第12節 VSアビスパ福岡 ~あと一歩を動かすメンタル~

ほぼラストプレーでの失点。

あえて厳しい見方をするとしたら、勝ち越しのチャンスを掴み切れなかった直前のシーンから気持ちの切り替えが出来ず、守備に綻びを作ってしまったことが生んだ失点と言えるのではないでしょうか。

ハイライトの時間4:38、鈴木淳がクロスを上げたシーン。このシーンでは福岡の攻撃8人に対して山形が10人います。人数的には足りているように見えますがフェリペとアルヴアロがポジション的には浮いていたので実質同数。さらに中村駿・熊本もポジショニングが中途半端な位置にいたことから、人はいても効果的な守備が出来ていない状態になってしまっています。結果、フリーで入ってきた田村にニアでボールを触られて後ろの枝村にゴールを決められるという結果になりました。

このシーンでは①鈴木淳にボールが入ったときに数人が適切なポジションを取ることが出来なかったこと②後ろから上がってきた田村に誰もマークに行けずフリーで触られてしまったことの2点が改善すべきポイントになっています。田村に人が付くことができれば、失点する可能性はかなり下がっていたかと思われます。

鈴木淳にボールが入る瞬間、田村はアルヴァロと中村駿の間にポジションを取っており、その後はゴール前に上がっていきました。それもフリーで。
ちなみにこの攻撃シーンにおいて田村がボールを持っていた時に最初にチェイスに行ったのはアルヴァロ。しかし田村は篠原にボールを戻したことからアルヴァロは目線を下げ田村へのアタックをやめてしまいます。この後上がっていく田村に対して中村駿へマークの受け渡しが出来ていればよかったと思われますが、中村駿も田村へのマークに走るわけでもなく中央バイタルの位置に陣取りました。

この時に田村はニアのスペース見つけ、勢いをもって入っていきます。ここでスペースを消していてほしい熊本は鈴木淳のボールだけを見ている為このスペースを把握しきれていません。その後の結果は上記に述べたとおりです。

マークの受け渡しがうまくいかなかった最初のシーン。該当者はアルヴァロと中村駿。この二人は直前の勝ち越しチャンスでボールに絡んでいた二人です。

そのチャンスを失った後のこのプレー。ピッチ内ではどのような声掛けがされていたかは定かではありませんが、マークの受け渡しが全く出来ていないこの映像だけを見れば「直前のシーンから頭の切り替えが出来ず、その場における適切なプレー(田村に対する守備)ができなかったのではないか」とも思えてしまいます。

試合中は様々なシーンがあり、その場面で適切な対応を取り続ける事が大切。たとえ誰かがミスをしても、周りがフォローできれば防げることもある。

失点シーンにおいて、二人のマーク受け渡しがうまくいかなかったことと熊本のポジショニングミス。3人が適切なプレーできなかったことで相手にチャンスを与えてしまい、ゴールを奪われ敗戦。

先日の試合でもありましたが、細かいところまで追求していかないと今のJ2では簡単に勝てる試合なんてありません。

もっともっと、勝利のためにプレーの厳しさを。

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