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私をキノコの世界へと誘ったキノコについて語る


1 私とキノコの出会い

私が初めてキノコと出会ったのは、保育園か小学生小学年の頃、両親からプレゼントされた植物図鑑でした。

はじめはそこまで興味があったわけではありませんでしたが、植物図鑑をめくっていき、終盤に差し掛かった時、キノコのコーナーが目に入ってきました。

そのキノコのコーナーを見た瞬間、天から稲妻が落ちてきたかのような衝撃に襲われました。

森の中にたたずむミステリアスな姿。多種多様な姿形。バリエーション豊富なカラーリング。そして、食毒。

なんでこんな形をしているんだ?
なんでこんな色なんだ?
え?こんな色なのに食べれるの?
あれ?でもこっちは毒だ!?
ええっと、どれが食べれてどれが毒で…
ああ、もうわかんないよ!!
でも、なんだろう。この気持ち。
キノコって、面白すぎだろ!!

その中でも一番気になったキノコがタマゴタケです。

この溢れんばかりの魅力に、幼き頃の僕は魅入ってしまいました。それ以来、毎日のように植物図鑑を開いてはキノコを見るようになりました。
ちなみにキノコは植物ではありません。

簡単に表現しましたが、これが、私のキノコとの出会いです。

2 膨らむ憧れ

図鑑のキノコを見ている内に、次第に「キノコに会ってみたい」と思うようになりました。もちろん、食卓に並ぶような栽培物のキノコではなく、天然物のキノコです。
そして僕は、会いたいという気持ちを押さえきれず天然のキノコに会いに行くことにしました。

しかし当時は小学生。一人で山に向かおうとすると当然止められます。危なすぎるからです。
当然ですが、山に入ることは出来ませんでした。
山に入れない=出会えない
この時点でキノコは雲の上の存在ということになってしまっていたのです。

日に日に会いたいという欲求が強くなって行きましたが、結局小学生から中学生までの間は一度も山にキノコを探しに行くことは無かったのです。

3 全ての元凶(良い意味で)タマゴタケについて

タマゴタケとはどんなキノコか簡単に説明します。

タマゴタケ ハラタケ目テングタケ科テングタケ属
学名 Amanita caesareoides

毒キノコの多いテングタケ科の中でも数少ない食菌で、派手な色合い、見た目をしているやや大型になるキノコ。
簡単に以下のような特徴がある↓

・傘は赤い、やや黄色。溝線(条線)がある
・ヒダは黄色
・ツバは黄色
・柄は黄色ベースに橙色を交えただんだら模様がある
・下部に白いツボ(外皮膜)をもつ

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見た目はこんな感じ。
派手な色で毒々しい。しかし食用キノコである。

4.夢にまでみた初対面

幼き時より憧れ、出会うことを夢見続けてきた存在。タマゴタケ。
出会うのはいつ、どんな日なのか。

その日は唐突に現れた。

2018/7/15日
当時高校3年生だった私は丁度前日県内の高校野球大会で負け、引退した直後であった。
そして当日は朝9時から学校で始まる休日の課外授業に向けて自転車を走らせている最中であった。

いつも通る通学路。いつもと違うのは朝練に向かうわけではないので余裕を持って投稿できるということ。
もちろん、余裕をぶっこきながら通学していた。

いつもと同じ長い坂道。普段は気にも留めない景色と自然に目を向けながら自転車を漕いで行く。

ふと草むらに目を向けた。
「何か赤いのがあるな。ゴミか?」
そう思いタマゴタケと疑う余地なく赤い物体に近づいた。

するとどうであろうか。
そこにあったのはまさしく本物のタマゴタケ!!

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↑発見当日のタマゴタケ

頭に稲妻が落ちた。
何という偶然の出会い。まさに不意打ち。
神様がいたずらで巡り合わせたのか、それとも野球を頑張ってきたことへのご褒美なのか。

中学校・高校と6年間野球漬けでイマイチスイッチが入らなかったキノコスイッチがオンになった瞬間でした。

この出会いをきっかけに再びキノコに対する情熱が戻り、本格的にフィールドワークやキノコ狩りをするようになったのです。

5.まとめ

私にとってキノコとは2004〜2018年の約14年間近く図鑑の中だけの幻の存在でありました。

しかし、2018年のタマゴタケ発見をきっかけにキノコ愛を取り戻し、実際に探し歩くようになります。

そして同年10月には松茸にならぶ高級キノココウタケを探し当てることに成功します。

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さらに11月にはムキタケとナメコをそれぞれ探し当てることに成功しました。

なめこに関しては親に「そんなとこに生えるわけない」と探すのを諦めるよう促されていたところを捜索、発見しました。
常識や固定観念を捨て、データや資料、先人の教えに基づいた探し方をするべきということをキノコを通して学習した瞬間でもあります。

昔はただの憧れの存在だったキノコ。
それが今や自ら捜索し、調査できるまでになりました。
そのきっかけを作ってくれた、再びキノコ愛に火を灯してくれたタマゴタケには感謝の思いしかありません。

もちろん、今年もタマゴタケに会いに行きますよ!
去年よりも詳しいデータと濃い写真を撮りたいので!

6.おわりに

私をキノコの世界へと誘ってくれたタマゴタケ。
これから夏〜秋にかけて広葉樹林の林下に発生します。
みなさんも是非、タマゴタケを探してみてください。

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