精神科で潰されてしまう人【助けてもらいやすさにも格差がある】

女性にとって1番楽しい時期だと言われる10代から20代にかけて、私にとっては最悪の時代だった。

高校時代から友達は1人もできない、学部に友達がいないのでゼミに入れず学問に身を入れることもなく、大学のサークルには8回入ったものの浮いてしまいすべて退部、彼氏が出来る気配もまったくなし、接客から裏方まであらゆるアルバイトで怒鳴られるわ無視されるわで無能っぷりを発揮し、本当にいいところがなかった。

何もかもうまくいかず自己肯定感は爆下がり、ひどく気分が落ち込むようになり、カウンセリングと精神科の診察を受けることになった。



それが、カウンセリングと精神科を受診すると、ますます状態は悪くなっていった。

精神的に支援してもらえるはずの精神科とカウンセリングで、私の精神はますます壊れていったのだ。

精神医療のプロである精神科医の診察や臨床心理士のカウンセリングが、私にとっては間違いなく毒になっていた。


私が病んだ理由は、自分の辛さが過小評価されていると感じたからだ。

大学の学生相談室のカウンセラーY.Sは、自分に対するネガティブな感情をすべて「認知の歪み」として扱い、彼女の自称認知療法とやらはポジティブ思考の押し付けでしかなかった。

大学のこころの診療室の精神科医H.Cは、何を言おうと「でも学校には行けているんですもんね」と返し、ニコニコしてうなずくだけでまったく話を聞いていない人だった。
社交不安障害と診断されながらも薬などは一切処方されず、何の治療も受けられないまま1年が経ち、本当に学校に行けなくなった。学校に行けなくなってからやっと薬が処方されるようになったが、登校は難しく1年間休学することになった。どう考えても手遅れだった。

会社員時代の精神科医T.Kは、「みんなだって苦労している」「結婚して子供がいて自由がない女性もいるのに、あなたは独身で自由だから恵まれている」など、露骨に他人と比較してあなたはまだ大したことはない、他にもっと辛い人がいるんだから、という発言を繰り返した。

実際、精神科医T.Kに「正直、私のことは大したことがない患者だと思ってますよね」と聞くと、その通りだと認めた。


「あなたの風邪は、どこから?」というフレーズでおなじみの風邪薬のCMがある。

風邪を引いたときに38度ほどの熱が出れば、大抵の人は休むべきだと考える。

喉がやられて咳が酷くなると周りにうつすと思われるので、これもまた休むように言われるだろう。

一方、鼻づまりがひどいので休みます、と言う人はあまりいない。

個人的には熱や咳と比べてもかなりしんどい症状だと思うのだが、鼻づまりが原因で休みたいと言うのは許されない雰囲気がある。


私が言いたいのは、辛さの度合いと助けてもらいやすさは必ずしも比例しない、ということだ。


精神科では、その人の属性や置かれている状況などの客観的な事実、人としての雰囲気や、症状の伝え方が上手いかどうかなどが診断に関わってくる。

私の場合、
・学校や会社に行けている
・有名大学に入れるだけの知能がある
・大学卒業後正社員として就職している
・就職して2年半は働けている
・年齢はまだ20代である
という事実から、いくら仕事ができなくて悩んでいると言おうと「早稲田に入れるくらいの知能があるなら、仕事ができないといってもそこまでひどくはないはずだ。まだ20代なんだし、今の仕事が嫌ならさっさとやめて次に行けばいいだけ」という程度にしか取られなかったのだろう。

うつ状態にもかかわらず早く会社を辞めるよう急かされ、あなたは愚痴ばかりで行動に移そうとしない、と説教される始末だった。

自分は発達障害だと思う、という話をしても、精神科医T.Kは「2年半も働けるほど社会性があるなら発達障害とは言えない」と言った。

このまともに頑張ってきた人ほど助けてもらいにくくなる理不尽さについては以下の記事に書いた。
今回の記事とかなり関連が深いので、是非とも読んでみて頂きたい。


私の雰囲気や話し方、口下手で伝え方がヘタクソすぎることも分かってもらえなかった要因だと思っている。

私は自分の辛かった出来事を他人事のようにあっけからんと話してしまうところがあって、あまり辛そうに見えなかったのかもしれない。

私が甲高い声で必死に話す様子が、加虐性をそそっていたのではないかとすら思う。



精神科は、感情の赴くままに泣き喚いたところで同情してもらえる場所ではない。

実際に何度か泣いたこともあるが、そういう患者を見慣れているのか、医師の反応は冷ややかなものだった。

すべての精神科医が無神経な発言をするわけではないが、普通の精神科医も、患者の話から事実だけを抽出して、病気の症状に当てはまるかを機械的に判断しているだけのようだった。時間をかけて親身に話を聞いてくれる精神科医はかなり珍しいと思った方がいいだろう。


私が考える精神科で助けてもらうためのコツは以下の3点である。

・気持ちが落ち込む、イライラするなどの気分だけではでなく、~時間しか寝られなくなった、体重の増減が~kgあった、イライラした結果物を壊してしまったなど、事実を中心に伝える

・口下手な人は症状を紙に書いて持参する

・医師の診察にストレスを感じたらすぐに転院する


特に大切なのが3点目である。

私はこれまでに10軒以上の精神科にかかったことがあるが、すぐに診断を出す医師もいれば、なかなか診断を出さない精神科医もいた。薬の処方も医師によって全くバラバラだ。

前述したように、本人の症状や属性によって助けてもらいやすさに差があるのに加えて、医師にもすぐに助けてくれる人となかなか助けてくれない人がいる。

精神科で診断がつくかつかないかは、完全に医師のさじ加減である。
心の病気は目に見えない分、精神科の治療は本当に適当でいい加減なのだ。

だから、自分を振り返ることも大切だが、自分にとってマイナスにしかならない診察には早く見切りをつけて別の病院を予約する行動の早さも大切である。


https://twitter.com/marikakonosu/status/1423418424437329923?s=20


目に見える身体障害は支援を受けやすいが、目に見えない精神障害や知的障害は支援を受けにくい。

モラハラなど精神的な暴力が問題となっているが、家庭内暴力の相談窓口では肉体的な暴力を受けている人しか支援の対象にならなかったりもする。


こうして考えれば、リストカットをする人の気持ちも分かる気がする。
目に見える傷を付ければ誰に対しても「私はこんなに辛いんです」アピールができ、医師にもそれなりに重篤な患者として扱ってもらえるのだろう。



助けてもらいたいのなら、助けてもらえるように動くしかない。

あなたはもう子供じゃないのだから、泣いていれば誰かが助けてくれるはず、などと甘ったれた幻想は捨てるべきである。



精神科に通わなければならないほど精神的に追い込まれた状態で、うまく助けを求めるのは非常に難しい。

大学時代、大学付属の保健センターの精神科に通いながらも何の治療も受けられず状況は悪化するばかりで、大学の学生相談室のカウンセラーA.Tに相談したところ、「あなたの伝え方がヘタクソなのが悪い」と一蹴されたことがある。

助けを求めて切羽詰まっている時ほど、相手は冷たくなる。”泣きっ面に蜂”とはまさにこのことだろう。 


弱者には、助けてもらいたい時に助けてくれる人は誰もいない。

転げ落ちた先に地獄が待ち受けているのが世の中なのである。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?