見出し画像

見たぞ!14年の封印から解き放たれた伝説のスプラッターホラー『クロムスカル』

はじめに

 どうも初めまして、今回より鑑賞した映画の感想などをnoteに書き残しておこうと思います。そして、記念すべき1本目は『クロムスカル』

© 2009 DRY COUNTY FILMS,LLC.

真夜中、棺桶の中で意識を取り戻した女性。やがて自力で棺桶を脱出した彼女にさらなる危機が迫っていた。銀色の髑髏面をつけ、肩にビデオカメラを装着した大男がサバイバル・ナイフを手に彼女を追ってきたのだ。その男は全米ですでに数十人もの女性を殺害、その光景をビデオに撮って警察に送りつけていた連続殺人鬼クロムスカルだった...。

テアトルシネマグループ

見せるところをしっかりと見せる

 この作品はそれに尽きると思った。というのは、監督を務めたロバート・ホールは『Xファイルザ・ムービー』『ターミネーター:サラ・コナー・クロニクルズ』などで活躍した特殊メイク界の巨匠であるということから、いかにリアルにグロく人体破壊をやってのけるかが見どころとなるからである。個人的な見どころは終盤のショットガンで頭部を吹き飛ばすシーンである。あの過剰かつ爽快な演出はまさに熟練した特殊メイク技術のなせる技である。私は思わずそのシーンでクローネンバーグ作品の『スキャナーズ』を思い出してしまった。

『Scanners』David Cronenberg

 頭部爆発だけでなく、顔面融解、首チョンパ、腸漏れなどなどゴア好きにはたまらない残虐非道のオンパレードがスクリーンで楽しめる。

ヴィランとしての魅力

 本作の殺人鬼クロムスカルの魅力は何といってもビジュアルのかっこよさである。クロム製のスカルマスク、肩についたビデオカメラ、武器の大きなナイフ、この3つの特徴から何となくプレデターを彷彿させ、往年のキャラクターへのリスペクトを感じるビジュアルとなっている。

 しかしこのような見た目でもお茶目な部分もある。自らが運転する車には大きくクロムスカルの文字がペイントされており、さらにはナンバープレートにもクロムスカルと書かれている。恐ろしい見た目の殺人鬼である一方でどこか中二病なセンスというギャップに愛おしさすら覚えてしまう。 また、彼が殺人を犯しその一部始終をカメラで撮影する動機などは明らかになっておらず天性の殺人鬼ということが考えられる。敵役の深掘りは敵としての箔が落ちるリスクがあるのでクロムスカルの一言もセリフを発しない徹底した不気味さの演出には素晴らしく感じた。

ちょうどいいバランス

 この手の作品は一方的に追われる場合が多いのだが、本作ではクロムスカルと主人公グループが追い追われの関係で進行していくのでパワーバランスがちゃんと取れているように感じた。しかも、先制攻撃は主人公が食らわせるという珍しい展開となっている。
 また、本作の90分という上映時間も非常にちょうどいい。B級ホラーは最大瞬間風速で駆け抜ける必要がある。なので100分超え、ましてや2時間も続けられると途中でダレてしまうところなのだが、本作は見事に駆け抜けてくれた。

まとめ

 ゴア好きにはたまらない強烈な人体破壊、クロムスカルのかっこよさ、展開や尺の丁度よさから非常に楽しめる作品であった。完成から14年越しの日本上陸ではあるが古臭さはさほど感じることもなかった。続編も8月に公開されるらしいので是非その予習として劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

cinema kobe

クロムスカルを鑑賞したcinema KOBE
去年の『セルビアンフィルム』『アドレノクロム』ぶり、2本立てもあるので一本で2本見れるお得な映画館です。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?