見出し画像

カウンセラーだけど、いわゆるカウンセラー資格は持ってないのですよ。

よく言われることだけど、日本には、カウンセラーという国家資格はない。
なんとか学会とか、なんとか機構が認定する、なんちゃらカウンセラー資格はあるけども。とりあえず、その辺については、まとまっているものがあるので、詳しく知りたい方はそちらを見ていただきたい。

有名なところでは、認定心理士と臨床心理士、そして国家資格になったばかりの公認心理士、これらはおおむね心理系の大学・大学院を出ている必要があり、これから私が取ろうとすると、放送大学で大学を卒業した後大学院に入り、試験を受けて取る、ということになる。えーと、最低で4年かなあ。

キャリアコンサルタント(国家資格)は急にだけど可能性が出てきた。5月15日から若者サポートステーションで働いているから、週2回でも実務として認められれば受験資格がある。それでも、3年はかかる。

産業カウンセラーは、6または10か月の講座受講と試験で取れる。受講料は約30万円。

どれもこれも、時間もかかるしお金もかかる。
私は、今から7年前に傾聴を学び始め、本当にお金のない時から、今ようやく少しはお金を持つようになったくらいで、それでも、たとえば30万というお金や、1年という時間を費やすことはできなかった。今でもできない。

それでも、相談員としての仕事をしているので、以前所属していた団体の理事長に「一応、何か持っておいた方が、カウンセラーですと言えるから持っておいて」と言われ、通信制の講座で取れる資格を取得した。メンタル心理カウンセラーという名前で、まあ、誰も知らない(ってことはないけど)。私はよく「4万円で買った」という言い方をするのだけど、テキストが送られてきて、問題を(テキストを見ながら)解いて、しかる後に送られてくる試験問題を(テキストを見ながら)埋めるとだいたい受かる。それでも、助成金申請書などに「メンタル心理カウンセラーが行います」と書くとそれっぽく見えるから、十分役に立っている。ありがたい。

でまあ、ぶっちゃけて言ってしまうと、相談や支援の現場にあたって、資格の有無が問われることは(めったに)無い。困っている相談者や被支援者にとって重要なのは、その人が何の資格を持っているかではなく、その人が何ができるかだ。

本来、資格の役割というのは、その資格を持っていることが、ある程度の技術や能力を担保するところにある。ところが、ご存じのように、心理系の大学や大学院を出て、認定心理士や臨床心理士を持っている人であっても、実務経験の有無やその人の支援に対する考え方、支援者に対するアプローチなどによって、その能力は大きく左右される(資格を所有していることが、必ずしもその人の能力を反映していない)。

もちろん、その人が行っている支援が独善的であったり、逆に相談者を苦しめていないかどうかのチェック機能は必要で、私はそのために無料で公開で講座を開き続けているところもあるのだけど、これだけSNSが発達して、評判が広まりやすい時代でもあるし、「あの人のやり方はちょっと」という人のところには人は集まらない。その意味では、資格で仕事が取れていた時代からすると厳しい時代と言えなくもないけど、そもそも、大体のカウンセラーには倫理規定のようなものがあって、その中には「カウンセラーは、その行為が人々の生活に大きな影響を及ぼす可能性の自覚の上に立って、常に自己の限界を知り、研鑽に励むとともに、職務の遂行に当たらなければならない。」というものがある、簡単に言うと「常に勉強する必要がある」ということで、人生の中のある一時期に、カウンセラーとしての能力が認められたからといって、それが一生のものではなく、「勉強し続けないといけないよ」ということである。であれば、ますます、資格ってなんだろう、ということになる。

実際、上記のように、私はぺらっぺらの資格しか持っていないのだけど(メンタル心理カウンセラー協会の方、すみません)、いろんな場面で、より高級な資格を所持しておられる方に講座などをさせていただく機会がある。もちろん、どちらが上で、どちらが下という話ではなく、私も多くの資格所持者とお話しさせていただく中で色んなことを学ばせていただいている。

カウンセラーはまず目の前の人を見る。
その人の肩書や資格を見るわけではない。

まず、カウンセラー自身が率先して、そのことを実践していくことが大切なのではないかと、私は思う。

お読みくださりありがとうございます。 いただいたサポートは、NPO法人ルネスかごしまが行う「生活困窮家庭・ひとり親家庭支援」に全額使わせていただきます。