社員研修が「手洗い」ですか…。
新入社員研修で、手洗いの指導をして欲しい、とのオーダーがあったと後輩談。医療機関や施設ではなく、食品でもない一般企業からのオーダーだった、とのこと。冗談かと思いました。
産業医がメンタルヘルス研修をする際に「手指衛生」の話をしたとしても、実践的に手を洗う実演や実習まではしないので、私も驚きました。まるで園児の手洗いを想像してしまいました。
せっかくなので、簡単に覚書をしておきます。
感染様式
接触感染・・・薬剤耐性菌(MASA、VRE、MDRP)、CDI、疥癬
空気感染・・・結核
飛沫感染・・・インフルエンザ、百日咳、耳下腺炎(おたふく)
手指衛生の種類
※医療現場における手指衛生のためのCDCガイドライン、2003メディカ出版
通過型・・・手指の表面には常に付着している(病原性細菌など)
→手指衛生によって除去可能
常在型・・・皮膚のより深い層に付着しているため除去困難
→手術時に手指消毒によって除去
アルコール消毒剤が優れている点
手に付着した病原体を短時間で確実に減少させる
いつでもどこでも容易に実践できる
保湿剤配合により、手洗いよりも手荒れが生じにくい
上記の図は、首相官邸HPのものです。この図の通り、社員研修では皆で洗面所に行って実践したというのです。抜き打ちでハンカチとティッシュを携帯しているかも確認したとのこと。
手洗いでは、普段の手洗いと、上記図のように手洗いした時の時間を計ったそうです。
ここまでして、身体で覚えさせる。ここまでしないと、研修の意味がない。
確かに、今の時節には必要だと感じましたが。
これからの時代のマナー研修には「手指衛生」も入れましょう、ということですね。
昨年までのマナー研修、例えば名刺の受け渡し、挨拶、コンプレアイアンス等とは相当様変わりしました。コロナの影響力は大きいですね。本当に時代は変わりましたね。
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