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チノアソビ大全

Podcast「チノアソビ」では語れなかったことをつらつらと。リベラル・アーツを中心に置くことを意識しつつも、政治・経済・その他時事ニュースも交えながら林田(専門:総務省地域力創…
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記事一覧

鈍感と敏感は両立するか:ユーチューバー篇

本日は、諸事情により、のっけから有料記事で参ります<(_ _)>

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東京都知事選2024が含意する事 篇

 このところ本業(何が本業かはわからないのですが)が忙しくなりつつあり、原稿が2週に一回になりつつあるのですが、なんとかペースを上げていこうという気概だけは持っています。  そんな中、宙ぶらりんにしているシリーズが多々あるものの、今回は東京都知事選の結果を踏まえて2024年に激変する世界の動きを追っていきたいと思います。 1.石丸氏2位の衝撃 当初、現職都知事の小池 百合子 氏と蓮舫氏の一騎打ちと思われた東京都知事選ですが、蓋を開けてみると前 安芸高田市長の石丸 伸二 氏が

誰も書かない博多と福岡の違い:博多祇園山笠篇

博多は本日、「追い山ならし」という博多祇園山笠の予行演習のため、朝からお尻まつり。 (山笠エリアがお尻で埋め尽くされるので、後藤は山笠のことを別名「お尻まつり」と呼んでいる) 追い山ならしとは、博多祇園山笠のクライマックス「追い山」のリハーサルのこと。 本番が朝4:59からスタートするのに対し、追い山ならしは15:59スタートのため、早朝に起きる自信がない人でも見物できるのが特徴のひとつ。 一番山笠から順次「櫛田入り」して奈良屋町という町の角の廻り止め(ゴール)までの約4k

あなたが噛んだ小指が痛い、どころではない話:細御寮(ほそごりょう)篇

「ごとう」と打つと「五島」が出てくるカオス後藤。本日より出張で五島に来ているので、今日は五島バージョンをお届け。 突然だが、あなたがもし 「今から岸田総理の元へ嫁げ」 と言われたら、どんなリアクションになるだろうか。 (いや、男子だし!という意見はさておき。さておけんが。笑) 我々現代社会のJAPANに生きる者は、やれ夫婦別姓だ、やれLGBTQだと自身のアイデンティティを主張できるわけだが、生まれてくる時代が違えば、自分の人生を自分でデザインすることなど発想すらできなかっ

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奇説 今昔物語集 vol.009 -高陽親王のイノベーション-篇

1.職人、高陽親王 今は昔、高陽親王(かやのみこ)という人がいた。桓武天皇の第七皇子で、歴史的には賀陽親王(かやしんのう)と称される。この人は天皇の皇子でありながら、実に優秀な職人であったという。  高陽親王の邸宅は「高陽院(かやのいん)、賀陽院(かやのいん)」とも呼ばれ、藤原 頼通がたいへんに気に入って、後に邸宅を接収すると、その敷地を倍に広げて四方を池に囲まれた寝殿造の建物に増築した。  頼通は、この高陽院をほぼ官邸として長期政権を築き上げたが、宇治の平等院に引退した

0624の記憶:美空ひばり命日篇

昨日食べたご飯のことは覚えていないけれど、過去のことは割と記憶が鮮明だったりする。 高校生二年生の夏。 Readerの先生が、目の前に座っている生徒(この席のことをロイヤルボックスとみんな呼んでいた)に向けて発した虚無のセリフ。 小学6年生の秋。 中学受験の願書に担任のコメントが必要とのことで、母が朝から職員室に電話したことを知らず、お昼休みにいきなり担任から声を掛けられ、「受験のことは誰にも言ってないのに、なんで先生知っとるん?」と驚愕した際の脇汗。 そんな細かなこと

博多の豚バラが世界へ:八兵衛篇

先週「博多の焼鳥は豚バラから」と書いたばかりだが、なんと昨日、「BUTABARA TO THE WORLD」を標榜する「焼とりの八兵衛」の世界戦略が発表された。 ということで、安兵衛からの八兵衛ネタを今週はお届けしたい。 株式会社hachibei crewと株式会社エターナルホスピタリティグループの協業発表2024年6月20日、株式会社hachibei crewと株式会社エターナルホスピタリティグループ(旧鳥貴族ホールディングス)が、福岡市内で世界戦略に関する記者発表会を開

