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私は目立たなければいけない

私は「目立たなければいけない」という無意識の中に深く根付いてしまった信念に長年支配されていた。あの恐ろしい呪縛について、当時のことを振り返ってみようと思う。



私の父は真逆で時間に超うるさい人だ。
そのため私も10分前行動が当たり前だった。昔は待たせるより待つ側の人間だった。中学生くらいまでは。
それがいつからだろう、「私=時間にルーズ」というイメージに変わってしまった。


離婚後、実家を離れて息子と二人で集合住宅で暮らすようになった。
最初は遅刻しないよう登校していたのに、もともと朝が弱い人間。疲れも出てきて日に日に家を出る時間が遅くなる。登園時間を30分以上過ぎるのは当たり前だった。
もちろんそれでいいと思っていたわけではない。それでもどうやっても、なんならいつもより30分早く起きても時間通りに到着することができなかった。そんな自分に嫌気が差しまくり、車の中で自分に向けた言葉をすり替えて息子に投げつける。怒りが収まらず保育園につくまでずっとネチネチ説教。「こんな自分いなくなれ!!!」と直線道路でアクセルベタ踏みしたこともあった。車のドアが落ちるんじゃないかと思うくらい強く強く、これでもかってくらい強く閉めたことも一度や二度じゃない。
今思えば精神状態がやばかったと思う。

ある時、支度をしなくちゃいけないのは頭で分かっているのに、体がその動きについていかないということに気が付いた。それはその日突然現れたのではなく、今までも起きていたことだった。それをしっかり認識してしまった。「もう行かなきゃ!!」という頭と「行っちゃダメ」と引き留める体。頭と体が時間を賭けて綱引きしているようだった。
何これ・・・。
来る日も来る日も頭と体の綱引きを見守るしかない自分。「また綱引きしてる・・・」分かっているのに動けない。自分ではどうにもならない。すると今度は脳裏に人の顔が浮かぶようになってきた。それは私の父と、当時の保育園の担任の先生の顔だった。白い目でこちらを見ている。二人とも私に愛想を尽かした顔をしていて、まるで「やっぱりお前はダメだなぁ」「だからダメなんだよ」と言われているようだった。
もちろん、現実ではない。
でもそれが毎朝出発時間近くなると綱引きとセットで現れるようになった。

頭では理解しているのに、体がそうさせない。
綱引きしている感覚が出てくる。
脳裏に先生と親の顔が浮かぶ。
ようやく家を出れるが遅れた自分の至らなさにイライラがMAXになり、ドアに当たり、息子に説教し、気持ちよく「バイバイ」できずに仕事に向かう。どうしようもない日々が続いた。

そんな時、キネシオロジーから派生して東洋医学を取り入れた「タッチフォーヘルス」のお試しセッションを新聞で見かけ、受けることにした。
タッチフォーヘルス(ってゆーか呼び名がいっぱいあって何が何だか正直分からないw)は簡単に言うと、ストレスを感じると人間の筋肉が緩まる「筋反射」に着目してストレスの原因をYES/NOで探っていくというもの。それが何なのか、何歳くらいの出来事なのかなども調べることができ、それを取り除く方法までも、すべてを記憶している「身体」に直接「聴く」ことができる。



例えば肩こりの原因とか、腰痛なんかも。ちなみにギックリ腰はストレスがMAXに達した時に起こるらしい。そして腰痛の7割は内面からの問題とか。
知ってる人はキネシオロジーっていうとOリングを思い浮かべる人もいるかも。



正直最初はそれがなんなのかわからなかったのだが、昔から自分の直感や神とか宇宙とか、目に見えない次元のものが好きだったのもあり、その面白さにハマってしまった。そして何度もセッションを受けに行き、「時間に遅れてしまう問題」も視てもらうことになった。
(その後先生はビジネスパートナーとどこかへ飛んでしまった・・・)

先生がいくつかのワードを口にし、筋肉の微妙な変化を視ていく。すると「私はダメな人間だ」というワードでヘナヘナに力が入らなくなることが分かった。根っこの部分で自分はダメな奴と思っていたらしい。その当時(割と今も)自分大好き人間なので「そんなばかな!!」と信じられなかった。

自分の思っているダメな人間とはどんな人間か、を探っていくと「目立たない人」というのが出てきた。逆にいい人というのは目立つ人だった。
自分の中で目立つ人とは、声が大きく(主張が強く)、服装が派手で、見た目も派手、乗っている車や自分のスタイルも人の目を惹くような、とにかく存在感のある人という認識だった。
実際、自分もいろんな意味で目立ちたがりやだった。定職に就かず好き勝手やっていた。髪はくるくるのスパイラル、服は古着、B系でもないのに鼻ピをつけて昭和のランクル60(マニュアル/ウインチ付き)を乗り回し、人に見られることに高揚感を覚えていた。みんなと違うことでみんなが見てくれる。これぞ自分と思っていた。
逆に、自分の中での目立たない人とは、声が小さく主張もあまりせず、地味で、おとなしく、普通の人生を送ってる人・・・そんな感じだった。

派手で目立つ人がいい人で、目立たない人はダメな人、という間違った自分の中の定義。実はそこに時間にルーズな原因が隠れていた。
なぜ時間に遅れるのか。遅れるとどうなるか。
遅れると目立つ。良くも悪くも目立つ。
そう、目立つのだ。
では時間通りに行ったらどうなるのか。
一番人が多い時間帯。当たり前の登園時間。
目立たない。
そこで目立つ必要があるのかと突っ込みたくなるが、まぁ目立たないのだ。

目立つ人=いい人、目立たない人=ダメな人
いい人は目立ち、ダメな人は目立たない。

私は根っこに「自分はダメな人間だ」という強い思い込みがあるため、ダメな人間にならないためには、自分の定義である「目立つ人」でなくてはならなかった。つまり、時間通りに行くということは、その他大勢に紛れて目立たない=ダメな人間になってしまうということになる。

ダメな人間にならないために、私は遅刻して目立つ人になる必要があった。

そもそもどうして「私はダメな人間だ」に反応したのか。そこまでは深く見てもらわなかったが、昔から父の口癖が「ダメだなぁ」だった。舌打ちもよくされていた。それがいつのまにか刷り込まれてしまったのだろう。

自分が目立とうとしていたのは「私はダメな人間なんかじゃない」と言い聞かせるためだった・・・そう思うと、なんだか自分が愛おしくなった。
心理学などでもきっとあるのだろうけど、お金の問題、人間関係、DVの人とばかり付き合ってしまうとか、そうゆう問題も、そうしなければいけな理由が必ずあるのだと思う。


ここ数年は時間通りに動く機会がだいぶ減ったが、あの頃に比べて目立つことからはだいぶ遠のいた気がしている。目立たなくてもダメな人間じゃないって思えるようになったし、むしろ「なんだその変な刷り込みは???」とすら思うようになった。

目に見えない世界。それを怪しいと思う人もいるかもしれないが、自分の内側からの声はやはり絶対なのだと強く思う。
これからも心の声に耳を傾けて残りの人生、生きていこう。


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自分が今まで体験してきた「目に見えない系」をここに記しておこう。

・占い
・オーラソーマ
・ヒプノセラピー
・レイキ
・キネシオロジー(筋反射)
・EFT
・ESR
・マトリックス・リインプリンティング(先生が見様見真似でやっていた)
・オラクルカード
・チャネリング
・前世見てもらう
・フラワーエッセンス
・アロマテラピー
・引き寄せの法則&思考は現実化系
・ペンジュラム

思い出したら追記しよう(笑)









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