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Eschborn Frankfurt2022

みなさんこんにちは。
いつもKEIMASA CYCLEをご覧いただきありがとうございます。
いつもの様にリンクを貼っておきますのでもしまだご覧でない方はぜひ1度ご覧ください。

先日フランクフルトにてEschborn Frankfurt 2022と言うホビーレースにに参加してきました。
今回はその話を書きます。
それと今回のレースで知り合った人のことも書きます。

本当はKEIMASAの動画を同時に載せたいのですが本人が多忙すぎて動画の編集が間に合っていないそうなので昨年参加した際の動画を載せておきます。
もし良ければこちらもご覧になってください。


レースについて

フランクフルト・グランプリとも呼ばれ毎年5月1日に開催されるワンデイレース。
プロの前には一般参加のレースがあります。
他にもU–19やU–23の部門があったりとドイツのレースにしてはかなり細かく区分されています。
一般のコースは40km、88km、100kmです。
私とKEIMASAは100km、モロちゃんと最近忙しすぎて動画に出る機会の少ない緑さんは40kmで出場しました。

ゼッケン受け取り会場

私は前日のうちにフランクフルト入りしました。
KEIMASAとモロちゃん、緑さんは日付が変わる頃に現地入りしたそうです。
今回お世話になったホテルはa&o Hostel Frankfurt Galluswarteです。
前日にホテルに自転車の持ち込みについて質問をしており了承を得ましたがチェックインをする際に断られてしまいました。
レースに参加する方でこのホテルを使用する際には注意が必要です。
(後々紹介する方々に助けていただいて自転車は無事安全な場所に保管することができました)

私は前日のうちにゼッケンをもらうことにしました。
受付会場はレースのスタート、ゴール地点と同じ場所で行われます。

受付場があるゲート
上の△はエシュボルンのマークを模している

フランスでのレースの時と同様にスポンサー関連の企業が何店舗か出店していました。

受付時にゼッケンと一緒に食券をもらえる
出店コーナーで腹ごしらえ

私の出走番号は4000番台でした。
レース時に周りを見て知りましたが6000番台以上の人がいたので参加者は最低でも6000人以上はいるのでしょう。

安定のシマノの臨時整備ブース

ちなみに会場をウロウロしていたこんな人がいました。

陽気な悪魔おじさん

ロードレースでよくお目にする機会がある人気者『悪魔おじさん』です。
格好も目立ちますが明らかに1人だけ雰囲気が違かったのを覚えています。
しかしとても気さくで優しい方でした。

前日のゼッケン受付の話は以上です。

悪魔おじさん
有名なレースに必ずと言って良いほど出没する自転車ファンには馴染みのあるおじいさん。
若い頃にはアマチュアの選手だった。
地区大会の優勝経験もある。
格好と言動は奇抜だがレースの話をすると意外にも冷静な意見をくれたりする。

レース当日

前日の夜の時点でかなり天気が悪くもしかしたら当日は雨なのかもしれないと思っていましたが運良く雨は降りませんでした。
しかしレース開始が9時頃だけあってかなり寒かったです。
時間ギリギリに現地入りすれば良いのですが私は今回からKEIMASAも所属しているTeam639というチームに加入することになりましたので少し早めに現地入りしました。
かなり前の動画ですがKEIMASAがお世話になっているTeam639の代表者の浅野さんともここで初対面を果たすことができました。

右上から2番目がKEIMASA、右下1番目が浅野さん
KEIMASAの左にいる方が前日に自転車を預かってくれた志賀さん

あっという間にレース待ちの場所へ移動する時間になります。
KEIMASAはグループ2、私はグループ4です。
レース登録の際に『平均時速を入力してください』という項目がありその速度によってグループ分けされます。
私は時速32〜34kmで登録しました。
レース開始直前にちょっとした問題が発生しました。
なんとガーミンのサイコンが寒さにやられて気絶して画面が映らなくなりました。
かなり前に1度見舞われたことがありますがその時は自宅にて充電機をさしてからしばらくしたらようやく蘇りました。
今回も完全に同じ状況です。
しかしすでにレースの待機列にいるので充電することも不可能です。
困りに困った私は頑張って身体に擦り付けてバッテリーの温度を上げて蘇生を試みました。
周りの参加者もそれに気付いたのでしょう。
私のサイコンを心配そうに見てくれていました。
グループ3の出走が確認されもうすぐ私達の番だという時に…なんと蘇りました。
せっかくのレースで記録が取れなくなるところでした。
軌道の音が鳴ったことで他の参加者の人達が「うんうん」と頷いてくれました。
さぁ出走です。

