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淡いつながり

当時ブログに書いた文章をnoteに載せてみたくなりました。

=2004.10.28の記事=
「淡いつながり」

我が家宛てに1通のハガキが届きました。私と妻とユースケに宛てられたハガキ。縁というのは不思議なものだなあと、近況を知らせるそのハガキを読みながらしみじみ思ってしまいました。

始まりは3年前の秋。2人の女性と出会うところからです。出会うといってもその2人は私の得意先で働いてた女性たちだったので、顔は以前から知っていました。直接仕事のやり取りはないので、普通なら挨拶するだけの関係だったはずです。

きっかけはユースケでした。ちょうどその頃ユースケは生まれて6ヶ月ぐらい。私も親バカなもので、携帯にユースケの待ち受け画像を入れてました。

彼女たちから「赤ちゃんいるんですよね?」なんて聞かれたもんだから、喜んで携帯を取り出し、ユースケの写真を見せてあげました。「かわいい!」なんて言うもんだから、つい調子に乗って「じゃ見に来ます?」なんて冗談を言ってしまいました。

そしたらなんと「え!いいんですか?じゃ行きますー」という意外な展開。2人とも独身で、私よりも10歳以上若い彼女たち。それまでほとんどしゃべったことのない彼女らを、なぜか我が家に招くことになりました。

「うちに遊びに来たいって言ってる得意先の女の子がいるんだけど・・」

そう妻に切り出したけど、とっても話しづらかったのを覚えています。だいたい変でしょ?会社の女の子ならまだ分かるけど、得意先の女の子たちがユースケを見たいから遊びに来るなんて。私だって信じられない話です。

心配したものの、いざその日がやってくると、とても楽しい時間を過ごすことができました。明るい彼女たちと妻はすぐに仲良くなり、おしゃべりしたり、ユースケを抱っこしてみたり、写真を見たり・・。

「今度は一緒にピザを作ろう~」と、妻と彼女たちは次の約束をしたようでした。そうして彼女たちと我が家の付き合いは始まったのです。

その年のクリスマスに手作りのピザパーティ。そしてユースケの誕生日祝いを兼ねたひな祭りパーティなど何度か集まって楽しく過ごしました。

その後、彼女たちは会社を辞めたので、仕事で会うこともなくなりました。一人はこの場所を離れ、一人はこの場所に残り、それぞれ別の道を歩き始めて、以前のように我が家に遊びに来る機会もなくなりました。でも年賀状や暑中見舞いのやり取りは今でも続いています。たまにメールが届くこともあります。

この前、彼女のうちの一人が、たまたま私たちを見かけたらしく、車のクラクションをプップッと鳴らしてくれました。車の中から一生懸命手を振る姿がとても印象的でした。

彼女たちに会うたびに、そしてメールやハガキを読むたびに、ふんわりと温かい気持ちになれます。友達とさえも呼べないような淡いつながりだけど、この関係を大切にしていきたいと思ってます。

ほっとけば簡単に消えてしまいそうなつながり。でも純粋にお互いの好意だけで成り立ってるつながり。だからこそいつまでも大切にしたい。そう思えるのです。


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