見出し画像

プロの世界に最も近づけるアマチュアレース『Rund um Kölm 2023』

みなさんこんにちは。
4月に追い込み過ぎて身体がとんでもないことになっているKです。
今回は5月22日にケルン大聖堂がある街としても有名なケルンにて行われたホビーレース『Rund um Köln 2023』の話を書いていきます。

昨年も参加しているのでその際のリンクを下に貼っておきます。


イベント当日までの流れ

このイベントでは初心者コースの30km、中級者向けの70km、上級者向けの130kmと3つのカテゴリーが用意されています。
ドイツのレースイベントでは早くに登録すればするほど安価で登録する事ができるので参加希望の人は早めに登録するのがおすすめです。
ゼッケンの受け取りは基本的には前日のスタート地点にて受け取りますがこのイベントに関してはオンラインでの登録の際に15€で自宅に発送してくれるので遠方からこのイベントに参加する場合はそちらが便利です。

しっかりとした箱で届く
箱の中身
発送の人はビールグラスで当日受け取りの人はノンアルビールが付録で付いてくる
それと帽子とナップサック、小さいポーチやサプリメントが入っている
付録とは別に白い封筒が入っている
ゼッケンとヘルメットに貼るナンバー(写真サービスが欲しい人は重要)
それとシートポストにつける計測チップが入ったナンバーが入っている

コースは毎年ほぼ同じなので1度走ったことがあれば2回目以降は経験でかなり楽に走ることができます。
私とKEIMASA、それと何度かKEIMASA CYCLEに出演してくれている海崎さんの3人は130km部門に参加しました。
ドイツ国内でのレース初参加の小野くんと最近忙しくて一緒に走れない緑さんは70km部門に参加しました。

ケルンの街中を出発して東側ベルギッシュグラードバッハ地方へ向かう
イベント山場、地図中央のベンスベルグ城前を2回走る事になる
45km地点と105km地点に石畳の坂道ベンスベルグが待ち構える

まずは現地入り

私と小野くんは自宅から電車でケルンまで向かいました。
レース会場のケルン駅へ到着するとすぐ目の前にケルン大聖堂があります。
会場は反対側にあるので大聖堂を拝む事なくスタート地点へ向かいます。
当日は同じ様に電車での参加者が大勢いるので行き先を間違えることはありませんが1人が間違えると全員間違えるなんて事もよくあるので参加する際にはスタート地点の確認だけはしておいてください。
駅から2km程走ると会場に到着します。

小野くんとしばらく待っていると海崎さん、遅れてKEIMASAがやってきました。
海崎さんは到着当初何故か自分の足を撮影する方向でアクションカメラを付けていましたが私達に指摘されて慌てて付け直していました。
あれを教えなかったら終始自分の足だけを撮影し続ける意識高いローディーになっていた事でしょう。

あっという間に出走の時間が近づいてきたのでそれぞれの安全を願って出走ゲートへ向かいました。
KEIMASAは第1グループ、私は第2グループ、海崎さんは第3グループでの出走です。

レーススタート

1グループ約300人から400人程の参加者がいます。

出走時間が近づくと皆ソワソワし始める

KEIMASAがいる第1グループが出走してから5分後に私達のグループが出走します。
5月1日のフランクフルトのレースでは明らかに速いグループに入ってしまいその雰囲気にのまれてしまった結果、前半で足が動かなくなるという散々な目に遭ったので今回は第2グループのほぼ最後尾からスタートをしました。

まずはイベントの雰囲気に身体を慣らすこと。
その為にはこの時点から全力を出すわけにはいきません。
慎重にスタートしました。

数分後どえらい目に遭う

出走して数分、早速やらかします。

あまりにも後ろからスタートしたからか、スタートしてすぐの橋で前の集団に置いて行かれてしまいました。
『やばい』と思った時には集団は遥か遠くでした。
更に動揺したからか、ボトルを取った際に手が滑ってボトルが道端へ飛んでいってしまいました。
慌てて自転車から降りて取りに行きましたがこれが集団の中でのやらかしではなくて本当に良かったです。

開始数分でほぼ単体走行になってしまった

なんとか追いつかないと…と思いましたが早々に諦めます。

『うん、後ろの集団に吸収してもらおう』

と言うことでせっかく第2グループで出走したのにほぼ第3グループでの走行になってしまいました。
10分後に追いついてきた第3グループに拾ってもらい一気にレースの波に乗ることができました。
幸いな事にゴールまではほぼ第3グループの先頭付近を走ることができました。

