映画「ターミナル」|「待つ」ということ
映画「ターミナル」を観た.
母国の紛争が原因で空港に閉じ込められたトムハンクスが,空港内でどうにかこうにか生き延びようと頑張るあの映画である.
観た人はすべからくマクドナルドに駆け込んでハンバーガーにかぶりつきたくなるあの映画である.とっても良い映画だった.
以下感想殴り書き.ネタバレあり
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映画全体を通して,トムハンクスのちょっと抜けているけどひたむきに生きている様子がとても魅力的だった.フォレスト・ガンプしかり,キャストアウェイ然り,苦しい状況の中で必死にもがく様子が輝く役者はそう多くいないだろう.必死にもがいているうちに,空港内の人々の人気者になったり,最初は嫌われていた清掃員たちに好かれたりと,アメリカに来た目的を達成する日を,母国に帰れる日をひたすらに待つ主人公の姿に勇気をもらう.
空港で何かを「待っている」のは主人公だけではない.意地悪な警備局のおっさんは顎肉をついタプタプしたくなる上司が引退して自身が出世できる日を待っている.寂しがりやのCAは,自身の孤独を埋めてくれる人が迎えに来てくれるその時を心のどこかで待っている.多くの人々がそれぞれの思いの中で何かを待ち,諦めたり,蔑んだり,他者の足を引っ張ったりする中で,主人公だけは,父とした約束を果たすために自分ができることをひたむきにやる.例え警備局のおっさんにカートを集める仕事を邪魔されても,できることをただただ頑張る.そんな姿が周囲の共感を得て,大きな力となっていく流れが良かった.
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