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偶像は中身が空っぽの方が相手にポジションを取らせれて便利です『トラペジウム』


(C)2024「トラペジウム」製作委員会

 高校1年生の東ゆうはアイドルになるため、「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」という4箇条を自らに課して高校生活を送っていた。
 城州東高校に通うゆうは、ほかの3つの方角にある高校へ行き、3人の美少女と友だちになる。文化祭やボランティア活動を通して結束を深めていくゆうたちに、ついにテレビ出演のチャンスが舞い込む。やがてアイドルデビューのプロジェクトも動きだすが、大きな問題に直面する。

MOVIE WALKER PRESSより引用

感想

 公開前はかなり期待していたけどハードル上げ過ぎてしまっていたかもしれない、というのが率直な感想。観る前にFilmarksで90分代ということを知り、「もしかしたらな、、」という予想は当たってしまった。 
 アイドルに憧れ、メンバーを集め、活動し、崩壊していく。この4段階を描くだけにも90分はあまりにも短過ぎた。その結果、ご都合主義と中身が伴わない無難な作品になってしまった。テーマは面白いと思ってただけに非常に残念である。

ご利用は打算的に

 アイドルを目指す主人公、東ゆうの行動が打算的過ぎる。他のメンバーにちょいちょい勘付かれるレベルに隠せていない。それも制作者側の意図なのだろうが、観ている側としてはツッコミを入れたくなってしまった。
 アイドルに限らず組織はワンマンになったら崩壊するっていうのは世の常、例に漏れずアイドルグループ東西南北も崩壊してしまった。
 ポスターは東ゆうの打算的で周りの人間を踏み台にして夢を掴んでやろうという性格の悪さが滲み出ていていいですね。

まとめ

 90分で映画にするより1クールのアニメにしたほうが中身が伴った作品になったのではないかと思う残念な作品。原作者は乃木坂46の高山一実ということから実際のアイドルが見てきた景色などが作品に反映されているのだろうが90分ではメインキャラ4人の掘り下げができておらず、残るのは主人公の性格の悪さのみ。
 本作の中身の薄さも、アイドルが持つ偶像性に由来するものだとしたら、それはなんとも皮肉が効いているのでしょう。
 どうでもいいモブキャラのゲスト声優は置いておいてメインキャラは可愛いし、演技もちゃんとしているので今年ワーストレベルでは全くない程には楽しめると思う。

 

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