爆速過ぎてついていけん。剛脚の決戦場『Eschborn Frankfurt 2023』
みなさんこんにちは。
普段からKEIMASA CYCLEをご覧いただきありがとうございます。
4月が爆速って終わって驚いているKです。
今回は5月1日にフランクフルトで行われたホビーレース『Eschborn Frankfurt(エシュボルン フランクフルト)』に参加してきたのでそれを書きます。
お時間あればぜひご覧ください。
それとKEIMASAがYouTubeに動画を上げてくれているのでこちらも併せてご覧ください。
私はこのイベントに昨年初めて参加しました。
その際にとんでもない目に遭いました。
はっきり言ってコース設定が私にとってはキツ過ぎます。
今年は笑って完走を目標に参加しました。
昨年の記事はこちらに載せておきます。
珍しく前々日入り
5月1日は月曜日ですがこの日はドイツの祝日だそうです。
なので基本的には日曜日に現地入りをしますがせっかくの機会なので1日早い土曜日に現地入りしました。
普段はKEIMASAの車に乗って一緒に行きますが国内のイベントの場合は互いの仕事の都合上、基本的には私だけ電車で移動します。
今回も電車で移動しました。
今まで耳にした事はありましたがドイツには電車料金を抑えることができるバーンカードという物があります。
普通に電車の切符を購入すると中々高額になるために今回からこれを導入しました。
10年ぶりに乗ったIC(特急列車)に自転車をどっこいしょして優雅に外の景色を眺めながらフランクフルトまで行きました。
途中にドイツ観光で有名なライン川の古城巡りのルートの横を走りますが特急列車が爆速過ぎて景色が全く頭に入りませんでした。
時間はかかりますが滅多に乗ることのない電車で優雅に旅を楽しんで気づけばフランクフルトでした。
久々の大都市
ドイツ屈指の大都市であるフランクフルト、建物高過ぎて首が痛かったのと交通がごっちゃすぎて宿泊先に着くまで大変でした。
夜は昨年のこのイベントから参加させてもらう事になったTeam 639のメンバーの方達と会い夕食をご一緒させていただきました。
イベント前日
このイベントでは前日にレース会場へ出向きゼッケンの受け取りをします。
昼の12時から受け取ることができるという事でその時間に受け取りに行きました。
イベント会場に近づくと見覚えのある道が出てきたので安心しました。
昼過ぎからは前日同様にチームの方々と会い、実は初めての走行会をしました。
大都市から抜けるのは大変でしたが抜けた後はこんなに自然が広がっているのかと本当に驚きました。
フランクフルトに住むなら街の端っこが良いですね。
夜はKEIMASAとモロちゃん、久々にお会いする緑さんにお誘いいただき夕食をご一緒させていただきました。
評判が良いというイタリアンのお店に連れて行ってもらいましたが出てくるものが美味し過ぎて思考が止まりました。
声をかけてくれた3人にはとても感謝しております。
宿泊先に戻り明日のレースの事を考えてすぐに寝ることにしました。
こういうイベント前日って興奮して眠れなくなることってよくありますが今回は珍しくすぐに眠ることができました。
イベント当日
朝は6時起き、私達のグループは8:45出走ですがその前にチームの集まりがあったので7時半にはホテルを出発しました。
1年ぶりに会う人もいれば今日が初めましての人もちらほら。
皆で無事に完走を目指して記念撮影をしました。
前日の天気予報では雨で気温が低めとの予報でしたが朝から気温が高くかなり良い天気でした。
きっとどこかに強烈な晴れ男か晴れ女がいてくれたのでしょう。
(晴れ男と晴れ女さん、ありがとうございます)
あっという間に時間になったので第1グループで出走する私とKEIMASAはスタート地点へ向かいました。
KEIMASAは昨年のミュンスターの落車から初めてのドイツ国内のレースです。
やっぱり本人も集団の中で走るのは…と少し不安がっていたのでなるべく出走待ちしている人達の後ろに並びました。
しかし気づいた時には前後左右人でいっぱいです。
この日の参加者は約8000人、なんと枠が完売したそうです。
そしてグループは第6グループまであります。
まさかの1グループ1000人以上です。
更に第2グループもほぼ同時出走なので私達のグループは2500人近い大集団での出走になってしまいました。
いざスタート、散々な目に
8:45、スタートです。
このイベントは出走し始めたらいきなり高速道を走ります。
最初は皆緊張しているから慎重にいくんじゃないかなと思っていました。
間違えました。
爆速です。
やばいくらい爆速です。
まぁ高速道路だからそうなりますね。
街の中に入れば多少落ち着くかと思いましたがここでも爆速です。
私は昨年が初参加で散々な目に遭ったのであまり覚えていないのですが『こんなに速かったっけ??』って思いながら走っていました。