国立大学値上げ問題 -大学経営- 篇

1.本当に国立大学は「もう限界」なのか? 「お願いだから国立大学に進学してください」と高校3年生だった息子に懇願し続けたこの1年。志望大学の前期日程で大きい討伐を受け、それでも志望校を変えずに後期日程が終了した段階で、 「嗚呼ッ、もはや私学に進学し年間140万円をドブに捨てるわけではないのだけれども、なんだかなぁ、、、」 な心持ちで支払うことを覚悟した3月。にわかに朗報が舞い込み、無事に志望していた国立大学に合格したとの報を受けたとき、 「これで父の飲み代は確保できたで

おでん「安兵衛」に行ってきた:インフルエンサーマーケに物申す篇

福岡には、明太子やラーメンはもちろんだが、他にも誇れるご飯がたくさんある。 先月、奈良に行った際、九州のメニューを出しているのかな?と思われる居酒屋で晩御飯を食べたのだが、焼き鳥に「豚バラ」があり、迷いなく注文した。 すると。 「タレですか?塩ですか?」 とお店のおねいさんが聞くではないか。 「「…タレ?」」 後藤も友人も、声に出さずに目を見合わせて脳内にはてなが飛び交った。 そう、福岡において、焼き鳥といえば 「とりあえず豚バラで」 は、もはや擦り倒された常套句で

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偏見が外れる瞬間:巨峰との和解篇

5月はとにかく遊び倒したので、真面目に働いている6月の後藤です。 顧問先で待ち時間が発生したのでこれを書いているのですが、最近、というか近年、 「大人になると、価値観が変わる、というか、受け入れられるものが増えていく」 と感じる機会が増えるように思っています(あくまで当社比)。 先日、 「まつげの長いおじさん(いわゆる演歌歌手系のアイシャドウ入ってそうな外国人顔)が小さい頃こわかった」 という話を友人としまして。

論語講座(東京) vol.03のご案内&島田虎之助 篇

1. 縦の歴史と横の歴史 5月17日(金)に論語講座(東京)を開催しました。  相変わらずナチズム・ファシズムの話から島田 虎之助のお話まで脱線しまくっていて、90分かけて5段くらいしか進まないという。しかし、本当の学問というのは枝葉から辿り着く幹が大事なのです。そして、幹から枝葉へと広がっていく雑談の中にこそ、本当の学びがあります。  思えば、学校の歴史の授業で学ぶのは根幹にも到達せず、枝葉にも広がらない縦の流れを暗記するものに終始しています。  ぼくたちが学生時分には

どんなに訓練しても、事故は起きる:献杯篇

今週は、奈良と伊勢に行っておりました。 3日で5万歩以上歩きました。 あーもう帰らないといけないのか、と思いながらの昨日、伊勢から福岡へ戻る途中。 陸上自衛隊の手りゅう弾のニュースを目にし、言葉になりませんでした。 手りゅう弾というのがどんな爆発の仕方をするのかがわからないのでなんとも言えないのですが、破片で亡くなるということは、散弾銃のような飛び散り方をして、それが急所に命中したか、血管から入って心臓まで達してしまったか…そんなことを想像しながら、この奈良伊勢旅の目的で

リスナーは、江戸にいた。:チノアソビ篇

先週はほぼ江戸で遊び倒していた後藤です。 (ちなみに、西東京は江戸じゃねぇ!という声もあろうかと思いますが、後藤の周辺というか一部では東京出張そのものを江戸への参勤交代と表現しておりますので、そのまま通させていただきます) そしていまだにCOMPLEXの余韻から抜けられず、車でずーっとDVDを観ています…。 ついには今年デビュー40周年という祭りを迎える吉川先生のLIVEのチケットをゲットしてしまいました。 佳い時間をいただいたので、お祝いに駆け付ける所存('◇')ゞ さ

死生観 -織田作之助- 篇

1.浪速のユーモアの源流織田 作之助というと、もう今の人には馴染みが薄いのかもしれませんね。しかし、その絶望的なまでに暗い物語を、見事なまでにポップに描き切った文体は、明治初期までの候文(です・ます調ではなく、語尾が「そうろう」で終わっていた文体)を、現在の日本語に仕立て直して創作した夏目 漱石を経て、上方文学の集大成(それも全国的に売れた!)です。  昭和15年、織田 作之助こと通称、織田作(おださく)が27歳のときに書いた『夫婦善哉』は、五年間の雌伏の時を経て戦争が終わ