他のグループが出走するまで寒い中待ち続ける人達

今回のレースのコースはこの様になっています。

画像左下『classic』100kmに私とKEIMASAは参加

映像がないので文のみでの解説になりますがレース開始から5分もしないうちに高速道路に入ります。
人生で初めて高速道路を自転車で走りました。
ほぼ全てのローディー達が一斉に野に放たれたようにすごい速度で高速道路を走るので集団速度ががあっという間に60kmほどになります。
1グループ50人以上の集団で走るのでスピードが上がる快感よりも前の自転車のホイールが自分に当たらないように気をつける大変さの方が記憶に残っています。

高速道路を抜けるといきなり街中に入ります。
ここで既に前を走っていたグループの中で落車が起こっていたようです。
外傷は確認できませんでしたが1人の選手がほぼ動けない状態で横たわっていました。
自転車は真っ二つです。
それを見た集団に一斉に緊張が走りました。
安全に走りたい集団とどんどん前に出たい集団で分断していきます。

30kmあたりからの山が今レースの重要ポイント

30kmを超えたあたりから徐々に上り坂が増え始めます。
そして約34km地点から始まるFeldbergは今大会の見どころの1つです。
なかなか短い距離で900m近く登ります。

恥ずかしながらこのコース表を頭に入れていなかった私は『一体どれくらい上るのかな?』なんて呑気に思いながらスタート地点に立っていた事を今でも後悔しています。
スタート時に同じ出走グループにいた金子さんが(集合写真1番右上、KEIMASAの右側にいる人です)「確か800mくらい上るはず」と言っていました。
800mがどれくらい大変なのかを完全に忘れていた私は山登りの後半でかなり後悔しました。

まず山に入った時点で前に見えるは坂…ではなく大勢の坂を登っているローディー達です。
あまりの人数の多さに道が塞がれ自分のペースで走るのがかなり大変だということを今大会で知りました。
そして登り続けても全く終わらない坂道に足がやられていきます。
後々知りましたが、900mって実家の近くにある箱根より高かったんですね(箱根は874m)
軽い気持ちでとんでもない高さをのぼらされてしまいました。
結果的に言うと私のレースはここで終わりです。
間違えてここで足を全て消費してしまいました。

登り坂が終わった後はお待ちかねの下り坂です。
今までの鬱憤を晴らすかの如くドイツ人達が一斉にスピードを上げます。
さすがアウトバーンの国ですね。
私はこの時にその日最高速度の78.9kmを出しました。
はっきり言うと坂道怖すぎます。
直前の上り坂で腕の感覚がおかしくなっていたのか下の際にかなり腕が疲れていました。
今考えると一歩間違えたらダイナミック山菜取りからのあの世行きコースでしたね。

山菜取り
楽しそうに山菜を取りに行くのを想像するが、実際はコースアウトして崖から放り出されたり草むらに突っ込んだりすることの意味をかなりオブラートに包んだ言い方らしい。

あまりにも坂道が急な為にブレーキから手が全く離せませんでした。
しかしドイツ人達はとんでもないスピードで下っていきます。
本当はダメなのですがスーパータックで下っている選手が何人もいました。
あれって本当に早いんですね。

スーパータック
下坂の際にトップチューブに跨りクラウチングポジションをとって空気抵抗を下げる走り方。
チームスカイ、チームイネオスで長く活躍したクリス・フルームが2016年のツール・ド・フランスで披露したことを皮切りにプロを中心に普及した走行方法。
あまりに危険な走行方法でもあるために2021年4月に禁止された。
通称『フルーム乗り』とも言われる。

