見出し画像

フグタ社長業務日誌『バタバタ年末進行』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻3は自2007年12月1日~至12月31日。

フグタ社長業務日誌(巻3-14):12月26日(水)

 師走である。したがって私も走る。駆け回るという感じだ。というわけで日記がとんだ(申し訳ありません・秘書注)。忙しいのでここ数日、何をしていたかあまり覚えていない。とりあえず思い出したことだけ書く。

12/23(日)
 初めて社宅に泊まった。以前アベ社長が使っていたのを、壁紙を替えたりウォッシュレットを取り替えたり改装していた。家財道具も少しずつ運んでいた。年内の引越は無理そうだが、いつまでも空き家にしておくわけにもいかないので、試しに泊まってみることにしたのだ。
 感想は一言で言うと「大変だ」につきる。一晩泊まって、くたびれた。

12/24(月)
 親父の代から付き合いのある河内鋼板さんが、いきなり会いたいと仰る。むげに断るわけにも行かず、かといって会社に来られるのも困る。仕方ないので、ちょっと会社を抜け出して赤プリで会う。用件は、おふくろさんを大事にしなさいとか、紅白は赤に勝たせたいとか・・、まあよくわからないのだが、そんなこと。

12/25(火)
 早朝会議2件。中国出張が迫っているので、その準備やら、前倒しの打ち合わせやら多数。業界紙記者と懇談。中国報道機関3社の共同インタビューあり。お詫びもあり・・。
 晩飯は東京・九段北の中国料理店「中国飯店」で会食。ここは一昨日も来た。しかも明後日から中国だ。もう少し考えて場所を決めろと秘書に文句。怒。

12/26(水)
 朝から会議、打ち合わせ。このくそ忙しいときに、モリさん(元社長)が、ひいきのサッカー選手を引き連れてタニマチ気取りで得意げにやってくる。
 午後からはグループ本部の四悪人、イビキさんとタニガケ君(彼ら同郷なのである)が京都営業所の所長候補を連れてきたので面談。
 その後、本部のホームページ用のビデオ撮り。打ち合わせ、会議、打ち合わせ。
 午後7時44分、社長室を出て役員応接室前で、退社前恒例の業界紙記者さんたちのインタビュー。
 「来年の会社運営の見通しは」
 「来年は大いに期待してますよ。変わるんじゃないかな。そう期待して一生懸命やります。変えるか、変わるか、どっちでもいい。変わりゃいいんですよ、変わりゃ」・・ほぼやけくそである。

>>次話に進む
<<前話に戻る
<<最初から読む

注:
河内鋼板こと川内康範(1920~ 2008)は、脚本家、作詞家などとして知られる。昭和30年代のテレビ映画『月光仮面』が有名。作詞家としては「骨まで愛して」、「恍惚のブルース」、「花と蝶」、「伊勢佐木町ブルース」、「おふくろさん」などのヒット曲を生み出した。晩年は薬害肝炎問題の対応に関して福田首相にアドバイスしたと言われる。
※『フグタ社長業務日誌:バタバタ年末進行』は、ブログ『tanpopost』に2007年12月27日 付けで掲載したものです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?