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『独学大全』 感想

あまりの分厚さに「鈍器本」とも呼ばれる本書。
私は1年ほど前にタイトルだけみてKindleで衝動買いをしてしまい(あの頃は金遣いが荒かった...反省)そのまま積読リストに入っていましたが、この度4日かけて読了しましたのでその感想を書いてみたいと思います。

読了してからまだ1〜2時間ほどしか経っておらず
かなり荒削りな文章にはなると思いますが、読むことを検討されている方の参考になればと思っております。

独学大全を読むに至ったきっかけ

読みはじめたきっかけは以下の3つでした。

1. ストレングスファインダーでの診断結果

「調和性>収集心>内省>適応性>学習欲」の順に私を構成する要素が強いことを再認識しました。私自身もなんとなく「好奇心が強く、学ぶことが好きである」と感じていたのでこの結果には納得感もありました。

2. サラタメさんのYoutubeでの紹介

読書家のYoutuberなサラタメさんの動画をよくみているのですが、この本をお勧めされていました。こちらを拝見して初めて『独学大全』が「鈍器本」と呼ばれていることを知り(Kindleで購入したので知らなかったのです)、サラタメさんがピックアップしてご紹介されていた「ポモドーロ・テクニック」(25分集中→5分休憩のセットを4回繰り返した後30分の休憩をとる)をその後の読書で実践してみました。

3.  やりたいことを見つける過程で長所を伸ばす必要性を感じた

今現在もお世話になっている本なのですが(=読了したもののまだやりたいことの実現方法がちゃんとはわかっていない状態)、1にあげた「 ストレングスファインダー」と同じく、「短所を頑張って克服するよりも、得意なことを伸ばして尖ろう」というメッセージがありました。なので、本書を読みながら、次は『独学大全』で長所の伸ばし方をさらに追求しようと思い、1年間放置してきた本書を読み始めるに至りました。

※なお、そもそも上記のような自己啓発系の本を読み始めるに至ったきっかけはメンタルがちょっとよろしくない状態になったことなのですが、そちらについては別途筆を改めることにして、今回は『独学大全』の感想にフォーカスします。

読了後の感想

恥ずかしながら「たら・れば」が噴き出してしまいました...^^;
その「たら・れば」の内容としては
・もっとはやくこの本と出会いたかった
・せめて大学入学前のタイミングで
・欲を言えば中学か高校に通っている時とか受験勉強をしている時とか...

本書は「(特に、周りに強制されない環境で)学ぶことの過酷さと意義」にまず最初に触れて、それから「人の持つ癖を活かしながらながら長く挫折せずに学べる方法の具体例」に入ります。
この構成が私には性にあっていたようで、概念と実践のどちらも、「答えのない問いに向かって学び方をデザインする大学という場」において知っておいて損のない内容だと感じました。
私は大学では一応学業を1番の優先順位においてきたつもりでしたが、それでも学問を極めきれなかったと不完全燃焼感を残したまま卒業を迎えてしまいました。(その後悔がすごいのか、2週間に1度くらいの頻度で「卒論に追われる夢」をみます)
大学での学びの中で何度も迷子になったり、学業の優先順位を時には落としてしまったこともあったからこそ、「独学大全、もっと早く知りたかった(私の大学卒業後に発売された本なので時間軸的に絶対に無理なんだけど)」と悔しい気持ちになってしまいました(笑)

しかし、一方で本書は「学ぶことを諦めきれない人」に向けて「決して無駄ではないから一緒に頑張ろうな」と終始エールを送ってくれるので、大学卒業をしてしまった今も諦めずに学びを続けていこうと思える本でした。

Amazonのレビューを見た上でさらに感じた私なりの感想

私みたいな絶賛派ばかりではもちろんなく、「人を選ぶ本」なんだな、といろんな方のレビューを見て感じました。

ざっとしか見てないですが、例えばこんな意見。
「文章が読みづらい・長い」
→これは見方によっては確かにそうかもしれません^^;
まず788ページという超大容量で、ものすごく丁寧です。少しでも専門用語だったり解釈の分かれる用語が出てきたら、細めの字で注釈が入ります。各章の導入部分にある「無知くん」と「親父さん」のやり取りの中にも、著者がこれまでの学びで得た知識がユーモアたっぷりに入っていて、「無知くん、ぜんぜん無知じゃないやんw」と心の中で何回もツッコミました。また、おそらく著者の読書量とそれに伴って増加した語彙量?語彙力?が半端ないのからこそ、人によっては回りくどい?と感じる比喩表現や繰り返しの表現もあったのではないかと思います。
私的には著者の書き方はとても心地よく、1つ1つの文章が面白いと感じました。が、合理的に欲しい情報だけを抜き取っていきたい方にとっては少々相性が悪いかもしれません。

「ありふれた勉強法が載っている」
→これもそうなのかもしれません。この本を読む前に既に多数の勉強本を読んだ方、試した方、既に自分の独学の方法を確立した方にとっては、「これ前にも見た」「これもうやったことある勉強法」というのが一部あるのだと思います。私としては、本書が学ぶことの意義や難しさから入っていた点において、他の巷にある勉強法に関する本を読む前に『独学大全』に手を出せたことは(って言っても購入から1年放置してましたが)学ぶことの意義や学び方について体系的に理解することができたのでとても幸運なことだったのでは思っています。

「学術研究向けであり、資格勉強や受験勉強向きではない」
→これは半分くらいその通りだと思った一方で、それでも読んでみる価値はある、と思いました。「独学大全」と名づけたことによって、「明確にゴールがあり学ぶべきものが決まっているもの(資格・受験など)に向けた学習法を知りたい」というニーズの方も手を伸ばす書物になったのではと思っています。そして、読み始めると「何を学ぶかと学び方を自分でデザインする」「アカデミックな調査法」など、受験や資格勉強とやや乖離した内容も出てくるため、これはびっくりする人もいるんじゃないかなあと思いました。ただ、本書にも書かれていた通り、「答えのない問いに向かって何をどうやって学ぶか/実践するかを決める機会」というのが社会にでてからのほとんどな気がしています。学校や予備校のようにカリキュラムが設定された場所にいる人や受験や資格のように学ぶべきものが決まっている人も、来るべき時に備えてさらっとでも読んでみることをお勧めしたいと思いました。

以上となります!
また追記する可能性や別の角度から書いてみる可能性もありますが一旦ここまでにして、どなたかの参考になればと思います。


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