ここ(博士課程)へ来てはいけない!すぐ戻れ!

バイオ系博士課程3年。絶賛就職活動中。
「学部」「修士」で、なんとしても就職した方がいいと、強く思った。

1. 金銭面でのつらさ

私はDC1に採用されていて、経済的理由から授業料免除も受けている。
だから、アルバイトもせず、博士課程の3年間は研究に集中することができている。(リサーチアシスタントはした。)
他の博士課程の人よりは、比較的、経済面では良い思いをしていると思う。
ただ、金銭的につらい(つらかった)こともたくさんある。

  • 学部・修士はアルバイトをしながら、死ぬほど研究をした

早い段階で博士課程への進学を意識した私は、家計が不安で、DC1に採用されたかった。
そのために、実績を積もうと思った。
いつ論文が書けるかもわからないテーマだったため、必死に研究をして、学会発表をたくさんした。
サークルも趣味も基本的には捨てて、アルバイト以外の時間を研究に費やした。
(幸いにも、私には友人が1人しかいないため、「友人と遊ぶ」というイベントが皆無だった。)
研究を始めて3ヶ月後に、始めて学会に行った。(発表なし、人のポスターを見たかった)
研究を始めて半年後に、始めて学会で発表した。
その後も毎年学会発表を経験して、修士1年の秋に小さい学会でポスター賞を獲った。
この実績のおかげか、論文はなかったけれど、DC1に採用された。
ただ、DC1は「所得税」「市民税」「国民健康保険」「国民年金」を自分で出さなければならない。
当然だが、実家にも毎月数万円入れた。
修士卒で就職した後輩が、卒業してから半年後にラボに遊びに来た。
ブランドバッグを持っていた。(私はブランド物に興味がないから別にいいが)
やはり、いくらDC1とはいえ、修士卒で就職した方が金銭的には楽だ。

  • 就活がやばい

アカデミアだろうが、民間だろうが、間口が狭い。
実家の家計が心配だからか、心のどこかに「就活に失敗したら終わり」という思いがある。(あまり実家に頼りたくない)
この思いを抱えながら、就活も研究もやるのが、しんどい。

2. 研究を進める中で、精神的にしんどくなる

精神的にきつかった(きつい)ことを羅列していく。

  • 理想的な結果が得られなくなったとき(行き詰まり)

  • 指導教員からの期待が大きく、無理な仕事を振られたとき

  • 後輩がちゃんと研究してくれない

  • 120日連続通学(生き物の世話)

  • その他諸々

120日連続通学(1日の作業時間は8時間)をキメていた頃、出張(発表)を命じられたことがある。
自分の大事な実験対象を任せられる後輩もおらず、早朝にラボに出向いて世話をして、その足で出張に行った。
発表さえ、頼れる人がいなくて、私のところに話が来てしまった。
この時はさすがに、家で泣いていた。研究をやめようと思った瞬間でもある。
人生で2番目につらい出来事だった。

仕事(ラボの管理)を任される上に、研究もしなければならない。
良い結果が出なければ、論文にもならない。
これはかなりしんどいと思う。

3. 博士課程への進学はやめておけ

文章で書いているので、このしんどさはきちんと伝わっていないかもしれない。
ここで感じられる10倍以上は、苦しくてつらい思いをしたと思う。
悪いことは言わない。
博士課程への進学はやめておけ。
特にこだわりがないなら、社会人博士で十分だ。
それと、「就活がうまくいかなかったから」という理由で進学してはいけない。
なんとしても、どこかに就職した方がいい。
「なんとなく」で修了できるほど、博士課程は甘くない。

ここまで読んでも尚、「このまま博士課程に進学したい」と考えている人。
ぜひ、博士課程に進学してほしいと思う。

嫌味でもなんでもなく、こんなことを書いている私自身、博士課程に進学したことは全く後悔していない
むしろ、進学して良かったと思う。
ただ、つらいかもしれない、というのは覚悟しておいた方がいい。
私は「人生で1番つらかったこと」が、博士課程という修羅の道から、私を守ってくれたように思う。

記事の趣旨とはずれてしまうので、私が「死ぬほど研究をした理由」は、別の記事にする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?