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全サイクリスト夢の舞台『ツールドフランス』1日体験『L’Étape du Tour de France 2023』前編

みなさんこんにちは。
毎年『夏になれば運動するし、体重も落ちるでしょ』って思いながら全く体重が落ちなくてかなり焦っているKです。
今回は普段私がお世話になっているYouTuber KEIMASA CYCLEと私が所属させてもらっているTeam639のメンバーの方達と先日参加したツールドフランスのコースを1日だけ走ることができるL’Étape du Tour de France 2023(エタップ)のイベント当日の話を書きます。
前回をまだご覧でない方、もしよろしければぜひご覧ください(下にリンクを貼っておきます)
今回は4月に走ったパリルーベの時と同じように3部構成です。
長くなりますがお付き合いください。

前回の話はこちら

いつもお世話になっている自転車仲間、KEIMASA CYCLEのリンクはこちら


今回のコース

今回私達が走るコースはツールドフランス第14コースのアンヌマス–モルジヌまでの約157kmです。
獲得標高は4000mあります。

黒枠のANNEMASSEがスタート
MORZINEがゴール
スタート地点左にスイスのジュネーブがある

横から見るとこうなっています。

赤枠がツールドフランスで設定される『山岳』エリア
4級、3級、2級、1級、超級の順にきついエリアになる
青枠は休憩エリア(これが命綱になる)

手始めに3級山岳を上らせ、参加者に『これから始まるぞ!』と言う心構えをさせます。
そこから7kmと5.9kmの1級山岳を上らせる事により『ここからキツくなるぞ!』と参加者にここからとんでもない目に遭うと言う最終通達をします。
そして後半にはほぼ超級山岳の1級と本物の超級山岳が立て続けに現れます。
『斜度が1%違うだけで距離は1級の方があるじゃねぇか、ふざけんな』と思いますが両方とも拷問の様な坂道なのは同じです。
これを上り切り最後は下り坂でゴールです。

ガーミンのサイクルコンピュータではルートをダウンロードすると坂道は9個と表記されます。
ランク外の山岳は4個とも斜度が6~7%でしたが距離が短いのでプロのレースでは平坦と同じ扱いを受けるそうです。
わけがわかりません。

イベント当日の朝

前日、前々日の疲れは全く残っていないかなり良い状態で目覚めることができました。
私の出走時間は8時15分でかなり遅いです。
しかし自走で会場へ向かうため約12kmの道のり(約40分)と朝ごはんを計算して5時半に起きました。
朝ご飯を食べる際に私達より出走時間が1時間早いKEIMASAがひと足先に出発するのを見送りました。

今回のパートナー、持ち物とフランスを走行するための注意点

今回のパートナーはいつものようにROSE X-Lite06です。
アホみたいに山を上るので少しでも楽をするためにシマノ105シリーズ11-34Tのスプロケットを装着しています。
クランクはシマノULTEGRA52-36を使用しています。
他の選択肢もあるのでしょうが、恥ずかしながらクランクに関してはよく分かっておりません。

イベント運営側からの推奨情報ではチューブは最低2つは用意して欲しいとの事。
休憩地点がいくつも用意されているとは言えそこに辿り着く前にガス欠になってしまっては意味がないので補給食等も持ち歩きます。
前日の参加登録の際にはヘッドチューブポーチをもらう事ができるので多くの参加者はそれを使用していました。

毎回もらう事ができるらしい

私とKEIMASAが普段から愛用しているジェルはPowerBar社のPowerGel Originalのグリーンアップル味です。
かなり美味しいです。

ジェルだけではお腹が減るので固形の補給食も用意します。
私が愛用しているのはGLIF BAR社のクッキーです(多分クッキーです)

それといつもの様にチューブ(今回は2つ)携帯空気入れ、工具、タイヤレバー、それと防水ポーチに携帯電話とお金を入れて走りました。

結構重要な事ですがこのイベントに参加する際には携帯電話は必ず防水ポーチに入れてきてください。

(汗と観客がぶっかけてくれる水でとんでもない事になります)

