『短編』チョコレートコスモス(前編)
小学校の頃から友達と言う友達はいない。
いじめられてる訳ではないけれど、心を開いて話すとか、弱いところを見せるとかよく分からなくて、私は誰にもそんな事を話す事は無かった。
高校になり、塾で遅くなる私に防犯の為にと親が持たせてくれた、スマホ。
もちろん登録しているのは家族に親戚に塾くらいだった。
学校では高校生になり、スマホを買って貰ったクラスの子達が初々しげに、皆んなで番号交換をしていた。
私は誰とも交換せず鳴らないスマホはバックに入れたまま、気づかず充電が切れてる何てのはしょっちゅうだった。
ある日、塾が終わり、帰りの電車をホームで待っている時、時間を確認する為にスマホをつけると、メッセージがあります。っと表示されていた。親かな?って思って開くと、"君は何で名前?"っとメッセージが入っていた。
アイコンはunkownで誰からかも分からない。
私は"名乗らない人には名乗れない"っと何となく返した。
そして、バッグにしまい。私は電車に駆け乗った。
家に帰り、夕飯とお風呂を終わらせベットに潜り込み、スマホを取り出した。
メッセージが一件あります。
"僕はアンノーンだよ。名乗っているだろ。"
私は悪戯だなっと、そのまま充電して眠りについた。
朝になり、身支度を整えて私は学校に行った。
雑踏騒めく駅のホームで私はスマホを忘れた事に気づいたが、まっ。良いかと気にする事なく学校に行った。
何もなく学校を終え私は家に帰宅した。
試験勉強を終えふとスマホを開くと、メッセージが一件あります。っとあり
"ところで、貴女の名前はなんですか?"
っと来ており、
"私はknownです。unknownさん。"
っと送った。
すると、すぐ返信が返って来た。
"knownさん。いきなりのメッセージごめんなさい。スマホを買って貰ったのですが、僕は友達がいないので、適当に送ってみました。良かったら、やりとりして頂けませんか?"
っと来た。
"知らない人とやりとりするのはどうかと思うので、考えさせてください。"
っと送った。
私はこう言うのには慣れていないし、正直unknownを信用もしていなかった。
"承知しました。良い返事を待っています。"
私はそれを読むと机に置き、眠りについた。
それから、私はそのメッセージが来たことも忘れ、日常を過ごしていた。
2年が過ぎ、そして受験で忙しくなり、私は大学生になった。
高校ではしていなかった、お化粧もし大学生活をエンジョイした。高校では出来なかった事を沢山やった。人生で初めて親友と呼べる人もでき、別の学部に彼氏と言うものもできた。
バイトも始め、サークルにも入り、充実ってこんな事を言うんだなって思った。
毎日が凄く楽しかった。
unknownからのメッセージなんて、私の記憶の片隅に追いやられて、思い出す事も無かった。
そんなある日、私はバイトが早く終わり、少し街をぶらりとして帰ろうとショッピングモールをブラブラしていた。
後少ししたら、彼氏の誕生日が近かったし、好きなブランドのネックレスでも奮発して買おうとショップへ向かった。
しかし、私は行かなければ良かったと後悔した。
親友と彼氏が腕を組んで歩いていたのだ。
彼氏の右腕に頬を当てる親友。
友達と言うには近づきる距離感だった。
私は何が起こっているのか、分からず隠れながら後を追った。
2人はそのまま、ショッピングモールを出て、ホテル街に消えていった。
それを隠れながら追う自分の虚しさにぼーっとなった。
2人からの裏切りに私は耐えれなくなり、そのまま帰路についた。
次の日、私は普通に大学に行った。
おはようと、何もなく話す親友。
私は何も知らない様に普通に会話を続けた。
そこへ彼氏が来た。
私の横に立ち腕を私に回して来た。
親友と彼氏に挟まれ堪らなくなった私は、「昨日2人で何してたの。私見たんだけど。あのショッピングモールで。」
っと言った。彼氏は「昨日、俺は家にいたよ。何言ってんだ。」
