり、格差は拡大します。

追記:隠されるとは書いたものの、国債の発行で政府は政府預金を得て支出しますので、あまり隠れてはいませんね。
日銀が売りオペ(日銀の保有する国債と、銀行等の準備預金を交換する、これは隠れたと言えます)。

蛇足〜財政政策と金融政策

ところで、政府が負債を計上して、何らかの目的の、給付や費用として、民間のお金を増やす事を、財政政策と言います。
金融政策は、この増えたお金(銀行預金や日銀当座預金)を、国債と交換したり、またお金に戻したりして、金利を調整する事です。
なので、政府の赤字支出、財政政策が無いと始まりません。
そして、政府支出で増えたお金を、政府が市中への国債発行で回収する事が、金融政策そのものとなります。

今回は駆け足となりましたが、以上です。

次回は、お金の考え方について、商品貨幣論と信用貨幣論をザックリと。あと、今回の復習もしようと思います。

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