足を使い果たした私は残りの50kmをのんびり走り切ることに切り替えました。
レースの序盤では『この集団どうやってぶっ壊したろうかな』なんて思っていたのですけどね。
ぶっ壊れたのは私の足とメンタルの方でしたね。

その後も高速道路と山道、街中を繰り返しました。
登りが見えるたびに周りの人達と「また登りかよー!もう勘弁してくれ!」って一緒に叫んでいました。
70km地点で足に力が入らなくなりペダルは回るも前によく進みません。
ここで知ったのが高速道路を走行する場合、集団で走ると物凄い速度が出て爽快だけど1人で走った場合は横っ風が直撃し逃げ道がない為に足がやられると言うダブルパンチを受ける事になります。
後ろから来る集団にバンバン抜かれつつも邪魔にならないようになんとか前に進みます。
ここで力になるのがレースを見に来てくれているお客さん達です。
プロではないのに応援しに来てくれるなんてなんて暇で優しい人達なのでしょう。
応援があると力が入るのは本当なんだなと再認識しました。

しかし足がもう動きません。
88km地点で『Express』部門のゴール地点行きの道があり右に逸れれば短いカテゴリーのゴールで終わることができます。
(レースは40、88、100kmでのカテゴリー分けですが走れそうなら40kmで参加した人がそのまま100kmを走ることも可能になっています)

そのゴール地点を見た時点で「うん、今回は頑張ったからこれで終わりにしよう」と88kmのゴールへ向かうつもりで進路を取りました。

しかしながら現在乗っている自転車でレースに参加するのはおそらく今回が最後になるため「せっかくだからもう少しだけ頑張るか」と言うことでそのまままっすぐ進む事にしました。
(5月4日に新車を購入予定だったのでオルベアでレースに出るのは実質最後でした)
そしてお待ちかねの超激坂です。
KEIMASA CYCLEの動画では本当にヒィヒィ言いながら登っていたので『この足の状態で果たして登れるのだろうか🤔』と言う状態でした。

坂の開始は斜度12%程の登りでそこから突然20%超えの坂が始まります。
このゾーンは応援をしてくれる観客の人達がとても多いので観客に格好良いところを見せたいローディー達にとっては数少ない見せ場でもあります。
悪魔おじさんもここら辺で待機してくれていました。
正直なところ今までのダラダラとした拷問のような坂に比べればこの坂が最も簡単でした。
しかし残念な事に一気に斜度が上がった坂に差し掛かったところで私の前と横の走者が自転車から降りてしまいました。
そのため通路の端側を走っていた私には逃げ道が無くなり自転車から降りざるを得ない状態になってしまいました。
いくら私にとってその坂が楽だったとは書いてますが1度足を着いた以上はもうペダルを付けて走ることはできません(多少の加速がないと両足のペダルが付けられないが、坂が急過ぎて加速することが全くできなかった)
降りてしまった人には今まで体験したことがないくい謝られました。
「歩いて登るのは勿体無いな…あっ、横の民家の手すりに掴まれば両足のペダルつけられるわ」
と言うことで手すりに手をかけて両足のペダルを付けて再度登る事にしました。
登ってみたらあら不思議、楽です。
今までの苦行のような坂道は一体なんだったのか…と言うくらいで楽でした。
しかし前の人達はすごい蛇行走行で登っています。
私はそれをスルスルごぼう抜きさせてもらいました。
しかしどうしても前を塞ぐ人がいます。
仕方がないので観客より大きな声で盛大に煽り応援しました。
お客さんたちびっくりしてましたね。

激坂の後

あっという間にその坂が終わり「ようやく終わってくれた…」と安堵していたらそこから更に緩やかな登りが何キロか続きます。
今回のレースでこの坂が2番目にきつかったです。
頭の中では完全に坂道が終わったと思っていた状態からの坂だったので斜度5%程の僅かな坂でしたが足に一気に疲労がきました。
両足太ももと脹脛、そして脛を攣りました。
脛って攣るんですね。

