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タイガース、ドジャースの「ス」

よしなしごと【気まぐれ選48】

 英語の複数形「S」の発音は二通りある。「」か「」。
 「ス」になるときと「ズ」になるときの違いは非常にシンプルで、その直前の音が無声子音なら(つまり、f  k  p  sh t  th tch)のときは「ス」。有声子音(b d g l m n ng r th v w y)なら「ズ」となる。

 さて、物事には必ず例外がある。というか、アルファベットがカタカナに変わると、発音の法則も変化する。

 例えばライオンの複数形はライオンズだが、タイガーはタイガーズではなくタイガースになる。ただしタイガー・ウッズは単数だが「ズ」である(これは意味が違う・・)。
 野球関係にこの傾向は強く、阪神タイガースも大リーグのデトロイト・タイガースも「ス」。他にもヤンキース、ドジャース、ブレーブス、インディアンス、エンゼルス・・。本来「ズ」である単語が「ス」に変化する。

 どうやら、歴史が古いと「ズ」ではなく「ス」になる傾向が見える。英語が文字のみで入ってきた時代と、音声込みで入ってくる時代の差かも。松井のいるヤンキースは1913年、イチローのいるマリナーズは1977年誕生。
(2024年注記:大谷のいるドジャースは1884年創設で、「ドジャース」を最初に名乗ったのは1932年)

 野球以外にも例がある。
 『ミツカン酢』は「ス」だが、『ミツカンポン酢』は「ズ」。やはり昔からあるほうが「ス」なのである(これも少し意味が違う・・)
【よしなしごと0227・2007年6月28日 (木)掲載】

【よしなしごと】シリーズは『tanpoPost』に2004~2013年にかけて掲載したブログ記事です。エッセイ風のショートストーリー、パロディ、ニセ論文、小ネタ、などなど。思いつくままに書き散らした小文をランダムに【選】としてご紹介します。お付き合いいただければ幸いです。

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