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フグタ社長業務日誌『コメントの続きは本音』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻1は自2007年9月24日~至10月30日。

フグタ社長業務日誌(巻1-14):10月16日(火)

 社長就任以来、よくインタビューを受ける。段々面倒になるのだろうが、今のところは楽しい。ただ、どうしてもコメントする際、言い足りないところが残るのはちょっと不満だ(正確に言うと自主規制でカットされる部分です・秘書注)。

10月10日
 「きょうは(会議で)質問者が続いてお疲れでは」に「そうですね。きょうは厳しい追及も受けましてね、大変だったです」。「低姿勢が揺らいだようにも見えたが」に「そうだったかしら。極めて抑制的にやったつもりなんですけど」。
 本音部分・・・「ちょっと切れかかったからねえ、ばれちゃったかなあ? 」フフフ♪

10月11日
 「あしたの会議で田中さん(元社長のお嬢さん・秘書注)が質疑に立つが、かつて同僚だった田中さんとの論戦に対する意気込みは」に「論戦あるんですか、そもそも。あるの。うーん、それはまた楽しいですね、ええ。あの、田中さんが社長になるんじゃなかったのかな、わたしがなるよりも。まあ、あした楽しみにしています」。
 本音部分・・・「あの田中さんとまともに話できる人いる?ましてや論戦なんてありえないでしょ」フフフ♪

10月12日
 「きょうの会議で田中さんが質問したが」に「やっぱり、元気いいですね。本当、たじたじでしたよ」。
 本音部分・・・「一人で喋りまくって、満足したんでしょうね、元気に帰っていきましたよ」フフフ♪

10月13日
 「社宅にはいつ引っ越しをするか」に「これはまだ決めてないんです。こちらの準備さえ整えば、なるべく早く来ないといろんな方にご迷惑掛けるもんですからね、引っ越してこようと思ってますけどね」。
 本音部分・・・「あまりずるずるしてると、引っ越しても、またすぐ出なきゃなりませんしね」フフフ♪

10月15日
 「ボクシングの亀田大毅選手が1年間の資格停止処分を受けたが」に「わたしはね、その場面、見てなかったんですけどね、相当なもんだったらしいですね。スポーツの世界でフェアネスは大事。スポーツマンらしくやってほしいと思います」。
 本音部分・・・「私にそんなこと聞かれてもねえ、今日はネタがないの?」フフフ♪

10月16日
 「きょう午後の会議で社長の低姿勢が少し乱れたように見えたが」に「いや、低姿勢ですよ、あくまでも」。
 本音部分・・・「と言っても、賛成してもらえないでしょ、きっと」フフフ♪

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注:
首相は正式な記者会見のほかに、官邸や国会の廊下で立ち止まって短い取材に応じる慣例がある。これを「ぶらさがり」という。1日2回、昼はカメラなし、夜はカメラありが定番であった。多くの場合、回答が「ワンフレーズ」となるので、舌足らずで誤解をまねき「真意が伝わりにくい」という指摘もあった。
※『フグタ社長業務日誌:コメントの続きは本音』は、ブログ『tanpopost』に2007年10月17日 付けで掲載したものです。


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