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あの日見たこと

二階の窓を開け放ったら、部屋の中にこもっていた海の香りが通り抜けていく風に吹き飛ばされて、あたらしい空気の匂いに満たされました。

やっと深い息ができる、肩の力が抜けました。

一階の窓ガラスは一枚も残ってはいなくて、一階の北東の一角は何か大きながれきが当たってなくなっていました。

階段の途中に人が昇っていくのを遮るように刺さっていた3本の大きな松の木を乗り越えて、二階に上がってきました。

床の上には湿った砂が積もっていて、海の香りを放ちながら何かを隠しているようないないような、入っていってはいけないような存在感を見せていました。

たった何時間かの津波の通過でこの家だけではなくて、周り中全部の家が壊されていました。

それ以外の目には見えない大切なものも。

災害は怖いです。

ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。