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選択肢を広げ続ける人生から、選択する勇気へ

突然ですが、僕は実は東大生です。

世間のイメージと違わず、東大生の就職先は名だたる企業ばかりです。

就職先一覧をみると、某外資系コンサル、某外銀を筆頭に、日本中、世界中の大企業が並んでいます。

その一方、巷では、「東大生が就職する会社(業界)は10年後に落ちぶれる」と言われることもあります。

以前の映画業界しかり、メガバンクしかり、当時は圧倒的な知名度と権力を握っていたものの、現在ではそこまでの勢いはありません。

最近では、外資内資問わずコンサルが圧倒的に人気ですが、将来的には勢いを失うのかもしれません。

理由としてよく言われるのは、「東大生はプライドや世間体、友人の影響もあって、その時点でのベストアンサーを求める。そうした業界は、その時点では一番ブランドや力がある旬の業界だが、逆に言えばそれ以上伸びることはなく、時が経つにつれどんどん地位を下げていく。」というものです。

確かにそれもあると思います。ただ、僕が考えるもう一つの理由は、「選択肢を広げる」ということが習慣になっているのだと思います。

「なんで勉強しないといけないの?」と大人に聞いた時、こう答えられたことはありませんか。

「勉強すれば将来の選択肢が広がる。多くの選択肢から自分のやりたいことを選べる。だから勉強するんだ。」と。

また、東大には「進学選択」という制度があり、2年生までは一般教養を学び、3年生になるタイミングで専門分野を学び始めます。

「なんで東大を目指すの?」と聞かれた際、こう答える人も多いです。

「東大には進学選択がある。2年生までに幅広い教養を学んで、いろいろな選択肢を知った上で勉強したいことを決められるんだ」と。

東大に限らず、一般的に学歴が高いとされる人たちは、選択肢を広げる傾向がある。逆に言えば、選択肢が狭いことを極端に怖がる。

この傾向は、就活にも表れています。コンサルに内定した先輩は言います。

「まだ社会でやりたいことがわからないから、汎用的な力が身につくコンサルにした。しかもコンサルは今大人気だから、転職する時にも選択肢が広がるし、いろいろな選択肢を持っておくことで、将来の幅を広げたいんだよね。」

コンサルではなくとも、東大生が中小より大手企業、日系より外資を選びたがるのは、選択肢を広げたいためでしょう。

社会経験がない僕が言うのもおかしいですが、僕はこの「選択肢広げたい病」に強烈な違和感を持ちます。

選択肢を広げたら、その中から選ぶのが大変になるだけじゃないか。広く浅い経験・知識しか積めないんじゃないか。本当に大切にしたいもの、人を見失ってしまうんじゃないか。

僕は今まさに、選択肢の広さに悩んでいます。贅沢な悩みだと思われるかもしれませんが、これまでの人生で広がりすぎた選択肢を、そろそろ収束させる時なのではないかと思っています。

間違っても、選択肢を広げることを人生の目的とはしたくないのです。その時々の気持ちと、価値観と、大切にしたいもの・人と誠実に向き合って、「選択する勇気」を身につけたいと思っています。

最後までご覧いただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします!


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