映画「おやすみ オポチュニティ」|幸運のピーナッツ
マジで良かった,もう最高.
夢を追いかける人々の素晴らしさが心に突き刺さって震わせてくれる素晴らしい映画だった.
誰かと協力して何かを成し遂げようとやれることをやる人日はやっぱり素敵だなと感じた.
ざっくり所感
映画の主人公はタイトルにもあるように火星探索用のローバーなのだけれども,同じくらいNASAの研究者たちにフォーカスされているのがとっても良かった.そもそも火星ローバー計画が何故始まったのかから始まり,ローバーを作った人や作戦の指揮統括を行っていた人などローバーに関わるあらゆる人へのインタビューが織り混ぜられた序盤の時点でクソ泣ける.なんでNASAに入ったのか,なぜ宇宙が好きなのかを話している姿の目がとっても輝いていて,見ているだけで元気をもらえた.
長く続くミッションだからこそ,メンバーが入れ代わり立ち代わりで引き継がれていく中で,最初ローバーが火星に辿り着いた時の熱狂のど真ん中にいた高校だった人が今度は計画の主要メンバーとしてミッションを支える側の立場になっているように,誰かが抱いた夢や希望みたいな熱を帯びた思いが時代を超えて脈々と続いていることの尊さみたいのものを感じることができた.
目覚ましソング
NASAの慣習として宇宙飛行士を地球から起こすために目覚ましソングをかけるというものがあるそうで,相手がローバーでもその慣習に則って音楽がかけられる.ミッションが上手く行っていなくてチームの空気が重たいときもかけられる音楽は,映画作品としてとてもマッチしていて没入感がエグかった.ローバーからの通信が途絶えちゃったときに悲しい音楽をかけることで逆にチームの雰囲気がちょっと和むシーンが本当に良い.
願掛けピーナッツ
もう一つ作中で何度も登場していた習慣として願掛けピーナッツがある.調べてみたところ,NASAでゲン担ぎのためにピーナッツを食べるというものの歴史は結構前からあるみたいだった.
1959年,レンジャー計画というアポロ計画の下準備として,ロボットを月軌道に送り,月の写真をロボットが軌道上から取りまくってデータを貯めるという計画があった.
しかし,その計画は6回連続で失敗.重い雰囲気が漂う管制塔だったが,7回目のときについに成功する.この時の担当者が,まぁ気軽にピーナッツでも食べようや,と緊張を解していたエピソードができたことで,踏ん張りどころではピーナッツを食べるという文化が生まれたそう.
宇宙は遠い.とても遠い.だからこそ,どうしても祈りしかない場面が多くでてくることで,緊張した時間が長時間続く.めちゃくちゃ頭の良い人たちがやれることをやりきったあとに祈るためにピーナッツを口に入れているというそのバランス感覚がなんだか素敵に感じた.
チーム作りとしても,適度な緊張と緩和をキープするのはとても大切だと思うし,みんなで同じものを食べて気持ちを一つに向かわせようとするにもうってつけだし,意外と合理的だよな~
大成功して喜びあい,互いを称え合った後に食べるピーナッツ,どんな味がするのだろう.
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