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ダブル・スタンダードの日本 -働き方改革-篇

1.  「軽薄」は日本人の美学

 重いテーマをかる〜くお届けする「チノアソビ大全」。今回は、働き方改革とは何だったのか、についてお届けしたいと思います。いきなり「何だったのか?」と過去形になっちゃっておりますが、もうね、みんなそんなこと忘れちゃってるでしょう?

「え?!いまさら働き方改革?」

 みたいな。いや、いいんです。ぼくたちは日本人だから!

 いきなり話が逸れますが、日本人ほど軽薄な民族はいない、と言ったのは司馬遼太郎でした。
 司馬遼太郎の歴史観(時に司馬史観とも揶揄されますが)を知るためには、本当は『国盗り物語』あたりから順を追って時代を下っていき、『世に棲む日々』、『竜馬がゆく』、『翔ぶが如く』等々の幕末の名作を経て『坂の上の雲』を読んでいただくと完璧にマスターできるのですが、もはやそんな時間ないわッ!というあなたにオススメの一冊がこちら、

明治という国家』日本放送出版協会(1989)

でで〜ん。『明治という国家』です。司馬さんは、やっぱり日本が、日本人がいかに軽薄なメンタリティの上に絶妙なバランスを保ちながら、時代を回転させてきたか、を書きたかったのですね。例えば、藤堂高虎は、、、と、本編からどんどん話が逸れていくので、詳細はPodcast「チノアソビ」で(そのうち)お届けしたいと思います。

2.  「良いとこ取り」は日本人のお家芸

 そして「オレは司馬史観とは関係ねぇよ、無縁だョ」という顔をしながら、見事に司馬遼太郎の日本人観の上にドドんとおっ立って書かれている名著が、堺屋太一氏の『日本を創った12人』です。

日本を創った12人』PHP(2006)

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Podcast「チノアソビ」では語れなかったことをつらつらと。リベラル・アーツを中心に置くことを意識しつつも、政治・経済・その他時事ニュー…

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