買い手から売り手へ!ニーズを読み解き、魅力を伝えよう〜営業・マーケター(なりきりラボ#7)〜
小学生向け探究学習プログラム「なりきりラボ®」「おしごと算数®」(2019年度グッドデザイン賞受賞)。子どもたちの探究心や創造性を刺激する、数十の職業が詰め込まれています。マガジン「なりきりラボ・おしごと算数の世界」では、その一つひとつのタイトルの魅力をご紹介します。今回は、「営業・マーケター」(なりきりラボ#7)です。
<プログラム開発者、いわたくに聞きました!>
ー営業・マーケターとは、子どもたちにはあまり聞き馴染みがない職業かもしれません。今回はどんなプログラムですか?
一言で言うと、「売る」にチャレンジするプログラムです!
ゲームデザイナー・絵本作家・メカエンジニアなど、「なりきりラボ」には作り手になりきるプログラムは多くあります。ただ実際の社会では、モノやサービスを作って終わり、ということはないですよね。作る人だけでなく、「売る人」がいるからこそ商売は成立し、モノやサービスが届くということを子どもたちに実感してもらおうと、このプログラムを作りました。
売り手として一番大切なことは、相手が本当に欲していることは何かを分析し、希望(ニーズ)を理解すること。さらには、商品の価値を分析し、相手のニーズにマッチする魅力的なポイントを取捨選択して伝えることも求められます。買い手から売り手に立場を変えて、とことん相手と商品に向き合い続けながら売るための工夫を重ねていくプログラムです。
ー実際の授業はどのように進んでいきますか?
プログラムの前半は「営業・販売体感ゲーム」がメインです。架空の旅行商品や家電を講師・メンターに「売る」ための提案をします。相手を唸らせる提案をするために、細かい質問を重ねたり、普段の行動を観察したり、商品のどの魅力が相手に響きそうか選んだり・・・。人の心の動きについての探究ができるのも、このプログラムの魅力の一つです。
プログラム後半では、講師・メンター相手に「本当におすすめの商品」を提案します。子どもたちが提案した商品を実際に購入するかは、講師・メンターの完全な自由。そこに変な優しさはありません。子どもたちには質問力、分析力、プレゼン力はもちろんのこと、万物から「購入してくれそうな」商品を選ぶリサーチ力や決断力も求められます。以前(2019年1月〜2月)このプログラムを実施したときは、メンターの好みにあったコンビニのグミを提案して、実際にメンターが気に入って毎週購入した例もあります!
ー実際の購入まで人の心を動かすとは、敏腕営業マンですね!(笑)ところで今回のリニューアルで、「営業・販売」から「営業・マーケター」と名称変更もありましたが、プログラムの内容にはどのような変化があったのでしょうか?
一番のポイントは「職業観の拡張」ですね。これまでは「現場で売る」ことにのみ焦点を当てていましたが、子どもたちに「売れる仕組みを考える」ことにもチャレンジしてもらうことにしました。実際のマーケティングで使われる視点や事例を紹介することで、商品を売るまでの流れを理解し、営業活動にも活かせるようになります。
また以前のプログラムでは、自分の提案を通すために試行錯誤することはできても、いざ売れなかった時にどう改善すればいいか分からない子が多かったんです。そこで今回は、売れなかったときの原因分析を多角的に行います。そもそも最初のニーズは合っていたのか?ニーズは把握できていたとしたら、提案した商品選択がよくなかったのか?商品も悪くなかったけど、伝え方がイマイチだったのか?と一つひとつ丁寧に振り返ることで、営業スキルに磨きをかけていきます!
ーなるほど、営業を上達させるための視点もたくさんあるんですね!このプログラムを受けたあと、子どもたちにはどのような変化が起きそうでしょうか?
お菓子、おもちゃ、文房具など、子どもたちも日常的に購買機会に触れています。そんな時に、売る側の工夫にまで目が行くようになると思いますね。ご家族で一緒に買い物に行くと、意外な発見が増えるのではないでしょうか。
またこのプログラム自体が、質問力、プレゼン力、コミュニケーション力など、国語の「聞く・話す」を総合的に網羅しています。そのため、例えば他の人にプレゼントをあげるのがうまくなったり、自分のやりたいことの提案を上手にできるようになったり・・・。家族・友達などさまざまな場での対人関係において、違う立場の人が持つ意図・希望を想像するチカラがとても活きると思いますね。
▼ 「営業・マーケター」のプログラム詳細
▼ 全国の校舎で開講中!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?