山あり谷あり

コースは主に平坦基調ですが時折200mほど上る坂が現れます。
西ドイツ近辺のドイツ人達は平坦走行は得意ですがちょっとの上りで走力が一気に落ちるのでこの隙にできる限り前に出ます。
みんなが嫌がるインコースは追い抜くには絶好のポイントですね。
一気に斜度が上がる場所は私にとっては絶好の追い抜きポイントなので一気に走り切ります。
それと、このイベントはとても多くの人達が応援してくれます。
特に坂道には多くの人達が応援してくれるので自然とペダルを踏む脚に力が入ります。
上りが終わるとお待ちかねの爆速下りコースに入ります。
先ほど抜かした人達にバンバン追い抜かれますが全く気になりません。
飛ばして曲がりきれずに吹っ飛んだら参加の意味がなくなりますからね。
まぁ何もしなくても時速60kmくらいでます。

これを何度も繰り返します。

応援が力になる事を証明してくれるようなイベント

イベントの見せ場、ベンスベルグ城前

50kmほど走るとこのイベントの1番の見せ場でもあるベンスベルグの坂道があります。

かの有名なゲーテにもその美しさを褒め称えられたベンスベルク城
写真だと分かりにくいが斜度は10%

斜度は10%程ですがなんと言っても石畳の坂が参加者を苦しめます。
中央はかなりボコボコしているため物凄いパワーロスが起こります。
更に道が狭く3人並ぶとイベントの柵に当たってしまうのでこの坂道に入る前の位置取りを間違えると中々大変な目に遭う事になります。
私とKEIMASA、海崎さんはこのコースを2周します。
まずは久々に走るのでどんなものかの確認を兼ねて走りました。

本当は大変なんでしょうが全く苦になりません。
と言うのも4月1日のベルギーにて参加したロンドファンフラーンデレンにてこれより大変な状況下で気が滅入るほど大変な目に遭っていたからです。
やっぱり経験値って大事ですね。
と言うことで前のちんたら走っている走者を応援しながらスルスル上りました(全ての参加者のゼッケンには登録番号とは別に名前が記入してあるため名前を読んだ上で声かけをする事ができる)

私のようにひたすら上る人もいれば前の女性のように笑顔で上っている人も多々いた

その後は綺麗な街を通り過ぎて再び下り坂に、なりません。
また上ります。

前述しましたがこれを何度も繰り返します。
既に参加した事のある人は『そう言えばそうだな』となりますが初参加の人は『えっ、また上るの?』となります。

上って爆速で下って平坦は集団で回してをひたすら繰り返します。
時折挟む上りで何人もの参加者が振るいに落とされるので上り切った後は毎回少人数です。
その後の下坂で追いついてくる人もいれば度重なる坂道で体力を使い果たして追い上げてこない人も多々いました。

上った後は何もない道路を爆速で下る

70km地点での坂道では前の集団から置いていかれないように最も重いギアが空転するくらいペダルを回してこの日最速の77.3kmを出しました。
重いギアって足りなくなることあるんですね。

このイベントの助かるところは補給場所がかなり欲しいタイミングで2ヶ所から3箇所設置されているところです。
最初の周にて、味は忘れましたがまぁ美味しいジェルをもらい更に「水くださーい!」と叫びながらボトルをもらいました。
このボトルは記念として持ち帰ることもできます。
しかしボトルケージには既に2本刺さっているので途中で草むらにポイっと投げました。
(ゴミ捨て可能エリアという場所もしっかり用意されている)

あっという間の95km

95kmに差し掛かる頃、小野くん達が参加している70km部門の参加者達が対面からやってきます。
他部門と合流するこのポイントがこのイベントの中で最も好きな場所です。
ここから人数を増やして再びベンスベルグ城へ向かいます。

レース後半、徐々に疲れてくる頃でもあります。
坂道では徐々に足が回らなくなってきましたが立って座ってを繰り返して上り切る事ができました。
前述しましたが斜度が上がり進むのが辛い箇所には参加者を応援してくれる人達が大勢いるので本当に元気をらもう事ができます。
2週目と言うこともあり人数も増えてより応援が盛り上がっていました。

2回目のベンスベルグ城

110km地点、2回目のベンスベルグ城への坂道が始まりました。
隣の参加者と「これ終わったらもうすぐ終わりだな」と話しながら上っていました。

1週目も中々の混雑具合でしたが2週目は70km部門も人達も一緒に走っているのですごい混雑具合です。
それにしてもすごい大混雑です。
『なんで?』と思いながら視線を上げると、なんとその石畳区間に救急車が停まっていました。
進んでいるのでしょうが他の参加者が邪魔で進めない状態でした。
おそらくその区間の後にて落車があったのでしょう。
そこへ向かう途中にどうしてもこのルートを通らなければならなくなったためにこの大混雑真っ最中に入ってしまったのでしょう。

K「あれどうやって通るの?」
隣の参加者「あれ無理だろ…少し待つか」

という事で徐行しながら救急車が通り過ぎるのを待つ事にしました。
しかしその間にも後ろから続々と参加者が突っ込んできます。
あっという間に私達の後ろも大渋滞です。

ようやく救急車が走り去った後は一気に走る強度を上げて全員追い抜きにかかります。
70km部門の人達にとっては初めての区間ですが130km部門の私達にとっては既に1度走っていることもあり走り方がわかっています。