それとイベント時には必要はありませんが自走で帰る場合、フランスの法律としてフロントライトとリアライトの装着が義務付けられているので帰宅時に使用するキャットアイ社のVOLT800NEOを背中に入れておきました。
リアライトはガーミンのVaria RTL516です(日本では515)

イベント会場へ

私の出走時間は前述した通り8時15分ですがイベント側は『それより30分は早く来た方が良い』と推奨していたのでそれにならって7時半から45分の間に到着するように出発しました。

出発直前の写真(撮影者 浅野さん)
左からエッティさん、金子さん、私、笹井さん
笹井さんには遠征の宿泊先から計画プラン、レース後の自走ルートまで何から何までお世話になった

チームキャプテンの浅野さんは当初は参加予定でしたが先日アイアンマンレースに参加していたそうで、身体が思った以上にボロボロだと言うことで参加を見送りました。
しかしスタート地点までは一緒に来てくれるとの事だったので短い時間ながらも一緒にサイクリングをすることができました。

朝のフランスを走る
超贅沢な気分

会場到着

7時半頃には会場へ到着しました。
本来ならイベント会場近くに行くと他の参加者がゾロゾロと現れるのでそこについていけば良いのですが今回はなぜか直前まで全く参加者に出会わず「もしかしたらイベントって昨日だったりして…」と笹井さんが少し焦っていました。
その後、無事に他の参加者が現れて安心しました。

皆登録番号が違うためスタートエリアがバラバラです。
無事にゴールを誓いそれぞれのスタート地点へ行きました。

今回の参加者は約16000人。
各グループに1000人も参加者がいるので全部で16ブロックあります。
私は初参加なので14ブロックでした。
出走の順から書くとKEIMASAは5000番台で第5ブロック、金子さんは8000番台で第8ブロック、笹井さんは12000番台で第12ブロック、エッティさんは15000番台で第15ブロックです。

既に多くの参加者が場内アナウンスを待っている状態でした。
ちょっと面白かったのがその参加者のほとんどが体力を消費しないために体育座りで待機していた事でした。
『なんでみんな同じ座り方してんの?』と思いながら空いている場所を見つけて座り込みました。
体育座りは苦手なので…普通に座っていました。
そして日差しが気持ち良かったので隣のおじさんに「時間になったら起こしてください」とお願いして寝ていました。(7時半の段階で気温は20度)

到着直後の写真

ようやくスタート

8時半頃、ようやく隣のグループが進み始めます。
隣の参加者のおじさんに叩き起こされて私も準備します。
すぐスタートするのかと思いきやここから1kmくらい進みます。
そしてあっという間にスタート前へ到着してカウントダウンが始まりました。

スタート前のMCはもちろんフランス語
何を言っているのかもちろん全く分からなかった

カウントダウンが終わり早速スタートしますがいきなりロータリーはちょっと勘弁してほしかったです(ロータリー走行は苦手)

ここら辺はスタート地点だけあって物凄い数の人達が私達を応援してくれました。
毎回思いますけどヨーロッパの方々は本気で応援してしてくれるのでとても力になります。
この後もいろんな場所で多くの人達が声援を送ってくれました。

多くの人達が見守る中でスタート

出走してから18km地点の最初の山岳エリアまではのどかな街並みを楽しみながら走行する事ができます。
談笑しながら仲間内で走る人達や1人で黙々と走り続ける人、様々な参加者達がいました。
背中のゼッケンには参加者の名前と国籍が表記されています。
当たり前ですがフランス国籍の参加者が圧倒的に多く次に多かったのがイギリスからの参加者でした。
意外だったのがエストニア国籍の参加者が多数いたことです。
他にはドイツ、イタリア…ナイジェリアからのチームも参加していましたね。
タイ人の参加者も1人だけいました。

