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民生委員さんなど協力者向け「ひきこもり支援の手引き」

昨年作成した、民生委員さんなど向け「ひきこもり支援の手引き」を公開します。実際にはこの資料を基に90~120分の講演を行いますので、言葉で補足しなければならず、資料のみでは参考程度にならないのですが、どちらかというと、自分のための記録として。

『〇〇市民生委員・児童委員協議会研修会 講演

令和元年8月22日
特定非営利活動法人 ルネスかごしま理事長 谷川 勝彦

(1)ひきこもりとは

定義「仕事や学校にゆかず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅に引きこもっている状態」(厚生労働省・内閣府)
15~39歳 54万人
40~64才 61万人(2019年調査)

・ひきこもりは(一時的な)状態である
つまり、周囲の適切な関わりや、本人の希望などにより、その状態から脱することができる

・必ずしも「ひきこもり=危険な状態」というわけでも無い
とはいえ、長く人との関わりが無い状態が続くと、本人や、周囲にも悪影響を及ぼすことがあること、無理に引っ張り出すことが、本人や周囲のためにもならないことがあることを認識する(ひきこもっている状態が、当事者本人にとって唯一の安心できる場所であるならば、そこから引きはがすことはしない→本人がここから出られる、出てもいい、出たい、という状態を作る)

・引きこもりになる要因は様々であり、人によってその対応は異なる
「何をすれば大丈夫、何をすれば良くなる」というマニュアルは存在しない

(2)私たちにできることは何か

・小さな異変を見逃さない
・とにかく聴くことに徹する
・いきなり本人(当事者)にアプローチすることは、専門職であっても難しい
*傾聴の技術について
「伴走型支援者養成講座」(後述)

・児童相談所への通告について(18歳未満の場合)
*児童福祉法第25条(要保護児童発見者の通告義務)
要保護児童を発見した者は、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない(抜粋)。

〇とはいえ、何ができるのだろう

・専門家につなぐこと
・民生委員・児童委員だからこそできること
「安心してください。私たちがなんとかします。一緒に考えていきましょう」という姿勢を明確に出せるかどうか
自然と情報が集まるような実績作り

〇ご本人に、ご家族に「安心していただくこと」
社会全体で取り組みます
「あなたも、あなたの家族も、ひとりじゃないよ」

(3)鹿児島県における「ひきこもり支援」の現状と
全国的な支援活動の推移について

・ひきこもり支援センター(子ども若者総合相談センター)について
現状と問題
18~39歳までの若者が対象であること
基本的には鹿児島市にあるセンターでの対面相談になること

・地域ができることと、現在できていないこと

気軽に相談ができる場所であるか、あるいはその目的は何か
いざ相談が来た時に、専門的な最低限の(話を聞く、必要な情報を提供する、専門家につなぐ)技術が備わっているか

・足立区、愛知県岡崎市、佐賀市などでの取り組み
情報共有とワンストップサービス
「相談はチャンスである」という考え方

「誰の、何のための活動(取組・組織)であるのか」を認識する

「自分たちが目指す未来(地域・社会)は、
どのようなものであるのか」

(4)NPO法人ルネスかごしまの活動について

・気軽に相談もできる、相談しなくてもいい「ひだまりカフェ」の存在について
・訪問支援について
行けるところであれば、いつでもどこでも行きますという姿勢
訪問時の注意について
・学習・就労支援について
・貧困対策について
「おてらおやつクラブ」「一般の方からの寄付」など』

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谷川勝彦(たにかつ)
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