親友は「私も昨日は家でドラマ見てたよ。内容話そうか?」
2人はごまかそうとしていた。表情も誤解してるんじゃない?って嘘をつき慣れてる人間の顔だった。
「じゃ。何で2人とも同じボディソープにシャンプーの香りがしているの?」
私は聞いた。
「それ、私と彼氏が昔行ったホテルにあるやつだけど。」
私は、私の気のせいであって欲しかった。しかし、親友の掌を返した言葉に唖然とした。
「アンタと親友ごっこしたのは、この人がカッコいいからだよ。じゃなけりゃ、アンタみたいな子と仲良くなる訳ないじゃん。サークルの連中もウザがってるよ。アンタみたいな子。」
人間が本性を出した時である。
瞼が半分落ちた目。口角が少し上を向いて刺す言葉。言葉が生臭く感じる。耳を摘んでしまいそうに臭かった。
私はそのまま呆然と歩き家に帰った。
そのままベットに篭り泣いた。
これが、人生で初めての裏切りである。
アイスピックで溝落ちから斜めに刺され、心臓を射抜きそして、抜けない様に肢の部分をおられた感じだ。ずっと冷たい金属だけが胸に残った。
私は泣きじゃくりそのまま眠った。
次の日、私は初めて大学をサボった。
てか、行く気にはなれない。
そして、考えた。
これなら、高校の時みたいな感じが楽なのかなって。あのままなら、こんな事にはならなかったかもなっと。
そして、私は夕方になり、スマホを取り出しサークルの掲示板に辞めますっと送った。
何で?どうして?っとメンバーからメッセージが届いたが、それも生臭く感じて画面を閉じた。そして、連絡先を家族と親戚以外全部消した。
それから、私は大学でもバイト先でも関わりを達一人で過ごす様になった。
初めは心配してくれる声はあったが、それも無くなり私は無として認識される様になった。
大学生活も2年生が終わり3年になった。
いつもの様に駅のホームで電車を待っていると、スマホが鳴った。
メッセージが一件あります。
"やー。僕だよ。元気にしてるかい?"
あの頃のunknownからだった。
"私になりに元気にしています。"
私はそう送り返した。
"あの頃の返事はどうだい。やりとりしてくれるかい"
"そうでしたね。すっかり忘れてました。今日だけならいいですよ。"
私は遊び半分のつもりで送った。もう半分は少し寂しさがあったのかもしれないけれど。
"ありがとう。knownさんは今は大学生かな?多分歳は近いみたいだけど"
"はい。大学生ですよ。3年になりました"
"大学生か。いいな。僕も大学生になりたかったな"
"大学生なんてつまらないですよ。unknownさんは働いてらっしゃるんですか?"
"いや。働いてないよ。働いてもみたかったけど"
"?? なら何をされてるんですか?"
"僕は中学の時くらいから病院さ。外を歩いたら苦しくなるからずっと入院しているんだ。だから高校も行ってないよ"
"そうなんですか。何と声をかけたらいいか、分からないです。"
私は声の掛け方がよく分からなかった。励ますのか、無視するのか。私の人生では答えの見つからない問いだった。
"いいんだよ。普通で。僕は外の世界を知りたくてランダムで送ったんだから。逆に気をつかわれ過ぎたら僕がやりとりを辞めたいくらいさ"
"じゃー。辞めますか?"
"それはknownさんが決めてくれて構わないよ"
"unknownさんはどうしたいですか?"
"僕は続けて欲しいな。"
"なら、明日からも送ります。でも、unknownさんが可愛そうとか、そう言うのは無しにします。生臭い言葉は私はかけてほしくないので、そう言うのはしないですし、してほしくないです。"
"僕もその方が助かる。宜しく。"
私とunknownはこうしてやりとりを始めた。
この後、私は名前も知らないunknownに優しさを貰い、少しだけ暖かい悲しさを貰った。
〜続く〜
-tano-
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