「流石に日本人はいないか…」

実際は私達のグループ以外にも何人かの日本人参加者がいたそうですが道中では全く出会うことはありませんでした。

まずは最初の3級山岳

30分ほど他の参加者の後ろに張り付いて楽をしながら走行していた頃でしょうか。
気がつけば上っていました。
 
『あれ、もう始まった?はやいの』

そんな事を思いながらも少しづつ斜度が上がっていきます。

ドイツのレースに参加している時も思いましたがヨーロッパの皆さん、坂道が超遅いです。
かなり後ろのグループだから走力的に上れない人達だけが集まっているからだとは思いますがそれにしても遅すぎます。
運が良い事にギアの変速から立ち漕ぎするタイミングまで全く同じお兄さんがいたので一緒に走らせていただきました。

更に5km程進むとボエジュと言う小さな村に入ります。
何も考えずに左折したらいきなり白と赤い模様のゲートが現れました。

ツールドフランスお馴染みの山岳ポイントゲート
ちなみにこれは最初の3級山岳エリアのゴール地点

どうやらここからが今回のイベントのメインでもある山岳コースに入る場所だったそうです。

『さっき(ゲートまでの)上りはなんだったの😟』

とりあえず上り始めました。

少しづつ参加者の脚を削りにくる

距離4.3km、平均勾配4.6%のちょっとした上りです。
まだイベントは始まったばかり、身体はもちろん元気ですが気負わずのんびりと上る事にしました。
この山岳エリアは山々に囲まれている箇所が多々ありますが、ふとした時に横を見ると絶景が広がっていました。

『やっぱりツールドフランスのコースを走っているんだな』

当たり前な事を思いながら景色を楽しみつつ呑気にペダルを回していました。
他の参加者は皆遅いのでひょいひょいと抜いて行きます。
決して私が速いのではなくこのグループが尋常じゃないほど遅いのです。

まだ始まったばかりだったからどの参加者も笑顔だった
(この3時間後、みんなで仲良く地獄を見る)

約15分ほどで山の頂上へ着きます。

次のエリアに向けて

『多分、この山を降ったら休憩所かな』

ボトルも1本が空になったので水をもらう事ができる休憩エリアを探しつつ下山しました。
(実際は次の山岳エリアの頂上にありました)

下山は好きではないので安全第一にのんびり下ります。
普段は平坦しかない土地で走っているので必要性を全く感じることはありませんが、こう言う場所が多々あるレースではディスクブレーキの重要性を実感します。

絶景の下り坂
柵がないから絶景に見惚れていると道を外して空を飛ぶ

ドイツでもよく見かける光景ですが後ろからバンバン抜かれていきます。
でもブレーキが効かず、曲がりきれずに空をダイナミックに飛ぶわけにはいかないので『いいぞー、いいぞー!みんなバンバン抜いていけー』って思いながら他の参加者を見送っていました。

どれだけの人達に追い抜かれたでしょうか。
上り坂で抜いたほぼ全ての人達に抜かれて行きました。
なんなら最初に抜かしたおじさんにも追い抜かれました。

『まぁまぁ、どうせ後で追いつくし』

結局この後何度も追い抜き追い抜かれを繰り返します。

短くてあっという間の坂道が終わり再び平坦区間に入りました。
次の山岳エリアまでほんの数kmの距離ですがここでのんびり脚を休める事にしました。

『そう言えば笹井さんはまだ見えないな…、次の山で会えるかな』

せっかく他のメンバーと参加しているのですからやっぱり合流したいです。
と言うことで最終目標は完走ですが当面の目標は『まずは笹井さんに追いつくこと』に決めて次の山岳を目指すことにしました。


ここまでご覧いただき誠にありがとうございます。
この時はまだイベントが始まったばかりで楽しい気持ちの方が強かったです。

今回の参加で様々な人達に応援してもらえましたがやっぱりフランスでのイベントは別格です。
これを読んで少しでも『フランスで走りたい』と思う方がいてくれたら幸いです。
次回も早めに書くのでお時間あればぜひご覧ください。

ではでは🖐️

出走直後の写真
この時、数時間後には参加したのを後悔する程とんでもない目に遭うとは思ってもいなかった

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