田んぼの学校の先生@古くて新しい農業

品種改良以前の古い稲にこだわり続けて20年、いつの間にか自然栽培の域に足を踏み入れまし…

田んぼの学校の先生@古くて新しい農業

品種改良以前の古い稲にこだわり続けて20年、いつの間にか自然栽培の域に足を踏み入れました。古い農法の緻密さが、スマート農業と言われるRTK-GNSSやドローンの技術と、会い通づると確信しています。単に古いだけではなく最新の技術を駆使した「古くて新しい農業」をお伝えします。

最近の記事

田畑の菌根菌と人体の腸内細菌

菌根菌 菌根菌は、植物の根と共生する菌類の一種です。菌根菌は、植物の根から分泌される糖分やアミノ酸などを栄養源として取り入れ、その代わりに植物に水やミネラルを供給することで、植物の成長を促進します。また、菌根菌は植物の病気や害虫から守る役割も担っています。  菌根菌は、生態系の中で重要な役割を果たしています。例えば、森林の場合、菌根菌は土壌の有機物を分解して栄養素を供給し、樹木の生育を助けると同時に、炭素を固定してCO2の吸収にも貢献します。また、草原などの草地においても、菌

    • ミズクグリ純 滋賀県在来種の青大豆

      ミズクグリってどんなお豆 滋賀県の在来種のミズクグリは、芳醇な香りと強い甘みが特徴の美味しい大豆です。昔から栽培されてきた品種改良されていない「在来種」という希少品種です。機械栽培に向かず栽培農家が減っています。味噌や豆腐、きな粉にすると大変コクのある豊かな味になります。水を潜る(くぐる)からミズクグリと言われる。冠水しても被害が出ない程湿害に強いという意味からミズクグリと言われています。 お客様のレビュー 美味しいお豆 ありがとうございます。 早速届いたお豆を昆布豆に炊き

      • あさひ純 高アミロース米復活に向けて

        「あさひ」ってどんなお米? ~~高アミロース米(低GI米)~~現在のお米をさかのぼると、「旭」「愛国」「亀の尾」などの品種にあたります。コシヒカリは、3世代前に「旭」があるように、現在の美味しいお米のルーツをたどると「旭」「愛国」「亀の尾」などの古い品種に行き当ります。西日本では「旭」、東日本では「亀の尾」が当時の主力品種であり、西日本では『「旭」でなければ米ではない。』とまで言われていました。「旭」の1世代前の「日の出」がでてきたのは、1887年(明治20年)頃のことです。

        • 日本の米 高アミロース米復活に向けて

          在来種からの選抜 米の検査がなかった江戸時代、それぞれの地域に在来の稲が存在し、それぞれの地域の気候や土壌などの環境に適合した稲が栽培されていました。品種改良は限られた篤農家に委ねられており、在来品種の中からより優れたものを選抜育種することで稲の性能の向上が図られていました。 日本の米の三大品種 明治の初期多くの選抜育種が行われ、西日本は神力(しんりき)、関東は愛国(あいこく)、東北は亀の尾(かめのお)が米の三大品種となります。神力は後に旭1号(あさひ)に代わられ「西の旭、

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          不耕起水田の生き物たち

           いきなり耕すのをやめると、驚くようなことが次々と起こります。トンボやタニシ、藻などが爆発的に発生し、「生き物がいっぱい!」と嬉しくなります。それまで、生物相の乏しかった田んぼに何かの種が放たれると繁殖し放題の状態になるのでしょう。何年かすると、一見静かさを取り戻したように見えます。よく調べてみると特定の種の数は減りますが、生き物の種類が増えていることに気づきます。これが、食物連鎖の上に成り立った、生き物たちの絶妙なバランスなのだと思います。  このような世界では、「害虫」

          米アレルギーを考える 高アミロース米復活に向けて

          米アレルギーの主な原因グロマリン アミロペクチン 残留農薬 1.タンパク質(グロブリン)米にはタンパク質が約8%含まれています。主なものは、アルブミン、グロブリン、プロラミン、グルテリンなどで、その中のグルブリンがアレルギーの原因のひとつでタンパク質の5%程(全体の0.4%)です。タンパク質は米の胚乳部に多く含まれているため、玄米や精白度の低い白米では多くなります。また、2.で述べますが、低アミロース米ではタンパク質が多くなります。 2.デンプン(アミロペクチン)米に

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          不耕起水田における生物多様性の実現とその体験・理解【資料編】

          本著は20年前に始めた不耕起栽培と田んぼの学校の実践をまとめたものです。読み返してみると今の稲作に通ずるものが多くありましたので、広く紹介したいと思い投稿しました。 本文の中で扱えなかったより詳細でより具体的な事項を補う形で写真を中心に【資料編】としてまとめました。目次で概要をお示しします。購入いただければ幸いです。なお、収益は今後の活動資金とさせていただきます。 資料1 不耕起水田の生き物 不耕起稲作を始めると、それまで生き物に与えていた負荷がなくなり特定の種が爆発的に

          有料
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          不耕起水田における生物多様性の実現とその体験・理解【資…

          不耕起水田における生物多様性の実現とその体験・理解

          1 はじめに 環境省のレッドデータブックの絶滅危惧種Ⅱ類にメダカが記載され、メダカがにわかに世論の注目を集め、メダカを絶滅から救うための「メダカの学校」運動が日本の各地で取り組まれるようになった。メダカに限らず絶滅を危惧される生物種の多くは水田を繁殖の場所としている。最近特に日本の場合に、水田は治水工事によって失われた「氾濫原の水たまり」に変わる一時的水域の代替的湿地として、多くの水辺の生物に生活と繁殖の場所を提供している機能が注目されてきている。  水田の「多面的機能」を

          不耕起水田における生物多様性の実現とその体験・理解