NTTデータTangityが「IBM DXチャレンジ2020」にJoin
こんにちは。株式会社NTTデータのデザイナー集団「Tangity」で、コーディネーター&デザイナーをしております林です。
今回は、私が2020年4月より関わらせていただいているIBM様主催のイベント「IBM DX チャレンジ2020」について書きたいと思います。
IBM DXチャレンジとは、最新のデジタルテクノロジーを活用して業界および地域社会の課題を解決する、新しいアイデアの創出とその事業化をめざすビジネス開発コンテストです。
NTTデータ Tangityは、共催企業として今回初めて参画させていただきました。
Tangityでは、このように他社様とのコラボレーションを通じ、ビジネスデザイン業界を盛り上げ、新たな学びを得るという活動を年間いくつかしています。
イベント自体は今まさに佳境を迎えておりまして、全国大会を2021/1/22に控えています。
是非、こちらのイベント公式サイトで概要&状況をチェックしていただければと思います!
また、3社幹部の対談記事も公開しております。(週刊BCN)
日本IBM常務執行役員 三浦様
ダイワボウ情報システム専務取締役 小峰様
NTTデータ執行役員 冨安
本記事では、このイベントの運営の話をしたいと思います。
「60チーム、600人、9ヶ月」「持ち込みアイディア」
このイベントは、2020年4月後半から2021年1月まで、9ヶ月にも亘って行われる本格的なアイディア事業化イベントです。
参加者は以下を行い、1次審査、2次審査、地区大会、全国大会と4回の審査を経て優勝チームが決まります。
・持ち込んだアイディアの具体化
・ビジネスプランの検討
・IBMソリューションでプロト開発
全国の多様な企業様から60を超えるチームが参加し、関係者は約600名にもなります。まさにビッグイベントです。
最近、デザインワークショップ、デジタル技術、DXのビジネスプランなどの個別要素をテーマとしたセミナー等は多く目にします。しかし、決められたお題ではなく参加者持ち込みのアイディアで、上記全てのフェーズを体験できる機会は、あまりないと思います。
オールオンライン
さて、私がイベントの企画検討に参画した2020年4月はコロナ禍の始まりで、今後どうなるのかわからない時期でした。
「昨年のように全国を回って開催することは難しいだろう」
とのお話がIBM様からは既に出ていまして、
「じゃあ地域限定なのか?部分的にオンラインでやるのか?」
と議論が広がっていき、結果的に
「今後どんな事態となっても継続の可能性が高い手段で」ということで、全てオンラインで実施することに決まりました。
今でこそ、世の中全体がオンラインでのビジネス活動に慣れてきていますが、この時点では、まだまだ世間も手探りの状況でした。そのため、この決断はイベント運営の難度が上がることを意味し、同時に新しい大きな挑戦となりました。
IBM様の、さすがのご決断だったと思います。
9日間で約200回のオンラインデザインワークショップ
(1)コンテンツ
IBM様は、各参加チームが以下を3日間で実施できるコースを予め用意していました。
・デザイン思考とプロセスの講義
・自分たちが持ち込んだアイディアでの実践
(2)イベントで使うツール構成
これもすぐに決まりました。
・技術研修:オンラインセミナーツール
・デザインワークショップ:オンライン会議ツール&ブレークアウトセッション
・議論の可視化:オンラインホワイトボードツール
・日常の質疑応答や相談:企業間チャットツール
(3)60チーム超✖️各3回、合計200回弱のデザインワークショップをどう成功させるか
Tangityで日頃行っているプロジェクトでも同様ですが、コンテンツとツールが揃って、スムーズに進行するための検証とリハーサルを何度か行い、進行の目処がたてばまずはベースが整い一安心です。
しかし、それに加えて各プロジェクトの状況に応じた課題が必ずあります。
今回の場合、ワークショップのファシリテーションについて、例えば以下の課題がありました。
その1:チーム数に対してファシリテーターの数が足りない
その2:チームの所属業界がバリエーションに富み、アイディアが多種多様で、ファシリテーションにおいて幅広い知識が要求される
その3:他社の方々で初対面な上、オンラインなので表情もわかりにくく、雰囲気の把握が難しい
「その1:チーム数に対してファシリテーターの数が足りない」の解決
Tangityからも、私を含め数名がファシリテーターとして参加していました。
日頃、Tangityで実施しているデザインプロジェクトでも同様ですが、オンラインワークショップは1人で切り盛りすることが難しく、対面での実施と比較し多くの稼働が必要になります。
(「Tangity流、リモートワークショップのデザイン」より)
今回は、上図のような内容については、IBM様の主導で入念なリハーサルと分担を行うことで解消されました。それでも足りない分は、経験豊富なファシリテーターが、オンライン上で複数のチームをファシリテートしました。(この方法は、かなり熟達しスキルの高い方が事前準備をして対応できるもので、標準的な方法ではありません・・)
今後オンラインワークショップが常態化すると、デザイナー間でのこうした協業の機会が増えると思います。
「その2:チームの所属業界がバリエーションに富み、アイディアが多種多様で、ファシリテーションにおいて幅広い知識が要求される」の解決
ファシリテーターがすべきことは、担当するチームのアイディアを事前に理解し、関連する業界の動向や事例などを可能な限り調査しておくことです。
今回のイベントのように、10単位のアイディアの事前調査を一気に実施することは稀かもしれませんが、普段から幅広い事柄に興味を持ち、知見を蓄えておくと良いということは、言うまでもありません。(近道なし!)
「その3:他社の方で初対面な上、オンラインなので表情もわかりにくく、雰囲気の把握が難しい」の解決
標準的な対処方法としては、以下のようなことが行われます。
・グループワークの最初にアイスブレークを兼ねた自己紹介を行う
・全員マイクをONにし、個人ワークの時もONのままでブツブツ独り言をつぶやきながら作業をしていただく
・カメラを可能な限りONにしていただく
1点目と2点目は、ファシリテーターも率先して実行します!3点目は、急に言われても困る方も多いので事前のお知らせが必須です。
その他、ファシリテーター自身のキャラによってもやり方がいろいろあると思います。私の場合、例えばタイムキープを余裕を持って行うことを心がけています。
オンラインだと他のチームの様子が見えず、ついついぎりぎりまで議論をしてタイムテーブルに振り回されがちになり、雑談のような隙間の会話が生まれにくいです。
グループワークの最初の30秒、最後の1分、なるべく空くように進行し、そこで雑談や、アイディアに関するぶっちゃけトーク枠を設けます。
上記のような関係者全員の工夫と、IBM様の効率的かつ的確な運営主導により、200回のデザインワークショップは無事成功いたしました!
社会貢献
このイベントには、たくさんの地域貢献、社会貢献のアイディアの応募がありました。地区大会に出場した28チームのアイディアのリストをご紹介します。
新規事業創出 8件
働き方改革 7件
災害対策 3件
バリアフリー 2件
高齢化社会対応 2件
フードロス対策 2件
子育て・教育問題対策 1件
その他 3件
今回共催させていただき、このように参加チームの皆様の各業界を盛り上げよう、ビジネスを通して暮らしやすい社会にしよう、という意気込みを間近で拝見できました。そして非常にエネルギーをいただきました。
デザインプロジェクトで培った経験を、このような貢献に生かせることは大変やりがいを感じます。
参加企業の皆様、IBM様、もう1社の共催企業ダイワボウ情報システム様に、感謝いたします。
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