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小説 コーチ物語

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コーチングのコーチ、羽賀純一。 彼のもとには多くのクライアントがやってくる。 この物語は、羽賀コーチによってクライアントがどのように成長し、羽ばたいていくのかをクライアントの視点…
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2024年4月の記事一覧

コーチ物語 クライアントファイル13「オレが法律だ!」その4

「実は羽賀さんに会わせたい人がいるんですよ。ボクの大学の先輩なんですけど。ちょっと変わっ…

古賀弘規
6か月前

コーチ物語 クライアントファイル13「オレが法律だ!」その3

「よし、行くぞ」 バタン 「警察だ。覚醒剤所持の疑いで今からこの部屋を家宅捜査する。みんな…

古賀弘規
6か月前
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コーチ物語 〜明日は晴れ〜 クライアント2 オレのやり方

 昼の居酒屋。まだ店内は静まり返っている。オレは一人で黙々と仕込みの準備。実は見習いの板…

古賀弘規
6か月前
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コーチ物語 〜明日は晴れ〜 クライアント3 私の役割

 いつもの朝、いつもの場所。そしていつものように仕事が始まる。今日も店頭に飾られたお花か…

古賀弘規
6か月前

コーチ物語 〜明日は晴れ〜 クライアント4 愛する人へ

 ふぅ、ったくわかりづれぇところに事務所を出したもんだな。それにしてもこんなチンケなビル…

古賀弘規
6か月前

コーチ物語 〜明日は晴れ〜 クライアント5 対決!ファシリテーター

 朝九時。携帯電話の呼び出し音がけたたましく部屋に鳴り響く。  この時間、私にとってはま…

古賀弘規
6か月前
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コーチ物語 〜明日は晴れ〜 クライアント6 疾走!羽賀コーチ

 はぁ、はぁ、はぁ。こ、こんなに走ることになるとは……。追っ手はとりあえず巻いたようだな。風呂敷に包まれた荷物を胸に抱え、夜の街を右に左に走っていく。普段からこんなに走ることなんかないから、もう息が上がって……とりあえず暗い路地に身を隠し、体力の回復を待つことに。  あの人のところまでもう少し。あそこまで行けば落ち着くはずだ。あとはあの人に任せればいい。  ネクタイをゆるめ、一番上のボタンをはずす。営業マンとしてこんなにだらしない格好はご法度なのだが。今は事態が事態だからな。

コーチ物語 〜明日は晴れ〜 クライアント7 明日は晴れ!

「じゃぁ、軽部のやったことを見逃したってのか?」 「見逃すも何も、軽部くんは何もしていな…

古賀弘規
6か月前

コーチ物語 〜明日は晴れ〜 クライアント1 舞い降りたコーチ

あらすじ コーチングのコーチ、羽賀純一。以前は地方都市にある大企業、四星商事のエリート営…

古賀弘規
6か月前

コーチ物語 クライアントファイル13「オレが法律だ!」その2

「実は私のクライアントの娘さんなんですけど。高校二年生で、夏休みに入ってからちょっとあや…

古賀弘規
6か月前
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コーチ物語 クライアントファイル13「オレが法律だ!」その1

 ったく、なんでこんなに事件が多いんだよ。おかげでまともに家に帰りゃしねぇや。おっと、ど…

古賀弘規
6か月前
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コーチ物語 クライアントファイル12 ミクの恋愛物語 その8

「確か今日がトシくんの退院の日だったろう。ミク、病院には行かないのかい?」  あれから二…

古賀弘規
6か月前
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コーチ物語 クライアントファイル12 ミクの恋愛物語 その7

 翌日、トシの病室にお見舞いに行ってみた。お見舞いだけじゃない。羽賀さんとの会話で気づか…

古賀弘規
6か月前

コーチ物語 クライアントファイル12 ミクの恋愛物語 その6

「ミク、大丈夫だよ。大丈夫」  私の隣には羽賀さんがいる。そして何度も何度も大丈夫を繰り返してくれている。  ここは市民病院。そしてその奥の手術室にはトシが運ばれている。  あれからのことを私はよく覚えていない。トシが車と衝突。そして大怪我を負ったことは記憶している。どうやら車の運転手が救急車を呼んでくれたみたい。私はトシと一緒に叫びながら救急車に乗り込んだ。  でもいつの間に羽賀さんが来たんだろう。そこはよく覚えていない。  手術室の扉が開いた。 「トシは、トシは大丈夫です