頭の中は『早くビール飲みたい』でした。
そんな時、横から「Kさんですか?」と声をかけられました。
左を見たら日本人の方がいました。
今回のレースにてTeam639の面々が何人か出走しているので当初は『あぁ、まだ会っていないメンバーの人だな』と思っていました。
話したい気持ちはありましたが下半身の攣れる部分が全て攣ったので「ゴール後にまた会いましょう」と約束して先に行ってもらいました。
攣っていた足を伸ばしていたらそれに感化された人達が一斉に止まり始め「オレの足もうダメだー!」「オレもだー!」とかなりの大人数で足攣りパーティーが始まりました(笑)

登りが終わり後は下坂からのゴールです。

ゴール後と出会い

ゴールした後は記念メダルをもらうそうなのですがその列がかなり長くてその待ち時間だけで30分近くかかりました。
ようやくメダルがもらえる順番が来る直前に今度は違う人から「Kさんですか?」と声をかけられました。
『この人もまだ会っていないメンバーの人かな』
思考がさっきと全く一緒です。

メダルをもらった後にその人と一緒に他のメンバーの人達と合流しようとしました。
「友達がいるので会いませんか?」と言われたので記念メダルをもらった後にすぐに手に取ったビール(今回はアルコールフリー)片手にその友達の所まで向かいました。
(レースでのイベントでもらえるビールは基本的にアルコールフリーです)
待っていた方は先程坂道で声をかけてくれた人でした。
そこで知ったのがその2人はチームのメンバーではないと言うことでした。
しかし折角会うことができたので色々話をして盛り上がりました。

ゴール後はお祭り状態

レース中に声をかけてくれた人がNaoくん(同じ歳)でゴール後に声をかけてくれたのがTakaさんです。

2人はミュンヘン在住だそうです。

よく他のYouTuberの方がレース中に他の視聴者の方から「いつも見てます」と声をかけられているのは動画て拝見したことはありますがまさか自分が声をかけてもらえる日が来るとは思いませんでした。
なぜ私だとわかったのかを聞いてみたところ「名前がKから始まりオレンジのオルベアだからこれはそうだろ」と言うことでした。
普段からオレンジをアホみたいに身につけていた甲斐がありました(ちなみに普段の生活でも何かしらオレンジ色の物を身につけています)
レース後にすぐに帰ってしまったKEIMASA(普段から超多忙)に会わせてあげられなかった事が残念でした。
しかしレースに出場し続けていればいずれ会う日が来るとことでしょう。

Naoくんの自転車は日本でもドイツでもなかなかお目にかかることのできないGuerciotti
Takaさんの自転車はKEIMASAと同じキャニオンのUltimate SL

NaoくんはYoutubeのチャンネルを持っているのと今回のレース動画を投稿しているのでそちらも載せておきます。

偶然にも私も動画に写っていました(最後の坂のシーン)

ブログを書いている際に気づきましたがどうやら私は過去にNaoくんの動画を何作か見た事があったみたいです。

世間はやっぱり思ったより狭いですね。

最後に

軽い気持ちで参加しましたがはっきり言ってフランクフルトのレースがこんなに厳しいレースだったとは思いもしませんでした。
ゴールの際には喜びよりも『あぁ、ようやく終わってくれた』の思いの方が強かったのと、なんなら半べそをかいていました。
このレースの経験が全くなかったのと山の情報を全く頭に入れてこなかった事が事態を厳しくした原因です。
来年はもう少し楽に完走できるように新しく来る自転車と共に練習していくとしましょう。

記念メダルのデザインがとてもおしゃれ


辛かったですけどレースは楽しいですね。
いろんな人とも出会えたりできるのはイベントの醍醐味だと思います。
参加したことがない方は順位を気にせずぜひ1度参加してみてください。

次は新しくお迎えする自転車の話しかケルンのレースの話を書くつもりです。

いつもの様に長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。

ではまた次回。

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