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《実践探究レポート》 「ダイオウイカに会いたい!」夢に近づいた”春音ちゃん”のストーリー

2021年4月よりスタートした新プロジェクト「実践探究」*。
「実践探究」では、メンターと呼ばれるスタッフが子どもたち一人ひとりに寄り添いながら「好き!」「やってみたい!」を後押しします。

今回は、メンターの”テル"こと伊東光穂(いとうてるほ)に、担当生徒の"春音ちゃん"がどのようなチャレンジをしたのか、レポートしてもらいました。

ダイオウイカを見たい!という強い想いを持った春音ちゃん。
春音ちゃんは実践探究でどのようなプロセスを歩んでいるのでしょうか?
このレポートは、テルが彼なりの目線で語る、春音ちゃんのストーリーです。

*実践探究へのお問合せ先は記事の最後に記載しています。

春音2

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ダイオウイカに会うために

海洋生物編オンラインを受けて、ダイオウイカが好きになった春音ちゃん。
「ダイオウイカを見たい」という想いを、実践探究が始まる前の面談で話してくれました。
春音ちゃんはダイオウイカに会いたすぎて泣いてしまったことも
「その夜に、ダイオウイカの夢を見たんだよー」と話してくれました。
ダイオウイカに会うために、日本を代表するダイオウイカの研究者「窪寺恒己先生」にも会うことを目標にしました。

春音1

窪寺先生を探す

まず、窪寺先生に会うために、窪寺先生がどこにいらっしゃるのかを探すことにしました。
インターネット検索の結果、直近の所属は、国立科学博物館の研究員をされていたことがわかりました。
しかし、数年前の情報なので、現在はどこにいるかわかりません。
そこで、国立科学博物館に電話をして、窪寺先生の現在のご所属を伺ってみることにしました。

教室で一緒に電話で聞く内容を考え、科学博物館に電話をすることに。
スーパーで店員さんに話しかけることもできないくらいシャイな春音ちゃんには、探究学舎での電話を借りることもチャレンジです。

一緒になんて言ったら電話を借りるかを考え、勇気を出してスタッフに話しかけていました。
電話をしたものの、閉館時間を過ぎていたので、翌日にお家から電話することに。
そして、お家で電話をかけたそうですが、窪寺先生の居場所は分からなかったそうです。
しかし、実は海洋生物編を受講している時に、お母さんが窪寺先生にメールをお送りして、お返事をいただいたことがあるそうなので、またメールをしてみることにしました。
まずは、窪寺先生にメールで聞いてみたい質問を考えることにしました。

次は、窪寺先生とお話をできることになった際に、ダイオウイカについて聞いてみたい質問を考えることにしました。

ダイオウイカのはてなNo.2

その際、知っていることや本やインターネット検索でわかることは答えをどんどん書き込んでいって、調べてみてもわからないことを窪寺先生に聞いてみることにしました。

春音5

「やめたい」と思ったことも

しかし、こうした地道なチャレンジがワクワクに満ちているわけではありませんでした。
お家で「実践探究に行きたくない」「やめたい」ということもあったそうです。
原因は、今やっている作業から、「ダイオウイカを見る」というゴールが見えず、
「どうせダイオウイカは見れない・・・」と悲しくなってしまったそうです。そしてついに、「今日はやりたくない」となって教室に来てもプロジェクトを始められないもありました。

スタッフが度々話してみても中々気持ちが変わりませんでしたが、春音ちゃんが好きな「ボンボンTV」のような動画を撮ってみたら?と提案したところ、「やりたい!」となり、動画を撮るプロジェクトが急遽始まりました。
(内容は実践探究のスタッフがケンカをして、仲直りをするというドタバタ喜劇調のものです笑)

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「できない」「やりたくない」も大切なギフト

このように、探究の中でぶつかる「できない」「やりたくない」も大切なギフトだと感じています。
自分が何が好きで何が嫌いなのか、何が得意で何が苦手なのかを知ることも大事な学びですし、思い切って別のことを初めてみるきっかけにもなります。
(もちろん、苦手なことに向き合って乗り越えていくことも大切なので、励ましたり、背中を押すこともあります)

春音ちゃんの場合は、この動画撮影をきっかけに動画づくりにハマり、その後
動画の脚本づくり、撮影、編集をし、5本も動画をつくることができました!

もちろん、ダイオウイカを忘れたわけではなく、見たい気持ちは持ち続けていたようですが、動画づくりで中々教室では考えられない日々が続いていました。

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そんな春音ちゃんに訪れたチャンス

そんな中、春音ちゃんに朗報が・・・!!
なんと、ダイオウイカ研究者の窪寺先生とzoomでお話できる事になったのです!!
春音ちゃんはうれしさにぴょんぴょん跳ねながら話してくれました。

東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センターで実施している「海の探究学習・オンライン支援プロジェクト」にお母様が応募し、窪寺先生に探究サポートをしてもらえることになったのです!本来は小学校高学年以上を対象としたプロジェクトでしたが、春音ちゃんの探究への熱意を受けたプロジェクト担当の田口康大先生が、窪寺先生の協力を得られるように取り計らってくださいました。

海の探究をサポートするプログラムに応募してくださっており、春音ちゃんのダイオウイカ探究に協力してくださることになったそうです。
私も自分のことのようにうれしかったです・・・!

春音ちゃんが、紆余曲折ありつつも、行動し、想いを持ち続けたからこそ、この結果につながったと信じています。
できるかできないかは結果論であって、チャレンジしたことが何より素晴らしい。
そして、夢が叶うタイミングはいつかわからないからこそ、続けることも尊い。

これからもスタッフ一同、子どもたちと楽しみ悩みながら日々向き合っていきます!

---伊東光穂〈テル〉---

春音4

▼こちらは、春音ちゃんのお母さんが書いたnoteです。
この一連のストーリーを、お母さんの視点からも語っていただいてます。ぜひご覧ください!
https://note.com/ricojp/n/na0d78af4bf21

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子どもたちの「好き!」「やってみたい!」は千差万別です。
何が正解なのか、成功なのかは誰にもわかりません。
子どもたちとご家族とメンターが、関わりの中で一歩ずつステップを上り、積み上げ、作っていく。そのプロセスが豊かで、尊いものであるということこそ、わたしたちが「実践探究」を通して伝えていきたいことです。

実践探究は現在試行錯誤しながら、探究学舎三鷹教室にて運営しています。
ご入会を検討されている方、どんなプログラムなのか詳しく知りたいという方は、以下のメールまでお気軽にご連絡ください。
practice@tanqgakusha.jp(担当:宮脇)

※実践探究は2023年8月をもってサービスを終了いたしました。今までありがとうございました。
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(ライター:藍以)




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