KEIMASAも思わず「集団が落ち着かねぇ」と困惑していました。
建物や障害物が多い街中での巡航速度がほぼ時速50kmってもうわけわかりません。
あっという間に街中を抜け再び高速道路に入ります。
この時点で約20kmを走っていました。
ちなみにその時に気がつきましたがパワーメーターが起動していませんでした。
その後の山で走りながら設定をいじってなんとか起動させることができました。
早々の諦め
街中を抜けてKEIMASAの後ろを走っている時です。
『あっ、このペース…離れた方が良いな』
私の実力ではこの集団の速度に合わせるとおそらく中盤に待ち構える山に行く前に力尽きると判断して集団から離れることにしました。
あくまで目標は完走なので無理しないことにしました。
結果から言うと私のレースはここでほぼ終わりです。
昨年は中盤の山を走り終えた後に力尽きましたが今回は更に手前でダメになってしまいました。
1年前に散々な目に遭ったにも関わらず全く学習していない事にかなり落ち込みながら走りました。
中盤の勝負所フェルドベルグ
35km地点で今回の名物コースの1つでもある全長約11kmのフェルドベルグが始まります。
平均勾配は4〜5%程、本来なら全く苦にならずに上れます。
しかし私はこの時点でもう脚が回る気がしなかったので低速で走ることにしました。
1kmほど走った頃でしょうか、コースの左側に日本の国旗が見えました。
昨日一緒に走ったチームの方が仲間の方と一緒に応援しに来てくれていたのです。
周りが注目するほど凄いテンションです。
ですが確実にその瞬間だけは私だけを応援してくれていると思うととても元気が出ました。
落ち込みながら走っていたのでチームの方の応援は本当に元気をもらいました。
おそらくあの応援がなかったら山の途中で諦めて歩いたと思います。
本当に感謝しています。
周りの人とのんびりお話でもしながらちんたら山を上ります。
あっという間に頂上…ではなく実はそこを左に曲がって更に上へ行きます。
昨年度はどこまで上るのかがわからなくていつものペースで上っていたところ、このカーブからの10%の坂にゲンナリしてそこで足を全て使い切ってしまいました。
既に疲れていましたが経験があるのでそこを上り切る余力は残っていました。
約45分程で山を上り終えて一気に坂を下ります。
ここで当日用意した水が尽きます。
その後の休憩ポイントを全く見つけることが出来ず50km地点からほぼ最後まで水を飲まずに走ることになりました。
坂怖すぎ
坂が終わればドイツ人歓喜の坂が始まります。
先程の鬱憤を晴らすかの如く一気に降り始めます。
私は怖いのでのんびり走ります。
まぁそれでも70kmくらい出るんですけどね。
50km地点の坂でこの日最速の時速80kmを出しました。
70kg以上ある体重で時速80kmしか出ないのははっきり言って遅過ぎます。
80kmで力尽きた
小さな町中を入ったり出たり、たまに出てくる山にヒーヒー言いながら走っていた70km地点。
いきなり足が攣ります。
『あっ、これ終わったな』
まだ自転車から降りたくなかったので攣った箇所を伸ばしながらなんとか走っていました。
しかし75km地点でとうとう脚が動かなくなります。
残念ながらこの日の私のレースはここで終了です。
どう足掻いても脚が動きません。
後ろからバンバン人に抜かれやる気がどんどん失われていきます。
『今回は無理だな。92km地点でやめよう』
そう思いながら昨年同様高速道路を単体で時速25kmでちんたらと走っていました。
集団走行が1番楽しいこの区間を単体でちんたら走ると言うのは思った以上に辛かったです。
イベントを楽しみに来て全く楽しむことをしていないのですから。
先程も書きましたが昨年あれだけ散々な目に遭ってもなおそれを忘れて同じ事を繰り返し同じ場所で単体走行をする。
どう考えても実力以前の問題です。
たまに町中を走行した際にはこの後に行われるプロレースを観戦しようと待っている人達から応援されてなんとか走っていましたが心と身体は完全に別々の状態でした。
最後の激坂
86km地点に92km部門の参加者用のショートカットコースがあります。
今回はそこへ行こうかと思いましたがそこに気が付かず通り過ぎてしまいました。
気づいた時には今イベント最大の見どころである激坂ゾーンへ突入していました。
92km部門の参加者はこの山の直前に道をそれるので『ここまで来たけどやっぱり上りたくないな…』と思う人はここで道を変えれば少しだけ楽にゴールできます(少しだけ)
激坂コースの直前にある山に入った頃でしょうか。
突然電動自転車に乗ったおばあちゃんが乱入してきます。
レース中は参加者以外の全ての乗り物の侵入は禁止されているのでいきなりの乱入者の存在に周りにいた参加者達がかなり驚いていました。
しかしおばあちゃんは電動自転車です。
坂道はすごい勢いで上っていました(後に警察に止められていた)