この時は前に見える参加者を全員抜くつもりで走っていたから顔が引き攣っている

残り25kmの道のり

ベンスベルグ城前を通った後はもう少しだけ上り下りを繰り返し残りはゴール地点であるケルン大聖堂へ向かいます。

この時点で集団の人数はパッとみて200人程、更に前の集団を吸収し続けて最終的には500人以上いるのではないかと思うくらいの大集団になっていました(私は最後尾にいた)

森を抜け徐々に建物が増えていきます。

みな少しずつゴールに向けて意識を向けていくころでもあります。

『今回は脚の調子が良いな…これは、行けるな』

前回の反省を活かしここまでほぼ無傷で来る事ができた私は少しだけ欲が出てきました。
そうです、ここの集団をゴール前までに全員出し抜くことを考えていました。

そのためにはなんとかしてこの集団先頭に行かねばなりません。
しかしものすごい人数です。
更に街に入ると道が少しづつ狭まっていき前に出るタイミングが中々見つかりません。
それでも一瞬集団が伸びた瞬間を見逃さず少しずつ前に出て行く事ができました。

残り10km程でしょうか。
無理して前の集団に追いつこうとした際に右足の太腿中央が攣ります。
しかし攣った瞬間に自分の足を思いっきり殴って攣った足を無理やりなかった事にしました。
殴った事の反動はあるでしょうが全員を出し抜くためには気にしている暇はありません。

残り2km、右手に小さくケルン大聖堂が見えてきます(開始数分で集団において行かれた場所)
その時点で前に見えるは100人程の距離まで来ました。

この時点で前にいるのは100人いるかいないかの人数

久々にしたゴールスプリント

橋を渡ると残すはゴール前スプリントだけです。
一斉に集団の走行速度が上がります。
前のグループから置いて行かれて私達のグループに追いつかれてしまった人達はどんどんこの集団に飲まれていきます。
この時点で前には30人ほど。
最後のカーブを曲がった瞬間に私の視界に入っている参加者達は一斉にスプリントを始めました。
私もほぼ同じタイミングでスプリントを始めました。
距離としては200m程でしょうか、本来なら私の実力ではこの距離だと脚が持ちません。
しかし今回は後半にかなり楽をしたこともあってか最後まで踏み込む事ができました。
予定通り集団最後尾からの1人勝ちです。

ゴール前は本当に盛り上がる

タイムは3:44:26、130km部門1268人中504位となんとか半分より前の順位になる事ができました。
1位の参加者は私より22分も速いそうです。
とんでもない速さです。

レース後

無事に走った後はよくわからない列に並びます。
昨年度はこのままビールコーナーへ直行だったので今回もそうだろうなと思っていましたがまさかのメダルをくれる列だったようです。
『そう言えばこのイベントだけメダルもらってないな?』と思いながら私がもらえる順番がやって来ます。

木製メダルは初めてもらった

まさかの木製です。
私もですが他の参加者も驚いていました(笑)

「いろんなイベントに参加してきたけど…木製は初めてだなぁ」

驚き過ぎて感想が小学生です。

その後は先にゴールしたであろうKEIMASAを探そう…としたら横から「こっちこっち!」と声がしたので向いたらダレたKEIMASAがいました。

今回は少し不完全燃焼だったらしい

その後は海崎さん、小野くん、緑さんと今回参加したチームのメンバーが全員無事に集合する事ができてとても安心しました。
その後はノンアルですがビールパーティーです。
短い時間ながらも皆で楽しんだのち帰路につきましたとさ。


終わりに

毎回のことながら長文にも関わらず最後まで読んでいただきありがとうございます。
昨年度の参加時にも書きましたが今まで参加してきたドイツのホビーレースの中でもこのイベントが最もプロの気分を味わう事ができます。
観光がてら自転車レースに出てみたい方、このイベントは本当におすすめです。
次回は休暇で日本に帰ったお話を書きます。

ではでは🤟


帰国

昨年のこのイベントにて知り合った海崎さんですが、この度会社からの辞令にて日本への本帰国が決まってしまいました(正確には2021年の10月のミュンスターで少しだけ会話はしていた)
自転車のキャリアは私達よりも長いです。
しかしドイツに来て1度、自転車熱が冷めてしまい今後について悩んでいたところ偶然KEIMASA CYCLEを見て再び走り始める事を決めたそうです。
そして昨年、KEIMASAと知り合い一緒に走っていく中でより一層熱が入り新車をお迎えするまでになりました。
新しい相棒と共にこれから更に自転車生活を楽しもうと思っていた矢先の辞令で私自身本当に残念でなりません。
ですが最後のレースにて一緒に参加できたこと、そして完走してくれた事は本当に良かったです。
次はいつ一緒に走れるかわかりません。
ですが自転車に乗り続けてくれていれば必ず会えるのでこれからも自転車生活を楽しんでいってほしいです。
本当にありがとうございました。

皆無事に走り切れて本当に良かった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?