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フグタ社長業務日誌『私の口癖』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻7は自2008年4月1日~至4月30日。

フグタ社長業務日誌(巻7-2):4月3日(木)

 出来るビジネスマンはスピード感を大切にする。ゆえに最近、私の口癖は「早く!早く!」である。

 4月2日の業界紙インタビュー。「ガソリン代のマージンだが、復活させる時期についてどう考えるか」に
 「早く回復しないといけないと思います。早い方がいいです」
 「今月中に戻すのか」
 「早い方がいいです、一日も早く」。

 4月3日。経理部の金庫番の件について。
 「なるべく早く決めなければいけないと思います。関係者とよく協議した上で方針を決めたいと思います」
 「どのタイミングが適当と思うか」
 「早い方がいい。早い方がいいです。早い方がいい」。

 この分だと明日あたり、
 「フグタ社長はいつごろ退陣するつもりか」と聞かれたら
 「早い方がいい、一日も早く!」
 つい口走ってしまいそうな気がする。

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注:
もちろんこの当時は誰も(この記事を書いている私も含めて)知る由もないのだが、この5カ月後の9月1日、福田首相は「新しい布陣の下に政策の実現を図らなければいけない」と記者会見で述べ、辞任の意向を表明した。ある意味、有言実行の人である。
※『フグタ社長業務日誌:私の口癖』は、ブログ『tanpopost』に2008年4月4日 付けで掲載したものです。


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