それを横目に一緒に走っていたおじさん達と談笑しながらちんたら上ります。
この坂にはツールドフランス等で度々登場する悪魔おじさんが待機してくれている区間でもあります。
残念ながら彼を見る余裕もなかったのでそのまま通り過ぎてメインの坂へ向かします。
しかし今までのツケがここで来たのか激坂の目の前で両足が攣ってしまい降りる羽目になってしまいました。
『ここまで惨めな目に遭うか…』
私同様に攣った何人かの参加者の脚を伸ばしながら自分の攣った脚も伸ばします。
昨年はここで前の走者に止まられてしまい私も降りざるをえない状況になってしまいましたが今回はそれすらできませんでした。
来てしまったからには諦めて上らなければなりません。
休むだけ休んだのでこの坂だけ全力で上ることにしました。
さぁどうでしょう。
一瞬にして坂を頑張って上っている全ての参加者を抜き去ります。
私が脚を攣ってついさっきまで休んでいたと言う事情を知らない多くの観客の方々は超大盛り上がりです。
そりゃそうでしょう。
周りは止まらずに上っていますが1人だけしっかり休んでから走っていますから。
この瞬間がこの日最大の1165Wを出しました。
まぁ坂なので多分誰でも出せます。
坂を上り切るとズルをした罰がすぐにきます。
また攣りました。
この後は約3kmほどののんびりとした坂があります。
昨年はこの坂の存在を知らなかったので激坂を上り切った後に現れたこの坂がこのイベントで最もきつかった記憶があります。
今回は経験があるので苦になりませんでした。
休んでますからね。
しかし長い時間水を飲んでいないのでいつ脚が再び攣ってもおかしくない状態でした。
困り果てた私は横で応援している観客のお兄さん達に声をかけました。
K「突然ですが失礼します。お水をいただけませんか?50km地点から1滴も飲んでいないのです」
そう伝えたところ、驚いたお兄さん達は急いで水を用意してくれました。
「まじか!水無しでよくここまで来たな!ありったけ水やるからもう少し頑張れ!あっ、こっちの水もいる?」
隣のお兄さんの手にはビールが握られていました。
K「欲しいですが今だけは我慢します(笑)後で浴びるほど飲みますから」
「おう!頑張れよ!」
K 「助かりました。これで最後まで走れそうです」
私はお兄さん達に感謝しながら再び走り始めました。
久々に飲む水は最高に美味しかったです。
ゴールまで
残り5kmを切ると再び高速道路区間に入ります。
水をもらい元気になった私は他の参加者達と協力してゴールを目指しました。
そしてあっという間にゴールです。
当初は92kmで諦めようと思っていましたがなんとか無事に完走することができました。
走行時間は3:27:55ですが途中で何度か止まっているので経過時間は3:40:26でした。
2000人以上いる年代別の記録としてはほぼ最下位です。
レース後
なんとか走り切った後はメダルをもらいます。
しかしヘロヘロでまともに歩けません。
よろけてぶつかりそうになってしまったお兄さんに謝ると「気にするなよ。みんな疲れてるんだからさ。あっ、そうだ。これいる?うまいぜ」
と普段私とKEIMASAが愛用しているジェルのコーラ味をくれました。
試しに飲んでみましたがこれが中々美味しかったです。
わずか数秒の出会いなのにここまで優しくしてくれたお兄さんの名前すら聞けなかったのは残念でした。
メダルをもらったあとはノンアルのビールを2本を片手に既にゴールしたKEIMASAに場所を教えてもらいチームの人達と合流しました。
それとなぜか途中にパスタのブースがあり、皆強制的にパスタを渡されていました。
ちなみにノンアルビールは無料で飲み放題。
『飲み切れるもんなら飲み干してみろよ、おらぁ』って言うくらいビールケースが積まれています。
まぁ飲み干します。
今回のイベントも何回か救急車が出動するアクシデントがありました。
そんな中、無事に完走できていたKEIMASAを見て安心しました。
周りを見ればノンアルビールの宴がどこもかしこも行われていました。
この瞬間がヨーロッパでのイベントの1番の醍醐味だと思っています。
日本もこれくらいやっても良いと思います。
その後も他のメンバー達が無事に合流してどんちゃん騒ぎをした後はのんびり帰りましたとさ。
最後に
最後は楽しみましたが、今回はあまりにも不甲斐なくてただただ落ち込んで帰宅することになってしまいました。
序盤からかなり無理をして走っていたのでそれが災いしてか、書いている現在も両足が生活に支障が出るくらいの肉離れを起こしています。
しばらくはまともに動けそうにありませんがなんとか治して次のレースに備えたいです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
今回はここまで。
ではでは👋
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